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ベットサイズについて考えてみた フロップCB編

最近のプロや100nl以上のregのプレーを見ていると、フロップで50-100%ポットサイズのCBをよく見ますね。大きいサイズのベットを受けた時には、ハンターハンターのゴレイヌよろしく「受け止める無事で?できる?」などと思ったりもします。そこで、僕もフロップのレンジ全体小サイズCBから卒業するべく勉強しています。

今回は、30%よりも大きいベットサイズを使うべき場面の例を見てみます。さらに、PioSolverの計算結果を見ながらその理由を考えてみます。ベットサイズの検討はフロップCBに限らず重要だと思うので、なるべく一般的な理解につなげたいところです。

対象のフロップ

プリフロップ stack = 102.5BB
BTN 2.25BB, BB call
フロップ pot = 5BB, stack=100BB
BB x, BTN?
下は30, 50, 75, 100, 150%の5種類のサイズを設定したPioSolverの結果です。レーキは設定していません。忘れてた。

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ほとんど75%ポットベットが使われています。この時IPのレンジ全体のEVは3.34BBです。念のためサイズを75%固定で計算してもEVは変わりませんでした。ベット頻度は69.9%。

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OOPのCBに対するアクションです。49%がフォールドします。

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次にサイズを30%固定にした場合の結果です。

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ベット頻度が上がり81.1%。IPのEVは3.27BBでした。ベットサイズが75%の時と比較して0.07BB下がっています。

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OOPのフォールド頻度は27.5%で、75%の条件よりも広くディフェンスしています。

ベットサイズの違いによるEV差は大きいのか

ちょっと考えてみましょう。1フロップの差が0.07BBだから、まったく同じフロップを繰り返しプレーした場合、7BB/100handの差です。すごく大きい気がしてきました。
ただ実際にCBを打つ状況はもっと少ないので、頻度を考慮してみます。ハンド履歴を見ると、6max-zoomで私がプリフロップのアグレッサーだったのは8%程度でした。なので0.07×8で 0.56BB/100hand。2BB/100handの成績で文句なく勝ち組と判定されるzoomで、これは大きい差と言えるでしょう。スラムダンクで言うとビッグジュンこと魚住くらいの存在感です。

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ということで、このEV差をスルーせずに原因を探っていきます。
影響度の見積もりが間違ってたらごめんなさい。

レンジの中のどのハンドのEVが変化したのか

レンジ全体のEVは各ハンドのEVの平均値です。つまり、レンジ全体のEVが変化したのなら各ハンドのEVが変化しているはずです。ということで確認していきます。ベットサイズ75%と30%、それぞれの計算結果からハンドごとにIPのEQとEVを抽出しました。それぞれフロップでOOPがxした時点のものです。

下の図は75%と30%の各ハンドのEV差をまとめたヒストグラムです。グラフ横軸のEV差は1BB=10です。

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75%ベットの方がEVが高いハンドが多く、最大で0.9BB、最小で-0.3BB程度です。この平均が0.07BBになります。もう少し具体的に見てみます。
下の図は75%ベットの方がEVが高いハンドを抜き出した棒グラフです。左がEQ、右がEVです。

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75%ベットの方がEVが高いのは、ストレートやセットといったEQ80以上のハンドと強いドローですね。大きいベットはバリューにコールされた時の利益が大きく、ブラフで相手を降ろしやすいことを考えると納得です。

次に、30%ベットの方がEVが高いハンドを抜き出したものです。

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30%ベットの方がEVが高いのは、AヒットやKヒットなどのEQ60程度のハンドです。小さいベットには相手は広くコールせざるを得ないのでこれも納得ですね。

これらの各ハンドのEV差を合計して、レンジ全体のEVが高いのは75%ベットということですね。割と納得。ディフェンス側も同様の分析を行うと理解が深まりそうですが、長くなるのでまた今度にします。

ということで

ベットサイズを変えることでEVの上がるハンドと下がるハンドのどちらもあり、それぞれのハンド群の特徴を確認することができました。なぜソルバーが○○%のベットサイズを推奨するのか考える方法として有効だなーという感触です。
フロップCB以外のシチュエーションでも、同じ方法で勉強できそうです。例えば、

・相手のこのレンジに向けてバリューベットしたいけど、どのサイズで打てばよいか?

→今回の方法で適切なサイズとその理由を確認できそうです。

・ターンのブラフベットにコールされた後、リバーでもう一度ベットすべきか?

→今回の方法でターンのベットサイズを検討し、相手のコールレンジに合わせてリバーの戦略を検討できそうです。

やっぱりレンジの隅々まで愛せって事ですね…ポーカーは面白いですね…
実戦でもベットサイズを安易に決めず、EVを奪い取っていきたいです。
ではまた。




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