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抗体の話題

 ギガジンさんとこの記事。

https://gigazine.net/news/20211003-differs-immunity-coronavirus-vaccines/

(noteさんが「例の注意書き」を付けてくれることでしょう)

 先に研究成果としての「結論」(あくまで論文上の結論ですね、複数の検証に耐えた「結論」ではありません。ご注意ご注意)。

> ワクチンによって誘発された抗体はRBDを集中的に狙っていた
> 過去の感染によって誘発された抗体はスパイクタンパク質にあるRBD以外の部分を標的にするケースが多い

 端的に乱暴にまとめます。
 ワクチンによる免疫獲得では「株特定的」に機能し、感染により免疫を獲得した場合は「応用が効く」ように機能するよーって感じです。

 機序(免疫獲得の段取り)としては、どっちもおんなじだと思っていたら意外と違ったね、って感じでしょうか。

(記事では、「アメリカ国立衛生研究所のフランシス・コリンズ所長」がわたしとは真逆の見解を示されてますね。大丈夫かしらんコリンズさん……)
120211004補足。ギガジンさんの記事に「感染増強抗体」への言及がないため、わたしが誤解してたかもしれません。ごめんなさい。ワクチン接種が感染増強抗体を産出しないのであれば、コリンズさんの意見にわたしも賛成します。ただしそこは「研究されていない」し個人的に確証が持てないため、賛意は保留いたします 苦笑)


 以下、補足としての引用。

> アメリカ・シアトル
> フレッドハッチンソンがん研究センター
> Jesse Bloom氏とAllison Greaney氏らの研究チーム
> 新型コロナウイルスの表面から突き出たスパイクタンパク質にある「受容体結合部位(RBD)」という部分に注目した研究

> RBDに発生しうる約3800通りの変異を網羅したライブラリを作成。
> モデルナのmRNAワクチン接種を2回受けた人と、
> 過去に新型コロナウイルスに感染したことがある人から採取した抗体がこれらのRBDにどう反応するかを並行して検証する
> 「ディープ・ミューテーション・スキャン法」
> という手法を用いて、免疫システムがRBDの変異に適切に反応できるかを調べました。

 素直に研究を読んだ内容と、記事の結論(ランシス・コリンズ USAアメリカ国立衛生研究所所長の「ワクチン万歳!」なコメント 苦笑)が「捩れてる」印象だだねえ。色んな意味で心配になる……わたしなんぞが心配してもどうともならんかもしらんけど。

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(120211004月 追記)
 補足、というかRBDがらみの面白動画(って紹介で良いのだろうか)。

https://plaza.umin.ac.jp/~OIO/blog/2020/04/11/covid19%E3%81%AEspike%E8%9B%8B%E7%99%BD%E8%B3%AA%E3%81%AE%E5%8F%97%E5%AE%B9%E4%BD%93%E7%B5%90%E5%90%88%E3%83%89%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%83%92%E3%83%88ace2/

> ピンク色の分子がヒトACE2~ human ACE2 (hACE2)~で、
> グリーンがSARS-CoV-2のspike蛋白質の受容体結合ドメインです。
> ~receptor-binding domain (RBD) 元の論文では結晶構造を得やすくする様に少し修飾しています(元になった構造はエントリー6VW1)~

 他にも、こんなのをみつけた。これも面白い。

https://www.amed.go.jp/news/release_20210525-02.html

> 感染を防ぐ中和抗体ばかりでなく、感染を増強させる抗体(感染増強抗体)が産生されることを発見
 がこの記事の眼目だけれど、今必要なのは脚注部分のみ(苦笑)。
> 用語解説
> *1:RBD(Receptor Binding Domain)
> Receptor Binding Domain (受容体結合領域)は新型コロナウイルスのスパイクタンパク質(Spike)が細胞の受容体であるACE2と結合する領域。閉じた構造のRBDはACE2に対する結合性が低いが、開いた構造のRBDが増えるとACE2に対する結合性が高くなり、感染性が高くなる。


 なんというか「抗体って奥深い」ねえ、ちゃんと勉強し直さないといけないなあと感じつつ……たぶんペンディング(保留)しそう……(苦笑)。免疫系の機能をなんか「ごっちゃ」にしちゃってる気がしてまいりました(苦笑)。

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