空間(スペース、ないしは真空)と「物質」との誤解

 量子物理学や、それを根底とした宇宙の「始まり」モデルでは、無から正と負(電気符号的に)の粒子が対で「なにもない『空間』、真空」から生じるとしている。私が自習する限りにおいてはそう主張しているように読み取れる。この「対発生」の確率的統計発生についての学問は、知る限りいまのところ無いようだ。なんでだろう?確率を学問的に示しうるだけの実験が今の今まで出来ていないとなれば、今後も人類は、「真空」から生じる(インフレーションということになろうか)対発生粒子を予見できないと尻尾を丸めて犬小屋に帰るしかないんだろうか。いやいや、「やってる」はずだし、論文を探れば「いい線」まで行ってるんじゃないのかな、とズブの素人の私は身勝手にもそう思い込んでいる。

 対発生は「すみやかに」対消滅する、というのは一般向け書籍における説明だ。一方で、「すみやかに」消滅することなくこの宇宙は「それなりに」存続し、太陽系や地球や我々生物の発生を許容するくらいまで存続し続けている。これって、なんでなの?

 素人私が、物理学量子力学に接するにつけ、最大の疑問は「宇宙開始時点だけでなく、『今』でも、物質・反物質の生成は起きているという事実だ。稲光とかでも発生してるという。それは速やかに対消滅する、とも聞く。「正物質」だらけになっている「僕らの宇宙」って、つまり……どういう全体状況なの?と疑問を抱かないわけにはいかない。

 正物質と反物質の収支が合わないとなれば、どこかで誰かが「ズル」しているか、我々の預かり知らないところで「反物質のパラダイス」が我々の知る宇宙の規模で実在していると仮定するよりなかろう。反物質のパラダイスの空間で生じた対発生も、我々の宇宙で生じた対発生も、多勢に影響することなくすみやかに対消滅する。我々の宇宙も、我々が知ることのできない反物質反粒子で構築されて反宇宙も、致命的に消滅危機を迎えるでもなく平穏であろう。

  この(正)物質宇宙も、反物質宇宙も、実は高々「空間」の陰にすぎないのではなかろうか、と物理学素人の私はこの10年くらい怪しんでいる。直感として「ある」と思ってる、物体、構成する分子や原子、粒子、クォークこそが、空間(真空、スペース)の「陰」であって、空間(真空、スペース)こそが実在であり、クォーク、電子、グルオーン、グラビトンなど「量子」と考えているものはすべて空間(真空、スペース)が力として表現した結果なのではなかろうか(というか私個人は確信している、空間こそが実在であり、様々な物体や力こそが空間から派生する「影」なのだ、と)。

  ぶっちゃけ、この仮説を証明する手立てが、いまの私には思いつかない。人間の営みの中で、人間の思考という枠の呪縛の中で、人間相手に証明する手立てがまったくもって思いつかない。確信はある。あるけれど説得を始めるだけのエビデンスたりうる何者も得る当てが、悔しいけれど思い当たらない。

 人類が進歩し、より「本当」へ接近すれば証明の手立ても確立されるのだろうか。なんも、一切、あてはない。あてはないけれど、これが妄言と消えず、手立てを見出す後世の優秀な方の存在を私は期待しています。どうか、よろしく。それくらいしか今の今では、言えない。

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