すみかを探したい

心から「自分の家」と思える場所がない人生です。

14歳まで住んでいた生家は間違いなくそれでした。生まれる前から住んでいて、小さな頃は当たり前にこの家で成人していつか嫁に出るまでずっとここに住むんだと思っていた家でした。
残念ながら、所有者であった祖父が土地を銀行の抵当に入れていて、バブル期に株で大変な借金を作ってしまった際売り払われました。
あの家を出た当時は、いつかお金持ちになって家を買い戻してまたここに住むんだと思ったりもしましたが、残念ながら我が家の敷地は5分割されてコンパクトな庭無し一戸建てが5軒も建っているそうです。
昔は最寄りの電車の駅まで車で40分とかだったけど、今は徒歩圏にモノレールの駅があって、最近自転車で行ける距離に御堂筋線から直通してる北大阪急行の駅も出来たので、地価はずっと高いままです。生半可な金持ちではあそこに昔みたいなサイズの家は持てないです。

その後数年スパンで転居を繰り返し、ずっと一時暮らしだと思っていて、この間まで住んでいた場所はかれこれ11年住んだんですが、やっぱりどこかしら仮暮らしのつもりでいるのです。

夢に出てくる家はたいてい14まで住んでいた家です。
ただし、大抵「もうこの家には住んではいけないのに」という前提でこっそり住み続けていたり、一度転居したはずなのに戻ってきたことになっていたり、転居が済んだ後のがらんとした家にこっそり戻ってきて隠れ住むような夢ばかりです。

そこ以外に「家」として夢に出てくるのは、実際には一度も住んだことはない母の実家の母屋です。
何故そこなのかよくわかりませんが、あの家は不思議と、帰省中とか留守番を頼まれているとかいう設定で夢に出てきます。
残念ながら現存しておらず、大規模リフォームで失われてしまった古い姿で出てきます。

あとは、実際には住んだことのない架空の部屋ばかり。

夢に出てくるような、もうずっとここに住むんだろうなと思えるような家に暮らしたいなと思います。
別に家としてちゃんとしてる必要はなくて、私がそこを借り暮らしじゃなくて自分の家だと思えるような。


いうて、母が死んだら今母と妹が住んでいる家の半分を相続してそこに住むことになるんじゃないのかなと思っています。
母の実家の庭先にあった離れをリフォームした住まいなので、売り払っても面倒なことにしかならないのです。公道に面してないし、今は簡易的な塀で仕切られた庭に面した母屋は母と猛烈に仲が悪い末妹が相続していて、その子供世代になっていたとしても我々が母家の庭の一部であるあの家を第三者に売り払うことは到底承知しないだろうし、かと言って真っ当な価格で買い取ってくれるという気もせず……
ギスギスしながらもあの家を持ち続けて固定資産税を払うために他の家の家賃は払わずあそこに住むのが最適解だという気はしています。
母とは折り合いが悪いし、家の形上3人住むには全く適さないので、母がいなくなってからしか嫌なんですけどね!!!
3人住むには適さないというか2人住むにも全然適してない。やっつけリフォーム過ぎて、通路にしか使えない大きな部屋が2部屋もある。

妹と二人、どっちが死ぬのが早いのか戦々恐々としながら老朽化してくる古屋に二人で暮らす老後になるんじゃないのかなぁ……順当に。
あの土地がほどほどの価格で手放せるなら相続した後手放して妹共々もっと住みやすくてしがらみのない場所に転居するのが最善だと思うけど、母が死ぬ頃には私たちも老女だから、賃貸物件には入りにくいだろうな。かと言って実家の土地と引き換えに購入できるような中古家はない気がする。

まあ、実家のことは置いといて……
自力で稼いで家賃が払えるあと15年くらい、自分が納得できて夢に自分の家として出てくるような家に暮らしたい。
別に新しくなくて良い、むしろリフォーム済み長屋とかが良い。
もうなくなってしまった生家に留まる夢は、年々夢の中でも(この家はもう存在しない)と思うようになってきてるし、ともすれば夢の中でも間取りが曖昧になってきてて、起きてとても辛いので、夢に見ても哀しくならない「我が家」に住んでみたい。

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