産業を守る 経済を守る

約20年前、生産設備メーカに入ったばかりの頃の話です。
液晶パネル生産ライン用の装置を納めるために初めて隣国へ行きました。
当時隣国は液晶テレビ生産において日本を上回り始めた頃だったかな。
日本を超えるくらいだからきっと凄いラインなんだろうな、と少し期待しながら向かったことを覚えています。
ところがです。
生産ラインの前も後も、右も左も上も下も。
全部日本メーカだったのです。当然全て日本語でやりとりしてました。
見た感じ9割以上は日本製製造装置で日本人技術者が立上を行っていました。
なんだよ。隣国にあるというだけで日本の工場じゃないか。
それで世界一だと誇れるのかい。
その後、当時世界にあった液晶パネル工場の6割以上は行ったと思いますが、どこも同じ状況でした。
そこで思ったのです。これはおかしいと。
生産技術・製造技術は日本製なのにどうして日本製液晶パネル・テレビが衰退しているのだろう。
日本は製造コストが高いからというけれど一般の会社員の収入はそんなに高くないのに。
そう思っているときに、また隣国から新規に装置を受注しました。ある条件付きで。
その条件とは、図面と技術も寄こせ、です。それは隣国の国策でした。
受注してしまった以上出さざるを得ないのですが、核の部分はBB化して対応しました。
他のメーカも同じだったと思います。
ただとても悔しかったことは覚えています。
隣国は国策として日本を潰しに来ているにもかかわらず、日本は民間企業が個別に防衛しているだけ。
どうして国は何もしてくれないのだろう。私はその時そんな現場にいました。
国や政治家は無能なのか、それとも無関心なのかどちらなんだろう、と。
今回のコロナ禍も同じように感じています。
結局民間レベルに我慢させ対応させるだけ。
政治家も国も自治体も何もしてくれない。
目的があって何もしないのか、そもそも無能なのか。
そこで、このままではいけない、と。
微力であっても無力ではないと思っていろいろ始めてます。
幸い今年は衆議院議員選挙と東京都議会議員選挙があります。
本当に正しく選ばないと、もう国が保たないかもしれません。
おこがましいところですが、あなたや私、その次の世代、次の次の世代のために、国を守ってくれる候補者を選びたいところです。
ところで液晶用製造装置ですが、幸い隣国は見た目重視の文化なので中身まで同じものは作れなかったようです。
残念でした。

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