見出し画像

0歳児から親子で森のようちえんへ。みんなと一緒だと、雨の日も風の日も、森が楽しい!【こえだ会員 かおりさん】

NPO法人自然体験「まるたんぼう」には、さまざまな価値観やバックグラウンドを持つスタッフや保護者さんがいます。

そんな多様なスタッフや保護者さんたちに、まるたんぼうの元保護者さんで、ライターとしても働かれている清(せい)さんが、インタビューをしてくださいました。

いろんな人の視点で見た、素顔のまるたんぼうを連載でお届けしていきますので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです!

ーーーーーーーーーーーー
今回、お話を伺ったのは、親子組「こえだ」に通うかおりさんです。

親子組「こえだ」は、0〜2歳児の子どもとその保護者が、親子で森に行く活動です。まるたんぼうスタッフの安全管理のもと、親子で一緒に智頭の森で過ごします。まるたんぼうの子どもたちと同じフィールドで過ごすことも多いため、ときには園児たちと触れ合えることも、その楽しみの一つのようです。

かおりさんは、息子さんが0歳児の時から、岡山県から車で片道1時間かけて、こえだに通っていたそう。はじめは息子さんをおんぶや抱っこをしながら、智頭の森で過ごした、3年間のこと。そして、3歳児からは、まるたんぼうの週末森のようちえん「もりっこ」に通う選択をした、その経緯など。「こえだに通って、息子以上に、私自身が楽しんでいました!」と笑顔で話すかおりさんのお話を、どうぞお楽しみください!

【かおりさんプロフィール】
兵庫県生まれ兵庫県育ち。
結婚を機に岡山県に移住。
祖父母の家が高知県の山の中にあり、子どもの頃は夏休みに山と川で過ごしていた経験があり、自然の中で過ごすことに憧れがありましたそう。
手を動かしてモノをつくることが好きで、ものづくりの仕事をされています。​​

清(以下、ーー):かおりさんは、まだ息子さんが0歳児の時から親子組「こえだ」に通い始めたとのことですが、どのようなきっかけでまるたんぼうを知ったのでしょうか?

かおりさん:知人の家を訪れた時に、そこのお家に3〜4歳位のお子さんがいて。とても元気でいきいきとしていて、印象的だったんですね。どんな子育てをしているのかを聞いたら、「まるたんぼうに通っている」と仰っていたんです。そこでまるたんぼうのことを聞いたり、自分でも調べたりして、興味を持ちました。

もともと、自然の中で、子どもたちが自分たちで遊びを決めたり、子どもたちの個性を伸ばしてくれるような保育に興味があったんです。「0歳児からでも森に連れて行ってもらえる活動がある!」と、こえだのことを知ったときは嬉しかったです!
初めての日は、期待に胸を膨らませて車を走らせ、参加しましたね。

ーー実際にこえだに参加して、深い森に行って、息子さんはどんな様子でしたか。

かおりさん:最初に参加したのは、まだ息子が歩き始めの頃で、買ったばかりの靴を履かせて行ったことを覚えています。私が手を引いたり、抱っこしたりおんぶをしたりして、森を歩きました。

彼はどちらかというと慎重で敏感で、人が多いところは苦手な性格なんです。最初は手が少し泥で汚れるだけでずっと気にしていたり、転んだからもう帰りたいと言ったり、ランチの時も、他の子どもたちとは食べず私と2人になりたがったりしていた頃もありましたね。

森の中では、特にお水の流れが好きだったみたいですね。「水を見に行こう」と声をかけてくれることが多く、川の水に触れて冷たい!と感じたり、川の中に石を投げ込むとか、紅葉した落ち葉を1枚づつ流しては、流れ方や葉っぱの溜まり方を眺めたり、というのを延々繰り返して遊んでいました。

ーー泥がイヤだった時期があったんですね!泥んこになって森で遊ぶ、今の息子さんの姿からは想像もつきませんね笑。3年間、こえだでの日々を過ごして、息子さんはどんな風に変わっていったんですか?

かおりさん:日々変化は感じていたんですが、特に今、3歳になって、成長の結果を大きく感じています!

先日、西村山というフィールドで、息子が、私と手を繋ぎながら一緒に、少し急な斜面を登って行ったんですね。少しごねながらも笑。ズボンのポケットを、拾い集めた松ぼっくりでパンパンにしながら。自分の足で、てっぺんまで登りきったんです。最初の頃は、この斜面を、抱っこ紐で息子を抱えて登っていたことを思い出し、成長したな、と思いました。

子どもたちみんなでつくるお料理の時にも、今は、自分から積極的にやるようになりました。以前は、こえだの他のお友達たちが、野菜を切るのを横で見ていました。
3歳になると、スタッフが起こした火をみたり、お米を洗ったり、私と一緒にかぼちゃを切ったりし始めました。他の子ども達が焚き火を起こしている姿が心に残ったようです。自分たちの手で火を起こせる、近づける、というのは特別な体験みたいですね。

また、まるたんぼうの園児たちと一緒に過ごせたことも、すごく刺激になったと思います!
年上の園児たちが、高い木の上の方になっているサルナシを見つけ、上手に長い木の枝を使って取っているのを見て、真似して一緒にやってみたり。

初夏には田んぼの見学をしたり。秋には紅葉した落ち葉の滑り台を楽しんだり。人にも、智頭の様々な自然にも慣れて、積極的に遊ぶようになりました。

ーーそんなお子さんの成長を見られるのは、嬉しいですよね!親子でこえだに参加することで、かおりさんご自身にも、何か変化はありましたか?

かおりさん:はい、スタッフさんたちが、子どもを見守りながらも、困っていたり興味があったりすることがあったら、それを聞いてくれたり、一緒に遊んでくれて。そんな見守る保育を徹底してくださっているおかげで、私も、あれこれ手や口を出しすぎず、「子どもを見守ってみよう」という気持ちになれました。

そうやって時間をかけて観察してみると、子どもがどうしたいのか、気づけるようにもなりました。子どもが何かを嫌がっている時にも、「あっそうか。平らな道が嫌なんだ、斜面は歩きたいんだ」とか、「普通の道は嫌だけど、水辺は歩きたいんだ」とか。抱っこかと思ったら、そうじゃなくて川に行きたかったんだ、と気づいたり。

子どもが泣いていても、「かわいそう!どうしよう!」とか思わずに、彼が何を感じているのか、何を伝えようとしているのか、をじっくり見るようになりましたね。

ここでは、泥だらけになっても良い、川に葉っぱを流していつまで見てても良い、気が済むまで泣き喚いても良い、とか、「何をしても良い場所」、ということも、親としてすごく安心させられました。街中や公園にいると、周りの目を気にして、あまり汚れないようにしなきゃとか、静かにさせなきゃとか思ってしまうので。。

こえだでは、「子どもも大人も、自由にさせてくれる」、そんな空気がありました。大人も、無理に社交的にしたり、コミュニケーションをとらなくても良い。こえだの集合場所に行けば、気を使わずに、ただみんなと森に行ける。スタッフさんに見守られながら、自由にさせてもらえる。子どもと同じくらい、私も楽しんでいました!

ーーかおりさんご自身も、森で過ごすことが、楽しくなっていったんですね!

かおりさん:はい、子ども以上に私が楽しんでいたかもしれません!笑 私は、それほどアウトドアを楽しむタイプではなかったので、息子がいなければ、森に繰り出すことなんてなかったと思います。それが、毎月2回、子どもと一緒にみんなと森に行ける、ということがすごく楽しかったんです。

息子と2人で登山に行ったりしても、息子は積極的に遊んだり歩こうとはせず、甘えてきてしまい、あまり楽しめません。スタッフさんや他の子ども達など、「みんなで行く」ことの大きさを実感します。

片道1時間かけて通うのは少し大変でしたが、こえだに行けば楽しい時間が過ごせるので、続けることができました。私のように、岡山や鳥取の町外からなど、他にも遠くから通っている親子がいることも、心の支えになりました。

ーーかおりさんは、こえだ卒業後は、月に1回の森のようちえん「もりっこ」に通われると伺いました。まるたんぼうに通園することも考えたそうことですが、最終的に、どうしてもりっこを選ばれたんでしょう?

かおりさん:去年の秋くらいからずっと、まるたんぼうに入園したいと思っていました。ただ、やはり片道1時間という時間が、毎日となると、負担かなとも思って。。すごく悩んでいたんですね。そんな時に、スタッフの方に、月1回週末に通える森のようちえん「もりっこ」というクラスができたと聞いて!月1なら遠くても通えるし、「子どもをまた智頭の森に行かせられる!」と思い、すごく嬉しかったです!

ーーそれはよかったですね!もりっこの活動では、どんなことを期待されていますか?

かおりさん:ただただ、自然の中での遊びを楽しんでもらえたら、と思います。こえだとは違い、親は付き添わないので、1人で行っても、自分で楽しみを見つけて遊んでくれたら良いですね。森に行ったら、何かは得て帰ってきてくれる、と思っています。楽しいか、怖いと思うか、それは彼自身のことなので、自由に感じてほしい。森という場に立って、何かを感じて、感じるままにやってみてほしいです。
雨の日には雨の日の楽しみがあって、風の日には落ち葉がものすごく見れるとか、どんな天気の下でも楽しみがあると思うので。

こえだでは、冬の活動はなかったので、智頭の冬の森には行ったことがないんです。彼にとっては初めての体験。どんなふうに過ごすのか、親としてとても楽しみです!

ーー最後に、親子組「こえだ」に興味のある保護者さんたちにメッセージをお願いします!

かおりさん:気になったら一度、ぜひ行ってみてほしい、と思います。習い事みたいに毎回行かなきゃ行けない、という場所ではなく、その日の子どもと自分の気持ち次第で、行けたら行くという感じで大丈夫なので。親子の、とても良い気分転換になりますし、行けば、何か吸収するものがあると思います。

こえだに通って3年経ちますが、息子は、今では、山に行って森や木を見たり、何気ない道路の水たまりを見ても、すぐに「まるたんぼうみたいだね!」といっています。(息子さんは、「こえだ」のことを「まるたんぼう」と呼んでいるそう。)自然や自然を連想させるものを見ると、こえだで過ごした日々が、パァっと思い出されるんでしょうね。

ーーーーーーーーーー

親子組「こえだ」でのエピソードを、たくさん話してくれたかおりさん。
本当に楽しそうで、私もこえだに参加してみたかった、と羨ましくなるほどでした!

赤ちゃんや、よちよち歩きの小さい子どもを連れて森に行くって、とても大変なことと思っていましたが、
こうして、スタッフさん達の安全管理のもと、他の親子と一緒に行くと、子どもも大人も安心しながら楽しめる、素敵な時間になるんですね。

新年度からは、いよいよもりっこが始まりますね。引き続き、息子さんと、智頭の森での日々を楽しんでくださいね!


ーーーーーーーーーーーー

2024年度会員募集中です!
親子で森のようちえんこえだ・週末森のようちえんもりっこ案内はこちらから


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?