太平記 第五巻 弁財天影向の事 6

太平記 第五巻 弁財天影向の事 6

吉成学人(よしなりがくじん)
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この章では、どうして北条家が長く続いたのかについて述べられています。
初代・執権の北条時政は江ノ島にある弁財天社に籠もり、子孫繁栄を願います。
21日目の夜、突然「端厳美麗」な女房が現れ、「あなたは前世で法華経を日本各地の66ヶ所の霊地に奉納した善行から、子孫は日本の主となって栄華を誇るでしょう。しかし、道に背く振る舞いがあるなら、7代を以降を過ぎてはいけない。私の云うことを怪しむなら、各地の霊地に行って確認しなさい」と云いました。女房がその場を立ち去ろうとすると、巨大な蛇となり、海中に入ります。
女房が居た跡をみると、大きな鱗が3枚落ちており、時政は自分の願いが叶ったことを喜び、その鱗を拾い、旗に押し付け、自分の家の家紋にします。
これが、北条の三鱗形の紋だそうです
その後、弁財天のお告げに従い、各地の霊地に奉納された法華経をみると、「大法師時政」と云う人物が奉納したとしるされていたそうです。
太平記の記述では、時政の時代から高時まで北条氏が9代続いたのは、弁財天のご利益の賜物のお陰で、今9代目になって、滅亡に進んでいるから高時が変な趣味に走るのだ、と評しています。

最近、熱いですね。