禁じられた森

にろまり

穴ぼこもりもり&偏った見方もりもりで
超絶長い、配信にろまりスリル・ミーの各曲に対するコメント文。

※長文注意
※偏った見方注意
※日本語下手注意
※ネタバレ注意
※ところどころ記憶なし注意

▼総論
彼を深く深く愛した結果、奇妙な結論を導き出してしまった「私」と愛をうまく伝えることができなかった「彼」の終着地点の話。


▼「現在」の「私」
田代さんの「私」は最初っから傷ついていて
もう何年経っても彼を喪った傷を癒せていない。歌い出しと共にぽろっと溢れる涙が綺麗でもう冒頭から心奪われてしまう。
動機を聞かれて扉を必死で閉じようとしているような堪えるような表情をしている。
「壊れた船のように」のところでわずかに声が震えて、今も、その時も、彼がいないことが本当に辛いんだなって思う。
この事件は彼が戻ってきた時から決められていたのかもしれない。あるいはもう失ってしまったからか。
彼が戻ってきたことを語る表情が変わらなくて
彼が戻ってこなかったら自分は彼を殺さずに済んだのではとすら思っているのかもしれないと、感じる


▼バードウォッチング
私はすごく生命力に満ちていて、立ち姿がすっごい優等生っぽい。ちゃんと愛されて自分に躊躇いなく自信を持っているような。
私が全身全霊で好きだオーラを出しているのを受け止めて、私が情熱的に自分の望む答えをくれるから彼はちょっと満たされた顔をしているし淡々とした余裕が出せる、笑える。
忘れがちだけどこの2人幼馴染みなので、私の「好き」は彼にとっての「当たり前」。
「待ってたよ」は実は彼の方の気持ちなのかもしれない。

だからもしかしたら彼の苛立ちって
親からの愛を受ける弟への嫉妬とは別に
私を思うように振り回していたい(その邪魔をされた)ことからって面もあるかも。
彼の苛立ちに対して私は堪えるような顔をするけど単純に暴力的なものに対して無防備な育ちの良さも見えるし、弟への嫉妬もあるかも。

「全部を見てきた」をすっごい誇らしげに言うの可愛い。

背中を向け突き放すようなことを言うのに
受け入れられると子供のように目を輝かせて計画を語るのまだまだ子供なんだなと感じる。

ご褒美シーンですが私にとってもご褒美です、ありがとうございます。
ちょっとあり得ないくらい色気がすごかったので言葉では表せないのですが強いて言えば情欲が彼の方が強く見えたこと。口を開くように指示してるけど私のほうは1回目も2回目もそんなに変わらないしなんなら私はもう気配を感じて口開けて恍惚としている。
逆に彼は貪るようにキスするから
ああ彼って、こうやって色々手順を踏まないと伝えられないけど私に対しての情が深いんだなと感じる。「待ってたよ」、実は彼の気持ち(ふたたび)
※私の回想なのであくまで私がそう受け取ってた/受け取りたかったって線はあるけど


▼やさしい炎
言葉通り彼、穏やかで満ちた表情をしてる。
喋り方も不自然なくらいゆるやかになっていて壊れて捻れる前を想像させる。

「触ってください」って全然屈辱的じゃなくて
その先に待つものが見えていて
あえてその段階を踏んでいるだけと言うか
置くような静かな言い方がいいなと思う

彼から触れられて躊躇いなく私からも触れていくの田代さんの私の特権だな。
ここから割と私はずっと彼に夢中なシーンだと思ってたんだけど動画で見たら意外と、行き来していた。
「火が怖い」「彼が近い」が徐々に彼の方に振り切れていくし彼もきちんと受け止めて包んで絶対でいてあげてる。

2人の歌声って基本的にすごく波長が合っていてずっとベースに流れている新納さんの穏やかな声の上で田代さんの声が伸びやかに魅せてくれる。
あとこの2人、切り方がすごくゆるやかで消えていくようなので余計混じり合って気配が消えていく感じがすごく幻想的。

歌い終わった彼が一瞬虚無のような表情をしたまま去るのとすごく強い目をしている私が対照的で「すべてに火をつけた」んだなって思ってしまった。


▼契約書
弟の言い方あざとかわいい。
「ありがとう」はすごく慎重。
思った通りの反応って感じもするし
彼の時間を手に入れたことに本当に感謝してる感じもする。この私は片膝抱えて座るのかわいい。

「無意味な」とか「残りの夏を」とかをあえて
平坦に語るのは大人ぶるのが身についてしまってるんだなと感じる。
ニーチェの語る理想は楽しげに語るけど。
「お前じゃなきゃ駄目なんだ」は読めない表情でいう。
多分本音が混ざっているからこそ。
背中向けてるのに動作が合うタイミングあるの本当に綺麗で結構立場が出たり入ったりするシーンなんだけど彼は基本楽しそうだし私は言いたいことはあるものの彼に従っちゃう

「ルームメイトから盗んだ」もやさしい炎と同じで「彼との思い出」なんだろうなと感じた。
メガネかけた時のしゃんとした感じがもうロイヤリティだし「できた」がかわいい。待ってる彼の足が長い。

「痛くはしない」の表情
言い聞かせるためのめちゃくちゃやさしい顔する。わかってても騙されてしまう。
ハンカチを先に出すのは多分このペアだけかな。「前にもやった」の片鱗と私の賢さを同時に見せるシーン。

ここはマウントの取り合いだし、まだ彼が握ってる。でも私めちゃくちゃ嬉しそうだし彼は彼で結構満足げなのでその紙は婚姻届ですか?って聞きたくなる。


▼スリルミー
彼のはしゃぎ方や取り乱し方がすごく子供っぽくて本来はこう言う子なんだろうなと思ってしまって辛い。
ここもぶつけあいの迫力がすごい。
私の必死さとか動きの艶かしさと彼の空虚さ満たされなさに挟まれて私の叫びのような訴えが届いていないことを嫌と言うほど感じてしまってすごく胸が苦しくなる。
ここで「契約書」を出すのは正しいことかもしれないけど思いやりはない、

事後シーンの乙女さが半端ない。


▼計画
顔を近づけるシーンっていくつかあるけど
「やさしい炎」は彼→私で習慣かもしれないけど愛を持って

「いつかのように」は私→彼で熱情を思い出してほしくて
「一生のうちでとてつもなくどでかいこと」は彼→私でYesと言わせるために
(ここで一瞬私は流されるんだけどうまくいかなかった時の彼が怖い)
って関係性が徐々に悪化していく

私は「家族」を大切にできる良心は持ってるからここで彼の何も感じてない目に驚くけれど、同時に、彼は今まで以上に荒々しくて剥き出しで子供っぽくて、きっとここで突き放してしまったら完全に捨てられてしまうし無理やり止めることができたとして彼が壊れてしまいそうなのに私は気づいたんだと思う。
結局彼の腕に抱かれてしまうと罪悪感なんで何処かに行ってしまってすごく安らかな表情をしている


▼戻れない道
「車で待ってろ」の言い方がフラットと言うか
ともすればあまりに私が怯えるから軽蔑することもできるのにどちらかと言うと汚い部分は自分がやるから、とさえ聞こえる。

永遠の言い方が悲しそうだし辛そうで「今」の私と「当時」の私が混ざりあっている。


▼スポーツカー
歌のおにいさん、全力。
この彼は顔の半分だけ照らされるんですよね、無表情で。仄暗い怖さ。鍵の出し方は手品っぽいというか一番スマート。段差飛び降りたり情景が見える動き。


▼超人達
いちばん怯えてるのがこの私だし歓喜に溢れてるのがこの彼。
襟もって持ち上げるシーン結構あるよね、この芝居。お上品めの2人がお互いの願望に従わせるためにそう言う仕草を取るのはある意味本性を出し合える相手という感じがする。
このシーンを見ると人のこと殺すことに対してリミッターが外れてる彼と比較して、この時点ではそう言う意味ではちゃんと罪悪感を感じられる私がいる。
それでも首元にキスされたらあざといほどの呼吸音はすぐに収まるし本当に彼がいる限り彼以上のものってないんだなと感じてしまう。


▼脅迫状
何でだろう、彼の私への信頼がすごく見えるシーンだった。
一方でこの内容に背中を押されているように繰り返す私の「完璧だ」は異常。
そのあとの口ぶりが自信に溢れていて覚悟を決めてしまったんだなと感じる。
基本的にこの歌詞はメタファーだと考えているけれど「見殺しにはしないよ」の歌うような言い方が本当に彼の命をてのなかに閉じ込めてる。
これから先彼を救うのは自分がいかにうまくお金と人を使うかにかかっているって顔。
紙の受け渡しが印象的なんだけど、見た目通り
誘拐犯→被害者の立ち位置なのかもしれない。私に全てが託された。


▼僕の眼鏡/おとなしくしろ
割と彼、ちゃんと話聞いてあげてるんですよね、苛立ってる割には調べたりニュース聞いたりしてくれてるし自分の都合が悪いのもあるけど見放すだけでもない気がしてる。
ただ途中までいつも通り歌で下支えしてくれてるんだけど「お前だけだ」から見事にちぐはぐになって、お互いに空間を埋めていくような
それぞれ聞いたら普通の音律なのに合わさると不協和音になってしまうのがすごい。
多分私の心が彼からずれてしまったんだなって、思い知らされる。


▼あの夜の事
驚きましたって顔が狂気を感じる。
この辺りのやりとり、思考力の対等感が強い。
彼のものまね私のことすっごい馬鹿にしてるよね笑
ただ私が自走し出すと「そうその調子だ」って顔をする。
やっぱり基本的に「私」の自力を信じている。
「一緒にいてくれたらよかったのに」って、こんな状況下でともすれば致そうとしている私に彼は気づいた方がいい。


▼戻れない道
私の叫びっていつも異常ですよね。
ヒステリー起こしてるような、愛情を拗らせたような感じ。

今季一番驚いたのがこのシーンの頼りなさか細さ。
こんなに感情的な歌だったっけ、って思いました。
もともと計画していたこととはいえ
本当に彼の方に愛情どころか情がないんじゃないかと疑ってしまったんだなって感じる。
もう彼の心が手に入らないことを確信してしまったから私が狂い始めてしまう、そんな歌。
もしここで彼に突き放されなかったら多分、同じ結末でももっと私の心は満たされてたんだと思う。
満たされなくていいから彼を手に入れようっていう愛憎と裏表のドス黒い愛情が芽生えてしまった。


▼俺と組んで
もうこのあたりは私は、傷つくことをやめてしまって「ニーチェは何て言ってる」とかは割と整然としていて、ただただ静かに手順を踏んでいくのだけれど、「俺を売って楽しいか」でポロポロ涙こぼすのずるいなあと思う。
あと「まるで弁護士」のような追い詰め方をしている最中の瞳。

計画の時のスリルに対する考えもそうだけど
街の人に逮捕を見られた時の私の気持ちに対しての読み違いって結構大きいよね。
世間体を気にするのは彼の父親だったはずなのに彼自身もそれに傷ついてしまっているし、親の愛情が得られないことに対して本当に客観的になれない人だと感じる。

「まだ遅くない」のカット美しかったな・・・
警察の取引の話とか、この彼は地頭がいいから
表情にあまり出ないし立て直しも早いこと。

そしてもう泣いてるよ、レイ。
泣いてないけど泣きそうな顔してる。
壊れちゃったのに生きたい彼は気づかない(ふりしてる)の切ないよね。これくらい今までは大丈夫だったかもしれないけど、もう私は私じゃなくなっちゃってて、頭ではわかってたけどこの瞬間心まで消えちゃったんだよ。

耳舐めて目を覆って
全て隠して自分だけ見てもらおうとした彼に対して、私の体にはもう拒絶する以外何の力も残ってなかった。文字通り抜け殻。
でもここ、遠目で見てもわかるくらい彼の手も震えてて、私は気づかなかったかもしれないけど、彼も不安だった。ここで私に拒絶されたらもう本当に一人ぼっちだったから。

立ち上がったときにはもう
私の心は壊れちゃってて、ただただ微笑むしかないんだよね・・・
「命尽きるまで」って契約書関連を私から歌い始めるのは興味深い。そしてここでも彼は私を置いていく。


▼死にたくない
髪の毛もしゃもしゃが本当に可愛い。まじで若返る。人間らしくて醜くて浅ましくて、一ミリも大人ぶっていない一番かっこ悪い彼。魂の叫び。


▼九十九年
落ち着かない、にちょっと昂りが出ちゃってるんですよね。
「そうだったの」が本当に嬉しそう。
無邪気にそういう人の弁論見れてよかったね、僕も知れて嬉しいっていう、よく考えたら全く筋の通ってない喜び方をしてる。
この辺りからもう私はフルスロットルでアクセル全開なんですが、もう種明かしが楽しみで仕方なさそう。
背筋正してるしずっと目を合わせないのがすごい。「わざと落としたんだよ」で初めて見るんだけど無表情すぎて、声は判決を告げるように高らかで微笑んでるくせに昔のように無邪気な笑顔じゃないんだよね。

彼は「一緒に死ねるならそれも悪くない」って聞いて、自分が目の前の幼なじみの形をした怪物を生み出したんだと思い知らされた。それでも「怖くなったか」って今までみたいに不安に揺れる私の声を聞いて、泣きそうに笑った彼は、多分この瞬間に私を愛していたことを知ったしそしてそれを壊してしまった自分の罪も知ってしまったんだと思う。
「認めよう」って言われたことで私は満足してしまっていて、でもそれはもうかつての私の願望の成れの果ての何かになっているからで、彼は罪と愛も含めてそんな「私の残骸と生きていく99年」を受け入れている。
身包み剥がされた先でただ一つ残ったその大切な何かを愛していたことに今更気づいた可哀想なただの人間だった。だから彼ももう存在するだけだし、透明になってしまう。

この期に及んで「永遠とは言わない」私も切ないし微笑んでるんだけど心はもうどこにもない。

今でも彼のことを思うとすぐに涙が溢れる私。
認められたくて殺人を犯した彼よりも
彼を手に入れるためなら家族すら手にかけられるだろう私の
底の恐ろしさを弁護士は気づいていたんだろうな。そしてそこに対して、彼が望んだ形だった「救う」という弁護士像の皮肉をあてに行く私が怖い。

自由、こんなにも心は彼に囚われたままなのに、自由。


▼スリル・ミー
手を離したくなさそうだよね
離れてしまった。なぜ、こんなことにという気持ちと、一瞬だけ息ができるようになったという気持ちもあったのかも知れない。でも写真によって引き戻されてしまう。何度でも。
もう多分私は現在を見ていなくて彼が先に行ってしまった、透明な世界に足を踏み入れてる。

現世ではもう狂ってしまって壊れてしまっていて
それでも次の世界では幸せになってほしいなあって思う、ラストだった。

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