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2024年のアカデミー賞で見たマイクロアグレッションについて思うこと

これを書いている今、数日前に開催されたアカデミー賞授賞式 in USAで目撃された、アジア系俳優に対するいくつかの人種差別的な行為についてモヤモヤした気持ちを抱えている。

ロバートダウニーJr.の失礼な行為と

エマストーンの失礼な行為について。

「いやこれは勘違いだよ」「これくらいのことで大騒ぎしていたら欧米圏で生きていけないよ」「騒ぎすぎなのでは」など、いろんな意見があって、それぞれの人が自分が正しいと思ってる(し、そう思う権利はあると思うわ)。

なんだかなぁ…と思っていたら、こんなツイートを目にした。ちょっと長いけど一連のツリーをぜひ読んでほしい。

私が注目したのはここ。

私はこれを読んで「アッ」と思い当たる節があった。それはコロナ禍。

私は2020年の3月、コロナ感染が急に世界中で大騒ぎされ始めて、各国の国境が閉鎖され、あれよあれよと言うまにロックダウンになったあの激動の3月に日本からスイスに移住するために家族で大移動をした。

まずは夫だけがスイス入りして、家が決まるまではフランスの実家にお世話になっていたので、私たちは日本からミュンヘン経由でフランスに来たのが3月6日。

その時すでにコロナは大騒ぎになっていたものの、まだヨーロッパでは誰もマスクは付けていなかった(日本では大人はほぼ全員がマスクをしていた)。出発前に義父が電話してきて「乗り継ぎの空港で目立つからマスクはしないように」と言われたくらい、まだまだマスクが珍しい時だった。

私たちは預け入れ荷物のほかに大荷物と2人の幼児を連れて、引っ越しと移動でへとへとだった。

ミュンヘンで目的地の飛行機に乗る直前のチケットチェックで、私が子供二人の手を引いて列に並んでいた時、私の目の前でゲートが閉じられた。

え?と思って係員(グランドホステスさん?)を見たら、ツンと目を逸らして端の方にいってそっぽを向いてただ立っている(まだまだ並んでいる人はいるのにお前なにしてんだよ)。

ああ、アジア系だからコロナウィルス扱いされたのか・・・と思って列に並び直そうとしたら同僚の係員が優先的に処理してくれた。

ツーンとそっぽを向いてるあいつのところにいってゲホゲホ咳したろか!!と思ったけど、小さい子2人の手を引いて、重い荷物でよろよろしてるからそれもできなかったけど、あれは一生忘れないわ(恨みを忘れない女)。

それからフランスの地方都市ののどかな義実家に身を寄せて、そこでロックダウンながらも平穏な生活は送っていたけど、スーパーに一人で買い物に行ったら、並んでいる列の横が空いて、私以外の全員に声かけるオッサンとか、公園で子供を遊ばせていたら通りすがりの小学生に「コロナー!コロナー!!」と叫ばれたりと、散々屈辱的な目に遭った。

そしてアジア圏の人に対するヘイトは渦巻き、コロナが収束(してないけど、ロックダウンも外出制限もないね)して、一見平穏が戻ったように思えるけど「アジア人は見下してもいい。忌避していい。差別していい」という意識だけが残ったように感じる。

世界はどんどんいい方に変わっていると思う。思うんだけど、今回みたいな事件を見たり、自分も人として扱われてなくない?と思う場面に結構出くわすのは、コロナ禍も大いに作用しているんじゃないかなと感じている。

でも世界は変わる、と信じてる。綺麗事じゃなくて自分の子が大きくなった時により良い世界でいてほしいから、変えられるように無関心でいてはいけないと思う。おかしいと思ったらその場で過ごさないところから始めたい。

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