大学の香りが売ってた

お風呂に行く時、備え付けのシャンプーはギシギシになるし、どうせなら普段使ってないけど
ちょっと気になってるやつを使いたいから、毎回使い切りのやつを買って行く。
今日寄ったドラッグストアには気になるシャンプーがひとつもなかったから、大学生の時に使ってて好きだったけど、卒業してから使ってなかったシャンプーを久しぶりに買った。好きだったってことは使い心地良いって分かってるから安心。
くらいの気持ちで買っただけだったのに、大学生の時の記憶が一気に蘇ってきて恐ろしくなった。

プルースト効果って言うんですか。街ですれ違った人の香水で昔の恋人を思い出す、あれ。
シャワーしたあとなのに急に先輩に呼び出されたあの散歩の夜風の心地良さ。お揃いだねぇ〜エッチだねぇ〜ってふざけて言ってたけど内心少しドキドキしてたお泊まり。半袖短パンでアイス頬張りながら間接照明だけつけた部屋でケラケラ笑って見てたゴッドタン。バスタオルと下着を買い足すことで補ってた洗濯サイクル。それでも回らなくて24時間営業のコインランドリーに走ったな。

色んなことを一気に思い出した。国道沿いのファミマの明るさまで鮮明に浮かんできたりして。思い出が全部夜なのはお風呂上がりだからかな。

香りの記憶って本当にあるんだ。好きな人に自分のことを思い出してくれるために香水をつけて記憶を植え付けさせるとかって、本当に出来るんだろうなって実感。このシャンプーでわたしを思い出す人もいるのかな。

ひさしぶりに味の素の冷凍餃子を焼いたし、あのシャンプーの香りを纏っているし、大学生気分に戻りたい時の対処法を一気に見つけた感じがする。
というか、わたしの大学の記憶ってこのシャンプーの香りだったんだ。

このシャンプーは大好きだけどやっぱりもう普段使い出来ないな。思い出が更新されちゃうのは嫌だから。