ロミオとジュリエットと澪と樹里「台本」



(シーン:前世の世界。ジュリエットの生家の前に立つ樹里と瑛音と澪)

樹里:(不安げに)ここが……前世の世界……?

瑛音:(手を取りながら)ジュリエットが生まれ育った御屋敷ね。

澪:(静かに)なんでだろう、、懐かしい場所だね。

(3人は庭園を進みながら、とある壁を見つける)

瑛音:なんだろうココに強い気持ちが、残留思念みたいに……

手をそっと壁に当てる樹里
樹里:なんでだろう…涙が…

澪:前世の強い記憶が、溢れてくるね

(突然、瑛音が2人の方を向き)

瑛音:樹里、澪。私、此処に、この世界に残って……新たな結末を迎えることにする。

樹里:え、どういうこと?

澪:  君の言いたい意味は分かるよ。君の選択、僕は尊重する。

瑛音:(樹里の手を取って)私思い出したの。私はもう1人のジュリエット。
あなたと私は元々同じ存在なの。多分、どちらかが過去に戻って悲劇の運命を変えなきゃいけないの。
ジュリエットとしての私は、この世界で……やり直しの方法が見つかるまで永遠に生きる。
悲劇の物語を変えることが出来るなら私が変える。
仮に悲劇が再び訪れようとも、私は自分でジュリエットの運命を受け入れる。

樹里:でも、瑛音……私はあなたを失うなんて嫌だァ…将来はパティシエになるって、美味しいケーキ作って毎年誕生日一緒に祝おうって…

大粒の涙を流しながら瑛音にしがみつく樹里。瑛音は微笑みながら樹里の背中をさする。

澪:   樹里…瑛音は覚悟をもって決断したんだよ。

樹里:(懇願するように)でも、瑛音、私たちは一緒にずっと隣にいたじゃない!前世でも今世でも、私たちは絆で結ばれているのなら、、瑛音がここに留まることを決めたなら、私も一緒に…

瑛音:(やさしく微笑みながら)樹里、ありがとう。でも、あなたは私の分まで現代でめいっぱい幸せになって。美味しいものを沢山食べて誰にも負けない人生を送って!
ねぇ、樹里、あの時みたいに私の選択を祝福して。
 両親の顔も知らない私が、樹里に将来の相談をしてパティシエになる夢を、私の夢を。まっすぐ目を見て「応援する!」って言ってくれたのが嬉しかった。。
 私の愛は、前世も今世も、あなたたちと共にある。大丈夫!私の事は樹里が1番よく分かってるでしょ?
絶対にやり直す方法を見つけてロミオと出会うから。出会ったらすぐ変な駆け引きするなって首根っこ捕まえて幸せになるから!
 だから私は大丈夫!ほら、澪!樹里をこれから頼むわよ!

(樹里を澪に託し、手を振って先に歩いていく瑛音。)

(瑛音は樹里と澪に微笑みかけ、城の中へと消えていく)

樹里:(涙を拭いながら)瑛音ぉ…

澪:(樹里の肩を静かに抱きしめながら)瑛音の選択は、彼女自身の幸せを見つける道だよ。
さあ、我々も前に進もう。この手を握って。

(2人は瑛音の決断を受け入れ、新たな未来に向かって手を取り合う)

---



(舞台はヴェローナと名付けられた都市。)

ナレーター:ここはイタリアの小さな都市、ヴェローナ。この物語は、モンタギュー家とキュピレット家という二つの名家による激しい敵対関係の中で展開されます。しかし、この物語の中心には真実の愛がありました。

(舞台にモンタギュー家とキュピレット家のエンブレムが浮かび上がる。)

エピローグ

ナレーター:ロミオ・モンタギューとジュリエット・キュピレット。彼らは出会うべくして出会い、愛するべくして愛しました。しかし、二つの家族のいがみ合いは凄惨を表し、彼らの愛は禁じられたものとなりました。

(ステージにロミオとジュリエットが初対面するシーンが描かれる。)

ナレーター:この物語は愛と憎しみ、運命と抗いが絡み合う複雑な糸で織りなされています。ロミオとジュリエットの愛は果たしてどのような結末を迎えるのでしょうか?

(ステージの照明が変わる。)

ナレーター:さあ、この運命の舞台に足を踏み入れ、愛と悲劇の物語を一緒に見つめましょう。

---

【舞踏会のホール】

ロミオ:あの美しい乙女、だれだろう?

メルキューシオ:それはキュピレット卿の娘、ジュリエットだ。どうだ、美しいだろう?

ロミオ:なんという、美しさそのものだ。私の人生において、これまで知らなかった美しさだ。

ジュリエット:(ロミオに視線を向けながら) あなた様は、どなたですか?

ロミオ:ああ、私はただの男、手も足も持つただの男だが、あなたの美しさに心奪われた。

ジュリエット:あなた様のお名前は?

ロミオ:私はロミオ。モンタギュー家の者で、あなたの美しさに隷属してしまった男。
(ジュリエットに近づきながら) あなたの美しさは、夜空の星よりも輝いている。

ジュリエット: ロミオ、どうしてでしょう。あなたの言葉は甘い香りのよう。

ロミオ: その香りに誘われてもらいたい。私はあなたの愛に生きることを決めた。

ジュリエット: でも、モンタギュー…

ロミオ: 名前など、ただの言葉に過ぎません。私を呼ぶときは、どんな名前でもかまわない。
あなたがジュリエットだとしても、エトだとしても、、エト、、??私は何を、、

(戸惑うロミオをそっと抱きしめるジュリエット)

ジュリエット: ロミオ様大丈夫。私たちは深い恋に落ちます。その未来は輝いているのです。

ロミオと抱擁を交わしながらもう二度と会う事の出来ない樹里を想い涙を流す。
「幸せになってね……」

-------❁ ❁ ❁-------

(シーン:現代の東京。公園のベンチで)

樹里:  澪、私もう何年経ってもたまに彼女を思い出すの。忘れなきゃなのに。

澪:  そうだね、大切であればあるほどそうゆうものだね。

(樹里が公園の景色を見渡す)

樹里:  小さい頃、この公園で瑛音に出会ったの。彼女はいつも素敵な笑顔をしてた。

澪:  君の大事の思い出だね。

(公園で幸せそうに過ごすとある家族の姿が映し出される)

樹里:  あの時の私、笑顔でお別れ出来てたかな
泣いてばかりいた。「幸せになってね」って言葉最後に送ってくれたのに。

澪:  大丈夫だよ。そんな君の気持ちは彼女が一番分かってくれるはずだよ。



(2人は公園の景色を眺めながら、互いの手を握り合う)

樹里:  澪、ありがとう。そばにいてくれて。
あのね、、私、澪とこーやって何も無くても一緒に居れる事が、、その、、あの、、し、幸せだったりするんだよね。

澪:  こちらこそ、樹里。僕も君といる時が幸せだよ。
君が僕の人生に色を付けてくれたんだよ。

(2人は互いを見つめ合いながら、幸せな未来へと歩み続ける)

ナレーター:ここは日本の大都市東京。
この物語は、夢の中で記憶を探る冒険に出た2人の女性がインターネットで知り合った男性と知り合い、悲劇の物語に向き合い、それでも立ち向かう彼、彼女たちの愛と勇気の中で展開されます。
 とあるきっかけが、今、そこにある幸せに気付く物語であった。

おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?