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副業について書いてみる(Udemy、クラウドエンジニア)

今回は副業についてnoteを書いていきます。私自身も本業でサラリーマンをしながら副業をしているので、参考にして頂ければと思います。

この記事を3行でまとめると、
・不労所得は古(いにしえ)から続く虚夢
・品質こそ正義
・転職しても収入は上がらない、副業はやればやるほど上がる

です。(6,588文字)

自己紹介

まず、簡単に自己紹介をさせて頂きます。

ひと口に「副業」といっても、バックグラウンドによって色々と違いあります。例えば、勤務先がホワイト企業であれば、勤務後や休日に十分に副業の時間が取れますが、一方でブラック企業勤務であれば副業を始めることすら難しいでしょう。

ここでは、私の副業事例を1つのサンプルと捉えて頂ければ良いのかなと思います。

34歳 男
・東京都在住
・ITコンサルタント(自称)
・大企業勤務(単体従業員1万人以上・売上高1兆円以上)
・本業年収 750万円
・副業月収 10万円
・そこそこホワイト
・平均残業 月30〜40時間
・副業時間 週10時間
・テレワーク(週1程度出社)


こんな感じです。

現在のプロジェクトはかなり多忙ですが、会社としてはホワイトな部類であり、また会社としても副業や多様な働き方は認めている風潮です。

副業を始めたきっかけ

副業で本格的に収益化をしたのは今年(2022年)からですが、私はもともとサラリーマン的な働き方が苦手だったので、新入社員時代からいずれ脱サラをしたいと思っていました。

これまでに手を付けた副業は幾つかあります。文書執筆、アフィリエイト、FX、YouTube、Udemy講師など。現在の収益の柱はUdemyです。主にクラウド(AWS、Google Cloudなど)の解説動画を有料配信しております。

副業の内容

私の副業は「講師業」になります。

前職(ITコンサルタント)でAWSのWEBフレームを使った案件にアサインされた時にAWSの勉強を始めました。AWS認定資格はIT業界の中で最も人気のある資格であり、解説動画を作れば稼げるのではないか、という淡い期待から副業をはじめました。

日経XTECK「取得したいIT資格」で5連覇したAWS認定資格


2020年のコロナ禍で在宅勤務が一般的になり、意識高い系のサラリーマンはスキマ時間で自己研鑽をしたり、MBAに通ったりなど、今まで以上に自由時間が増えました。また、専門家YouTuberも増えました。そこに私も便乗した形です。

私はまずYouTubeでAWS認定資格「Solution Architect Associate」の解説動画を作成しました。最初は再生回数も少なかったですが、その後内容をアップデートし、今はYouTubeで 「AWS」「ソリューションアーキテクト」と検索すると私の解説動画が上位に現れるほどになりました。

私のYouTubeチャンネル「Maruchin Tech Ch.」


YouTubeの解説動画はそれなりに高い評価を得ており、本記事執筆時点で「いいね」は1500件、「いいね率」も99%を超えております。この動画がきっかけでチャンネル登録者数が1000人を超えて収益化もできました。

副業としてのYouTube

先に結論を書きますと、副業としてのYouTubeはあまりコスパは良くありません。それこそ、チャンネル登録者数が数万人規模であれば収入も多いでしょうが、私のように3ヶ月に1回ペースで動画をアップしているようなチャンネルでは副業にはなりません。月の収益は高々1万円程度です。

一方で、ほとんど更新していないYouTubeチャンネルですが、教育系YouTubeならではのメリットもあります。

一般的なYouTube動画はコンテンツ寿命が短いですが、教育系動画は視聴者がリピーターになります。認定試験に合格するまで繰り返し見てくれるでしょう。

私がアップしている動画は長いもので5時間以上、平均で90分程度ですから、繰り返し見てもらえれば広告単価が上がります。実際、チャンネル登録者数2000人でありながらCPM1700(1000回再生あたりの広告収益)であり、通常の4倍程度あります。

しかし、繰り返しになりますが、月の収益1万円程度であり、これでは飲み代の足しにしかなりません。私は主軸をYouTubeからUdemyに代え、有料でコンテンツ配信を始めることにしました。

副業としてのUdemy

Udemyとは何か?」については別のnoteにまとめていますが、ざっくりと言うと教育系動画プラットフォームです。講師側で販売価格を設定でき、収益化が可能です。

私は、前述のAWSの解説動画をUdemy用に更改してアップしました。この動画の収益は月7000円程度でした。

UdemyのAWS講座


その後、Google CloudAzureの解説動画もアップしました。すると、これらの動画がUdemy Bussinesにエンロールされたり、Udemy Japan公式アカウントに宣伝して頂き、月10万円程度の収益を得ています。

GCPとAzureの解説動画


一つの動画コースを作成するのに2〜3ヶ月、稼働は基本的に土日のみ、また一度アップロードすればあとは印税的に収益が発生し続けるので、副業としては悪くないと思います。

現在もクラウドの解説動画を追加し、2022年中に6コースを展開する予定です。

副業で気を付けること

本業(所属企業)の確認

副業・兼業に関するガイドラインは厚労省より公開されています。ザックリと言うと、民間企業では本業に支障の出ない程度の副業は問題ありません。

一方、副業で気を付けるべきことは幾つかありますので、紹介しておきます。

税金

副業で最も気を付けるべきは税金の処理でしょう。基本的に納めるべき税金は、「売上-経費=利益」に係数をかけた金額です。

確定申告は毎年2月頃に行います。株の売却益や配当、医療費控除などで確定申告をしたことがある人は分かるでしょう。サラリーマンが副業で確定申告をするのは難しくありません。Excelベースで経費を記録し、領収書を添付するのみです。(※法人化していればより厳密ですが)

所得税・住民税の徴税額は20万円刻みですので、年間20万円以上の副収入(利益)がある場合は確実に確定申告をしておきましょう。今時は税理士YouTuberもいるので、動画を何本か見ておけば十分でしょう。

その他コンプライアンス

私は動画コンテンツの配信を副業としているので、気を付けるべくは著作権です。ザックリと言うと、他人の著作物をそっくりそのまま真似して(パクッて)自分の教材にそのまま掲載するのはNGです。また、情報ソース(出典)は確実に付けること、必要に応じて許可を得ることです。

例えば、私が教材の中で使用しているイラストは、わざわざお金を払ってイラストレーターに描いて頂いています。その他、フリー素材はガイドラインを事前に確認しています。万が一のため、著作権違反があった時の罰則等も事前に勉強をしています(当方、知財管理士の資格も持っています)

心配性の方は弁護士に事前に相談しておくことです。弁護士相談は一般的に初回は無料、その後30分毎に5000円程度かかります。都心であれば「労働問題 弁護士」とか「副業 弁護士」で検索すれば、いくつもヒットします。

副業の戦略について考察してみる


「誰でも不労所得を得られる」系の商材屋に騙されるな

前述の通り、私は色々な副業に手を付けました。しかし、どれも上手くいきませんでした。アフィリエイトに関しては、半年で得た収益は60円程度でした。

「誰でも不労所得が得られます」というのは情報商材屋の常套句です。アフィリエイトやYouTuber、FXや仮想通貨などの金融商品にも、怪しい商材屋がうじゃうじゃといます。

「不労所得」というのは、古(いにしえ)から人々が求めてきた虚夢です。働かざる者食うべからず。不労所得というものはあり得ません。

ごく一部のYouTuberや大地主を見て、「自分もああなりたい」と思うのは人間のサガでしょう。抑圧されたサラリーマン生活から逃げ出したい。しかし、世の中はそんなに甘くありません。「いつか当たるといいな」と思って宝クジの行列に並ぶギャンブラーと同じ思考です。

私自身もまだ副業で成功したとは言えません。しかし毎月の収入は10万円程度あり、最小の労力で家賃分を賄えているので、精神的にはかなり楽になりました。

私の場合、ほとんど経費のかからないビジネスですので、毎月10万円の売上がほぼ収益になります。講師業なので、売っているのは己のエンジニアとしての経験とスキルのみです。

品質こそ正義

いきなり収益が得られた訳ではありません。カスタマーが私のコンテンツを購入するには、他者に比べて私のコンテンツの評価が高くなければなりません。Udemyの講座は星5個で評価されます。当然、星が多いコンテンツは高品質なため、また別のカスタマーが買う傾向にあります。

私はファーストキャリアが自動車メーカーでした。日本の製造業は品質に対して非常に厳しい基準を設けていることで知られています。これにより、アメリカの新車の品質ランキングでは常に日系自動車メーカーが上位を占めます。品質が高い製品にはリピーターがつきます。品質は信頼です。逆に、粗悪な製品は「安かろう悪かろう」でリピーターは付きません。トヨタの車を買った人は、トヨタ以外の車を選択しにくいそうです。

新車品質ランキング((米)J.D. Power社)


今はIT企業に勤務していますが、製造業出身なので私のビジネスマインドの根底は「品質こそ正義」です。一見地味でも、品質が良いサービスは長い目でジワジワと信頼を得ます。これは副業でも変わりません。私は、外に出してもなるべくお恥ずかしくないよう、コンテンツを作成します。

教育用の動画コンテンツなので、背景にはパワーポイントを使用しています。綺麗なパワーポイントの書き方は、前職のコンサル時代に嫌というほど学びました。外資コンサルではパワーポイントの作成を「紙書き」と呼び、新人コンサルタントは嫌というほど紙書きを繰り返します。紙を書いては上司に詰められ、修正しては詰められ…、を夜中まで繰り返し、段々と強くなっていくのです。

人間はまず視界に入った情報を是とするため、コンテンツの作成には最も時間をかけています。パワーポイントのデザインは凝っているつもりです。まだまだ未熟者であり、ここは妥協できません。

一方、私は滑舌が悪いので、音声の吹き込みには自信がありません。よって、尚一層、パワーポイントに力を入れないと、カスタマーに伝わりません。講師業なので、カスタマー(生徒さん)に分かりやすく、がモットーです。

ブルーオーシャンを探せ

ITコンサルタントはレッドオーシャンです。人気業界には優秀な人材が多くいて、その中で頭ひとつ秀でるには人の倍努力しなければなりません。

一方、ニッチな産業は競合他者が少ないため、少しの努力でトップに立てます。例えば、私は自動車メーカーで、新人時代に部品梱包をやっておりました。「梱包」というと、通販で何か買った時についてくるプチプチとか段ボールとかです。梱包資材業など超がつくほどのニッチ業界であり、誰も注目しません。誰も注目しないので、多少どんぶり勘定でも、誰も指摘しません。なので、名前も知らない町工場レベルの梱包業者がめちゃくちゃ儲かっていたりするのです。

今の時代、AWSエンジニアは超レッドオーシャンでしょう。レッドオーシャンで他者に差別化するには、より高い品質を維持するか、価格を下げるかの2択です。当然、価格を下げれば利益も目減りします。

前述の通り、AWS認定資格は人気資格の筆頭であり、頑張って勉強しても他者と差別化はできないでしょう。私が最初にUdemyでアップしたのはAWSの解説動画でしたが、収益は非常に少なかったです。それは、他にもAWSの解説をしている講師が数多いるからです。

一方で、Google Cloudはまだ余地があるようです。少なくとも日本語圏ではアソシエイト(中級)レベルのGoogle CloudのUdemy講師はあまり多くなく、結果的に私の講座が人気講座になっています。これもYouTuberブームと一緒で、いつまで続くか分かりません。常に次のオーシャンを探すしかありません。

副業は実務経験をカバーする

私は、本業でAWSを触ったことがありますが、Google Cloudはありません。しかし、Google Cloudの講師をやっているため、今はAWSよりも Google Cloudの方が得意です。

また、私はGoogle Cloudの解説動画を日本語だけでなく英語でも公開しています。自力で英語翻訳をし、英語で音声吹き込みを行っています。よって、私はGoogle Cloudを英語で教えることができる人材と言えます(自称)。Google Cloud認定資格を全部持っている人やTOEICで高スコアを持っている人よりも、「Udemyで Google cloudを英語で教えてビジネスにしている人」の方が信憑性があるでしょう。

GCP講座 英語版


このように、副業経験によりスキルを証明することができます。わざわざ転職をしなくても、副業によって自分の好きな領域の仕事をすることができます。副業経験が長ければ本業を凌駕するかも知れません。副業は「儲ける」だけでなく、「スキルを獲得する」ことを実現します。

むしろ「儲ける」ことを目的で副業を始めるのはオススメしません。「儲ける」ことを目的として副業を始めると、儲からなかった時に挫折します。私はAWSの習得に約半年かかりました。また、地獄のようやパワーポイントの訓練を受けました。その間は無収益です。収益化までは忍耐力が必要です。

「スキルを獲得する」ことを目的にすれば、もし儲からなくてもモチベーションが続くでしょう。特に動画コンテンツの配信はいきなり儲かることは少なく、アーカイブされた動画が後でジワジワと伸びてくるものです。品質を認めてもらえるまでには時間を要します。儲ける以外の目的を設定しましょう。

副業の副次的効果

上述の通り、副業は儲けることが唯一の目的ではありません。むしろ、スキルを習得したり、コミュニティを広げるという副次的効果を得ることができます。

月に1万円も儲からないYouTubeチャンネルを運営している私ですが、「YouTubeでクラウドの解説動画を配信しているよ」と言うと、一目を置かれます。「君の動画わかりやすいね、今度クラウド関連の仕事を任せるよ」と言ってもらえます。

また、SNSなどで仕事の依頼のメッセージも頂いております。残念ながら本業が多忙でお仕事の依頼は断っている状況ですが、思いも寄らぬ所で人脈が広がっています。不定期で開催されているYouTubeやUdemyのイベントにも参加しています。

転職しても収入は増えない、副業はやればやるほど収入が増える

私は過去に2度転職をしています。今の会社は3社目です(転職に関するエントリは別の有料noteに記載しています)

大企業→大企業→大企業、と大企業を渡っております。大企業は安定していて世間様より高収入と思われがちですが、給与は固定です。日本の会社は、どの会社に行っても金太郎飴のように同じような給与体系。管理職で1000万、どんなに努力して出世しても1500万円くらいが頭打ちでしょう。生涯賃金に大差はありません。それ以上稼ぐには一部のトップコンサルや役員になるしかありません。

よって、副業がキャリア形成&収入アップの1つのオプションであると信じております。特に昨今の管理職はコンプライアンスにガチガチに固められ、身動きが取れません。管理職=定額働かせ放題。牛丼屋の名ばかり店長と同じです。

いかに幸福度を上げるか、が次世代の人生のテーマになると私は信じています。副業で自分のペースを維持しながら、無理のない範囲で、あわよくば収入をアップできればと考える今日この頃でございます。

今回は副業について書かせて頂きました。
ご一読ありがとうございました。

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