短編小説「夏蜜柑ポップ」
凄く下らない話なんだけど。
「蜜柑狩り」という夢を見た。
あたしは「蜜柑ハンター」で街中に隠れる蜜柑を狩っている。
「蜜柑」たちは器用に擬態している。
凶悪な奴らだ。
夜更けに誰かが寝静まった頃合いを見計らい、蜜柑たちは人間に寄生しようと企んでいる。頭頂部から脳髄へ根を張って、人間を支配しようとする。
街には「蜜柑人間」として頭に蜜柑を乗せた人々が、それなりの生活を送っている。「それなりの生活」とは、蜜柑人間は従前の人格も記憶も残っているので特段差支えなく、これまでの生活