壽 乱舞音曲祭 刀剣乱舞 歌詞と解説考察みたいなの

【歌詞】


刀剣乱舞 強く強く 鍛えし鋼 今 解き放つとき
刀剣乱舞 高く高く 誇り 胸に抱きて
この身 朽ち果てるとも

後の世も廻り会え 宿世(すくせ)の縁(えにし)
終わりゆく時代に 残せ爪痕 いびつな石よ
可惜夜(あたらよ)に咲く花は 葵の紲(きずな)
無常の風吹く ワダツミの静寂(しじま) 宿れや祝え
この物語(れきし) 我らとともに
紡いでゆかん とこしへの誓い

刀剣乱舞 熱く熱く この身を焦がし 今 駆け抜けてく
刀剣乱舞 永久に永久に 主命 胸に抱きて
この身 燃え尽きるとも

我が行く手 大地煮え滾り 怒涛逆巻くとも
我ら一歩も引かぬ 倒せぬ敵などあるものか!

刀剣乱舞 熱く熱く この身を焦がし 今 駆け抜けてく
刀剣乱舞 永久に永久に 主命 胸に抱きて
この身 燃え尽きるとも


【解説と考察みたいなの】


※ここからは完全に個人の考え、解釈なのでそれをご理解頂ける方のみでお願い致します。


では早速、今回の刀剣乱舞(音曲祭ver.)について…

本当に今までのミュージカル『刀剣乱舞』の全てを集めたような曲でした。
曲調もアレンジされていて、オーケストラver.かな?と思うような場面も多々。
普段耳にする刀剣乱舞よりも繊細で儚いイメージのある刀剣乱舞。
その儚さの中にも真の強さ、美しさのようなものが見えました。
なんといっても、ラスサビのアカペラでの斉唱部分。
誰一人ブレず、力強い歌声。
アカペラだから倍音がよく聞こえてきます。


それではここから歌詞を読み解いていきます。
サビ部分はいつもの刀剣乱舞と変わらないのでそこは置いておこうと思います。


では、Aメロの冒頭から。

後の世も廻り会え 宿世の縁

ここで出てくる宿世とは、前世で既に決定していて逃れられないという否定的な意味で使われることの多い言葉です。
そしては宿世とは違い、良い縁や単純な関係を表す言葉。

始めの歌詞、後の世も廻り会えで敢えて巡る廻ると表記したのは元の主の手元にあった頃とは違う姿、刀剣男士として顕現したことを表しているのではないでしょうか。
その次の歌詞では宿世の縁と歌われていて、後の世でも廻り会うのが宿世の縁ということです。

その宿世の縁が一体何を表すのか…
上で解説したように、宿世には前世で既に決定していて逃れられないという意味があります。
前世で既に決定していて逃れられない』つまり、避けては通れない道。
前世とはきっと、彼らが付喪神になる前、即ちまだ刀だった時代のこと。
そう考えてみると、宿世は元の主の運命なのだと思います。

そして何故、この歌詞では廻り会うではなく、廻り会えと歌われているのか。
2つ考えがあり、1つは今剣の元の主、義経公辞世の句として詠んだ句

後の世も また後の世も 廻り会へ
染む紫の 雲の上まで

(後の世もまた後の世も廻り逢おう。紫に染まった雲の上まで一緒に行こう)

この句から引用したのでは、と考えています。
この句からの引用であれば、会えは歴史的仮名遣の会へ、つまり逢おうと言った意味で使用されているのだと思います。
ちなみにこの義経公の辞世の句は、岩融の元の主の武蔵坊弁慶の辞世の句への返歌とされています。

そして、もう1つは、会えを現代語の命令形と考えます。
何故廻り会えなのか。
それはきっと、出陣先、部隊編成を決めるのが彼ら自身ではなく、審神者だから。
このフレーズは、彼ら自身の言葉ではなく、審神者から彼らへの言葉なんだと思います。
だから、宿世という否定的な意味の言葉の後に、縁という良い縁を表す言葉を置いてあるのではと考えています。
彼らにとっての良いとは言えない思い出を、自分の手で歴史を守るという形で元の主の今を守る。彼らの大切な元の主の為になれるようにといった意味なのかなと思います。


続いての歌詞です。

終わりゆく時代に残せ爪痕 いびつな石よ

ここでの終わりゆく時代には、隠れた歌詞があると考えています。
刀での戦が終わりゆく時代。つまり幕末
ここで誰が誰に爪痕を残せと歌っているのか。
これはこのteam幕末から新撰組へ。
この時代が刀での戦が幕を閉じた時代。
だからこそ最後の最後まで自分達を手にしてくれていた主へ、貴方が後世に残るようにといった彼らの元主への気持ちなのではないかと思います。

次のフレーズで出てくるいびつな石
これは結びの響、始まりの音の劇中歌の曲名にも使われていた言葉です。
しかし、劇中歌の曲名ではいびつないしと表記されています。
しかしここではいびつな石。
むすはじでのいびつないしの歌詞では、いびつな石いびつな意思いびつな遺志と3つのいしが出てきます。
その為、この刀剣乱舞て出てくるいびつな石はいびつないしに登場するいびつな石を表しているのだと思います。
では、いびつな石は何を表しているのか。
むすはじでのいびつないしの歌詞の1部はこうです。

疾き河 その流れ ぶつかり削られ
いびつな石 一つとて おなじものはなし

雨打たれ 風吹かれ ずぶ濡れ転がり
いびつな石 一つとて おなじかたちなし

ここではそのいびつな石が非常に抽象的に描かれています。
このいびつないしの歌詞では、おなじ〜という部分が平仮名で表記してあります。
これは恐らくいくつかの意味で捉えられるように平仮名表記になっているのだと思います。
普通にそのまま歌詞を読み取ると、疾い河の流れにぶつかって削られたり、雨風に打たれて転がったいびつな石は、一つも同じものや形はない。
と言った意味になりますが、ここではそれ以外のいくつかの意味が込められています。
1つ目の歌詞で少し説明させていただきます。


疾き河 その流れ ぶつかり削られ
いびつな石 一つとて おなじもの(者)はなし(無し/亡し)

なしという言葉は現代では物に対する言葉として使われていて、人間には使われない言葉です。
ですが、昔は人に対しても使っていた言葉でした。
ここでは2つ例としてなしを上げてみました。
疾き河…は時代の流れを指していると考えると、一つとておなじものはなしというフレーズは、一人として同じ人間はいない(いなくなる)といった意味になるのだと思います。
このように、この部分の歌詞で表されているいびつな石は人、つまり彼らの元の主ではないかと考えます。


少し話がずれてしまいましたが、この刀剣乱舞の歌詞に出てくるいびつな石は恐らく彼らの元の主のことを表しています。

その為、この終わりゆく時代に残せ爪跡 いびつな石よという歌詞は、刀剣男士から元の主へのメッセージなのではと踏んでいます。


今のところ個人的な解釈が出来ているのはここまでです。
まさか音曲祭で歌詞を変えてくるとは思っていなかったので本当に驚きでした…

今日から膝丸に変わって村正の参戦ですね!
既にドキドキで胸が潰れそうです…
特に2部衣装のむらまさちゃんがとっても気になる!!!
残りもあと8公演。
無事に幕が降りますように!