わたしの“夜と霧”
同じ本を繰り返し読む習慣がない。
それでも所々パラパラとなら時々。
フランクルの“夜と霧”は私にとってそんな本の一冊です。
ナチス強制収容所の体験記録。
著者ヴィクトル・E・フランクルは心理学者でありこの本の語り手。
私が持ってるのは旧版なので、キツい写真が入っていたり暗い内容なのだけど、それでも繰り返し読む人はけっこう多いらしい。
まだ読んだことのない人には意外だと思いますが、夜と霧には美しいとも言える印象的なシーンが出てきます。
極限状態でフランクルは、妻の幻影と言葉を交わし幸福感に包まれることが日常になっていく。他の人の様子をみてみると、どうやらみんな同じ白昼夢に浸っているらしい。
このあたりの場面を時々読み返したくなって、手に取ると他のところも読み出して時間を忘れたりします。
一般的には、過酷な状況でも高い精神性を発揮する人たちや著者の哲学に感動される方が多いみたいですが、私はこういうちょっと不思議な感じのする場面が好きです。というか、勝手な読み方をしているだけなのかも。基本、誤読の人です。
実は鳥もただ“鳥”としか書かれていないのに“白い大きな鳥”と書かれていたと暫く前まで思い込んでイメージしていました。
この鳥ですが、無関心な人々の象徴かなと思っています。ちょっと不気味で残酷な事もするけど魅力的であったりもする、というような。でも人によって解釈違いそうですね。
同じような感じで時々手にとる本がほかにもあるので、またそのうちに記事を書いてみたいです。
おしまい
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