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集客力を眺めてみる。

引き続き、こちらの本から。集客力を考えるグラフが紹介されていたので、松本周りの数字を落としてみました。

集客を考えるときに、2点に注目。ベース票 と 埋める力。
横軸が平均観客数。こちらは簡単。
縦軸が平均と最低観客数の差で、高いほど安定的に集客していると読むそうです。同じ平均 5,000人でも、最低が4,000人と1,000人では、4,000人のほうが安定的に集客できているということで、右上を目指していくということになります。

22年のJ3で、エラー値の信州ダービーを除いたもの。赤線はJ3昇格ラインの2,000人。赤線を下回っているところは、考えること多いですよね。昇格できない水準なわけだから。
松本は、安定的な観客に支えられつつ、集客も多くJ3内では規格外のクラブ。長野は、安定的な観客がいるものの、人数が少ない。
バスケの信州を落とし込んでます。これ、1月の千葉戦までの数字なので、これから平均は落としていくのでしょうけど、松本目線で見ると、県内にもう一つJ3クラブがあるみたいなもんですね。バスケは、ホームゲーム数が多い。30試合あるそうなので、シーズン終了後に平均1,875人以上だと、累計観客数は長野を超えることができます。
長野は焦ったほうが良いよ。ビジネス規模では信州に抜かれているという見方ができるわけで。人数が少ないバスケは組織維持コストが低く、アリーナを利用する試合運営費も低いと思われ。数字の裏を読んだら、県内スポーツクラブNo.2の座は、静かに変わったんじゃないでしょうか。松本もうかうかしてられないと思うよ。バスケのビジネス環境って、相当魅力的だもん。

松本の場合。
昇格初年の12年はさておき、3つのグループに分かれます。右上の目指す緑のところには、J1の2年が落ちてます。19年なんて、安定度が80.8%で、平均と最低の差が20%ない。悪天候でも平均から20%落ちる程度の固定的な観客に支えられてた。すごいね。
2番目のグループが黄色いところ。3番目の青いところがコロナ禍の3年。1万人に設定している目標って、黄色いエリアに入って安定させたいという意味がある。黄色で力をためて、緑のエリアに挑戦してとどまりたいというクラブ戦略なんでしょう。青いエリアでは、コロナで離れていた人がきちんと戻ってきてくれていうと読めるのはいいですね。集客するにしても、どこの誰にリーチしていくのかは腕が問われそうです。
松本の悩みの種は、全試合満員札止めにしても、J1平均に届かないということ。クラブを取り巻くハードリソースは、J1で生き残ることが困難ということを示しているので、スタジアム構想を出してみたり、第4の収益の柱を狙って、「2推しに山雅」という愚策にクラブリソースを割ったりする。違和感ある施策の裏には、19年に示されたスタジアムの限界が見え隠れしているんでしょう。

J2に松本を落としてみると。まぁまぁの位置にいます。
新潟バケモノw グラフのバランスが悪くなるw
赤線は、J2平均の 5,019人のライン。松本は、ここからの安全余裕率あたりがKPIになりそうな気がします。
新潟から パクれそう ベンチマークとなるものを見つけてこれそうなもんですが。クラブ間の事例共有みたいなものってないんですかね?

J1だと。赤線は平均14,328人。
別世界。3グループくらいありそうですね。どこを目指していくのか。縦軸で、随分高いところに松本はあります。観客の安定性の裏側は、集客の広告を打っても響きにくいということ。一見さんを呼び込みにくい飲食店みたいな感じ。安心感はあるけど跳ねない。
観客数をベースとした戦略は実効性がない。単価を上げるにも限界がある。トレンドは、スポンサーではなくオーナーとして企業を迎えていくというもの。持株会に支えられる資本政策の松本には、多分相性が悪い。そうすると、多くのスポンサー・高い単価のスポンサーに支えられるクラブになる必要があると思うので、スポンサーメリットとなるサポーター戦略が必要。この辺のNo.1は札幌。あそこの信頼関係は、普通に羨ましい。


こんなところで終わりにするのがいいんでしょうけど、性格が悪いので、長野の状況もシェアしておきます。

新スタの勢いで昇格して、松本を抜き去ろうということだったと思うんですが、16年をピークに下がる平均観客。15・16年の3位は痛恨。20年の3位はコロナ禍でなければどうなっていたのか。
青いところがコロナの3年なんですけど、安定度は上がるけど、平均自体が増えていない。だんだんと固定客が戻ってきているんだろうけど、新規に興味を持たれにくくなっていると読めるんじゃないかな。
人のことを言えるような状況じゃなく、松本だって似たか寄ったか・目くそ鼻くそなんですけど、閉塞感高いね。どっちが早く過去の良い思い出を捨てられ、時代に沿った施策を見つけられるか勝負のような気がしてます。

バスケは、オフィシャルで数字が発表されてないようなので、出せばいいのにというか、出すべきだと思うんですよね。明るい話ばかり聞こえてくるバスケですけど、福岡で起きたことは、忘れちゃいかんでしょう。
サッカーは、フリューゲルスを教訓に情報公開がしっかりしています。財務を中心にビジネス指標がしっかり確認できます。お金周りのところも眺めていますので、22年の情報が発表されたらなんか書きます。

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