第1章 サーナイトとの別れ
part1 不穏
2023年11月下旬、今日も空き時間を見つけてはPTCGLにログインしていた。
シティリーグの日が2024年1月7日に決まり、本番までそう時間はない。本当は対面練習を誰かとしたいが仕事や予定があり、実際にカードを使った練習は思うように出来ない。PTCGLはスマホ1台でお手軽に出来るのでかなり重宝していた。
いつものようにプレイをし、黙々と勝ち盤面を作り上げていく。使っているカードは本番でもおそらく使うであろう
サーナイトex。もうかれこれ使い始めて8ヶ月は触り続けている相棒とも言えるデッキである。
どんなデッキにも渡り合え、パワーもあり、相手によって戦い方を変えれる器用さも持ち合わせる...
使うのは難しい部類のデッキではあるが、色んな勝ち筋を追えるところが気に入って使っていた。
今のところ5戦して4勝1敗
悪くない。勝率で言えばかなりいい方である。
ただ最近とある相手に少しづつ負けていくようになってきたことに少しイラつきと気持ち悪さを感じていた。
迎えた6戦目。
「うわ、出てきたよ...」
素直に声が漏れる。この時はまだ流行ってはなかったが後にサーナイト使いや非エクを使うプレイヤーをドン底に突き落とす黄色い悪魔.....
ミライドン
というより
コイツ!!
最強のお相撲野郎!!
今までのミライドンには雪山(頂への雪道)に連れて行かれ、遭難した結果負けることはあったが最近はこやつがサイドを根こそぎ持っていくせいで追いつかない....つまり勝てない
サーナイトを握る上でミライドンを意識する日が来るとは思ってもなかった。
ただこの時はシェア率も低かったので
「シティでは割り切りかなー」
と軽い感じで思っていた。
だが数日後、この気持ちが大きく変化しサーナイトとの決別を決定づける事件が起きてしまった。
part2 脅威の18連勝
シティまで約3週間まで差し迫った12月....
チームメンバーの1人やっぴぃが自主大会で
なんと18連勝を叩き出したのである。
やっている人ならわかると思うが
運が絡むポケカにおいて18連勝する事は
信じられない成績だと言える。
もはや何がどうしてそうなったと
思わざるを得ない結果なのだ。
しかもその自主大会、参加していたメンバーも強者ばかりだったのだ。
知ってる名前だけでもCL優勝者やシティや自主大会で上位に名を連ねる方ばかり....
つまり初心者を相手にしたのではなく、強豪プレイヤー達を薙ぎ倒しての18連勝なのだ。
これだけ書くと
チームメンバーが18連勝したのだからおめでとうで
いいじゃないかと思われるかも知れない。
もちろんチムメンがいい成績を残したのだ。
お祝いの気持ちはある....あるのだが...
察しのいい人ならもうわかるだろう。
こんな風に書く理由が。
そう、18連勝したそのデッキは
ピオニーミライドン( ´Д`)y━・~~
チムメンが勝った嬉しさより、その強さと凶悪さ、18連勝できる再現性の高さが証明されてしまったという気持ちの方が覆い尽くしたのだ。
そして同時にこのデッキが流行ってしまったらどうしようという恐怖も芽生えた。
本人に18連勝の話を聞いてみると
「後1からごっつぁん、ごっつぁんヽ(´▽`)/」
こんな笑顔で言われました...
「そうか、いやおめでとう...」
祝いの言葉をなんとか絞り出し伝えた。
そして心の中で
「シティ終わった....」
サーナイトを握る決意が崩れいった瞬間であった。
part3 新しいデッキ探し
12月2週目
「サーナイトは諦めて新しいデッキを探さないと」
そう思い自分の持ちデッキを再度確認する。
サーナイトを諦める理由をここで話しておく。
理由は2つ。
この頃になるとシティリーグでピオニーミライドンの活躍がかなり目立つようになってきた。
ミライドンが流行ってるのであれば不利なサーナイトを握るのは得策ではないのが1つの理由である。
もう一つはシティリーグのルールにある。
最大64人で予選を行い、本戦トーナメントの出場者8人を決める。
予選は概ね5回戦なので本戦出場のボーダーラインは4勝。
だが4勝しても確実に上がれるわけではない。
最低1敗しか出来ないのに確実に上がるためには5連勝するしかないルールの大会なのである。
(シーズン2までの大会ルール)
ほぼ負ける事が許されない戦いの中、
仮にミライドンと対戦して無慈悲に殺されたらと思うと恐怖でしかない。
やれる事といえば後手1でエネルギーがつかないことをお祈りするだけである。
そんなの精神がもたん_:(´ཀ`」 ∠)
だからサーナイトは諦めて他のデッキで出ることにした。サーナイト意外あまり他のカードは触ってなかったが、デッキケースまだ2つ持ち合わせているので
「さて、次の相棒はどれかなー」
と中身を確認する。出てきたのは
①相手を全員トラッシュへ
害悪騒音バクオング!
②山札掘り掘りいただきます
運だけウミトリオ
......
まともなデッキが1つもない!
こんなわけわからんデッキしか作ってなかったのか...
さすがにこんなデッキでシティ挑んだら応援してくれてるチームメンバーや周りの人に合わせる顔がない(;´д`)
「迷走状態や」と呆れられてしまう...
ちゃんとまともなデッキを作らねばᕦ(ò_óˇ)ᕤ
しかも今流行りのデッキにちゃんと勝てるデッキを!!!
そう思って環境デッキをネットで確認した時、とあるデッキが思い浮かんだ。
「あのデッキなら今の環境いけるかも知れない」
すぐさまスマホでXを開きとある人のポストを見る。
そうするとその人はその日に近くのカードショップのジムバトルに参加するという書き込みを発見した。
「れんげきの使い手に話を聞きに行くんだ( 'ω')」
すぐさま準備をしてカードショップへと向かって行った。
第1章 終
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