2020 ベガルタ いろいろと

2020年ベガルタ

今季もまた年を越してしまったので、あわててまとめる。
今季は、ほぼほぼ試合の見直しができなかったので、まとめというより、思いだけをひたすら書き出す。また、新生ベガルタに水を差さないように抑えていたものも、ここで吐き出す。

まず、今季の不振について
自分としては、特に不振とも思ってないし、J1初めて、ベガルタ初めての監督であれば、この順位に終わることも十分、想定できる。これを不振というなら、不振の原因は、監督でも選手でもなく、8割がた、強化部が原因だ。残りはコロナ禍とフロントの不手際。2年目以降なら監督責任でも良いが、初年度はフロントが責任を負うべき。
だいたい、コロナ禍の無観客、レギュレーション変更の上、怪我人続出で紅白戦もできない、さらにキーパー3人とか、ベンチ入りが足りないとか、もう無茶苦茶なシーズンだった。監督がさじ投げてもおかしくない中、最後まで投げ出さずにチームを形になるところまで作り上げたのは立派です。コロナ禍についてはどうしようもないが、怪我人については、選手、監督の問題では全くなく、監督、コーチ人事含めたチーム編成の問題であり、すなわち強化部の問題と言える。
まあ丹治さんが辞めたので、結果責任を取った形にはなるけれど、やっと作り上げたチームをぶっ壊してしまった影響は、計り知れない。

去年も前半はなかなか勝てず、最下位まで経験したけれど、チーム内外を熟知しているなべさんだから、あそこまで持ち直せたわけで、今季のあの状態なら、なべさんでもギリ残留だと思う。J1新人監督がどれだけやれると思ったのか。そしてフロントはどこまでサポートしたのか。いい選手取ったんだからこれでなんとかなる、みたいなことは、まさかないよね。

木山さん評、あるいは今季のベガルタの評価について。
悪くない、そして、最後に形になるところまで持ってきた監督、である。ホーム未勝利は確かにとても印象が悪いが、そもそもユアスタはホームの声援の影響が大きかったことを考えれば、それほど監督が原因とも思えない。なべさんのときもホームでしばらく勝てない時期があった。17位という最終順位も例年なら降格であるが、今季、降格がないことはそもそもわかっている話で、そのこともあって、積極的に新しい戦術や若手起用などを行っていたはず。
監督評については、りゅうさんやモトさんのブログ、あるいはともおさんのラジオで言っていたこととそれほど変わらない。いい面、悪い面、あったけれども、来季を託しても良い監督だった。そして、いい面もちゃんと評価されていたことに、とても安堵している。やっぱり見る人は見ている。
あと数試合あったら順位も評価もガラッと変わったかもしれない。怪我人があと1ヵ月早く復帰していたら全く変わっていたかもしれない。
木山さんは大人な監督です。敗戦も正面から受け止め、言葉の一つ一つを丁寧に選び、誠実に話そうとしているのが感じられた。とても好感が持てる監督だった。

退任について
最後になって、いや15位終了の可能性があったにも関わらず、最終戦前に監督交代を発表する、ということは、当初の複数年契約の話を踏まえても、おかしな解任ではある。監督人事は強化部が決めることなので退任自体に問題はないのだが、条件に基づくというより、サポ等周りの感情を優先させたような退任に見える。結果、テグさんが就任し、結果オーライの流れになってしまったが、なおさら責任回避みたいな気がしてしまう。ここでのテグさんは否定しないし、ほんとに結果オーライになったが、もうこんなことはやめて欲しい。


今季の布陣と期待感について
上でもちょっと書いたが、攻撃的な補強を充実させて、しかもクエンカというスーパーな補強を行ったからといって、監督も今年1年目、しかもJ1も1年目の監督に、いったい何位を期待できるというのか。空港の出陣式に見送りに行ったサポの数も1000人を超えて、前年より遥かに多かったが、なんか期待感が先走りして気持ち悪い感じがしていた。新体制に水を差したくないので黙っていたが、正直あきれていた。いい(と思われる)選手を補強したからといって、今季は優勝争いできるかも、とかはあまりにも安直な期待だ。正直言って、コロナ禍がなくても17位は特段、不思議な順位ではない。まず残留できればOKと思っていた。外から来た監督の初年度なんてこんなものだ。自チームが相対的にどれだけの戦力かわかってるのか。自分としては、落胆しているサポが不思議でならない。まして怒り浸透しているサポは今まで何を見てきたのかと思う。
しかも、今季が厄介なのは、上は川崎が飛びぬけたけれど、下の、順位表の右側のチームの技術というか戦術が、飛躍的に上がっていることだ。今季は戦術としてボールを回さないチームがほとんどなかった。F東と広島、そしてうちくらい。数年前まで、順位表の右側にいるようなチームはだいたい堅守速攻だったのが、今季は当たり前のように回してくる。湘南、鳥栖、清水といった、ボールを握るサッカーとは無縁だったチームまでもがすっかり変わってしまった。こんなやりにくいシーズンはない。
もう来季以降は、監督のみならず、コーチ、スタッフまで全員が戦術を熟知しているようでないと、J1は勝ち抜けないんではないか。そんな気がする。


補強について
2019年の補強から既に疑問を持っていた。何気に2015年の布陣を見てみると、もうほとんど選手は残っていない。残っている選手の大半は、それ以前からベガルタにいた選手で、2015年付近から在籍した選手、特に若手がみんないなくなっている。
2020年はさらに顕著で、今度は2017年に在籍した選手が、この2年間で一気にいなくなった。
こんな、まるで勢力争いのように選手を一掃するような補強は、もうやめて欲しい。数年前に来た選手がみんないなくなるなんて、どうかしてる。こんな補強でどうやってチームの哲学や理念を受け継いでいけるというのか。
かと言って監督に左右されるでもなく、もっと長期的なビジョンの元で、補強計画を立てて欲しい。チーム作りは拙速にやるものではない。特に金のないクラブは。
仙台ゆかりの選手を集めるのだとしても、あくまでも必要な選手の中に地元出身の選手がいた場合でなければ本末転倒。そもそも第一位はユースからの昇格であって欲しいし、それが難しいならユースのレベルを上げることにもっと力を入れて欲しい。
ここ10年くらいのベガルタを見ていると、数年おきに選手の顔ぶれがガラッと入れ替わっている。今後はチーム哲学と、継続性を感じさせる補強を行っていただきたい。

今季、讃えたい選手
今季、自分が讃えたい選手というのは2つあって、
一つはピッチの内外でみんなを鼓舞し続け、サポも巻き込んで盛り上げてくれた選手で、
もう一つは、この苦行のような苦しいシーズンに、批判の矢面に立ってピッチに立ち続けた選手だ。

前者は前半、後半で分かれ、
前半は圧倒的に関口さん
後半は長沢さんだった

後者の代表は、MVPのクバちゃん
そして、共に27試合出場した平岡さん

さらに、絶対に名前を挙げたいのは、32試合、2700時間出場した、椎橋くん

いくらでも讃えたい
よく頑張ってくれた

クバちゃんは、今さら言うまでもなく、完全にMVPの活躍
平岡さんは、何度もシュートストップを見せてくれた上に、後半は積極的にビルドアップの起点になっていた
椎橋くんは、今季はとにかく試合中首を振るシーンが目についた。その状況把握があってのキラーパスとインターセプト
この大変な苦しい1年を耐え抜いた君は、どこに行っても大黒柱になれる
もちろんどこにも行ってほしくはないけれど

最後に簡単に今季の戦術まとめ(再開以降)
4-3-3落とし込み。前線からアグレッシブに。

手応えあり。

でも失点が続く。

4-2-3-1

安定する。

が勝てない。

徐々に4-4-2に移行。3-4-3も織り混ぜる。

勝ち点を拾える見込みが出てきた。

大敗。

重心を下げて、最終ラインから前線を狙う攻撃にシフト

手応えが見え始める。

またしても完敗。

原点に立ち返ってシンプルに4-3-3

完勝

また躓く

監督の最も得意な3-4-3に

立ち直る。
アウェイ4連勝
プランに応じて4-3-3と使い分ける。

ホーム最終戦
プランが嵌まらず、攻め込まれながらもスコアレスドロー。

模索の1年だった。途中、まともに選手も揃わないため、模索すらできなかったであろう。
最終戦が今季を表した試合になったという話をよく聞いたが、本当にそうだろうか。
結局ホームで勝てなかったこと、前後半でそれぞれ4-3-3、3-4-3で望んだことだろうか。再三指摘された、守備の課題を克服できなかったことだろうか。いやむしろあれだけ攻め込まれて無失点なのだから、指摘するなら無得点の方だろう。
まあ退任が決まっていた木山さんからすれば、集大成の試合にはなったのかもしれないが、ホーム連敗も止まったわけだから、もっとポジティブに評価できたはずだ。
もう一つ、再開後の戦い方がやたらと評価されていたが、そこも言いたいことはある。そんなに素晴らしい戦い方なのであれば、なぜ前半で2勝しかできなかったのか。怪我人やレギュレーションはもちろんあるだろうが、結局は分析されたからだ。新しい戦術がうまく行けば、どのチームだって数試合は勝てる。問題は分析されたあとにどう戦えるか、そこに耐えうる戦術になっていなければ、どれだけ素晴らしい戦術であっても意味がない。
それを踏まえて、再開後の戦い方が特別優れていたとは思わない。むしろ最終戦までの10試合くらいの戦いぶりの方が、しっかりと相手の対策にも耐えうる堅い戦術になったと思う。


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