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詩「グミのうた」

こんな自分はいやだって

大人になっても泣くなんて

悲しかった思い出が眠りに立ちふさがる

落ちては夢をみて

覚めては忘却し

浅瀬でアラームが鳴る


3年前探し回って取り置いてもらった本

図書館へさようなら

6年も働いてガラガラの空気清浄機

粗大ごみへさようなら

15年の夜が体に心に馴染みすぎたパジャマ

捨てた 捨てた さようなら


香水を買ったのはいつ以来? 3年 6年

マンガを買ったのは? 5年 いえ10年ぶり

配信で歌を買ったのは 生まれて初めて


好きだったもの捨ててしまって

ともにいた私にもさようなら

お久しぶり、初めましてを手に

ちがう私 こんにちは


広がる光景はレンズを通して

内側の混沌にも映るでしょう


あのときも あの日々も

心を引っぱったのは 手足


バスでクラスメイトに話しかけられなくても

遠足のお菓子は楽しみだった

この手に乗るのは

20年ぶりのカラフルなグミでした



文字でもものづくりでも、どこか通じ合える人と出会いたくて表現をしているんだと思います。何か感じてくださったならとてもうれしいです。