やる気

 みんなは、やる気を出すとか奮起するとかの感情で頑張ったことはあっただろうか。私は、明確なものがあったとは言えない。
 だいたいが、恐怖とか不安、焦りからくるものであったと思う。なんとなくの気持ちで学生生活を送っていると、そういう気持ちは失せていき、頑張ってみようなんて思わなくなる。

 「やまぬ涙、やまぬ汗、やまぬ涙、あの子は口でバナナを剥いて」疾走と時間は流れるし、どこかで頑張っている友達と久しぶりに会うと、「身長伸びた」と毎回、聞いてしまう私がいる。なんだか、私よりも成長しているように見えてしまうのだ。
 
 なんでこんなに頑張れないのだろう。いっそいなくってしまえばどんなに楽だろう。と、言いつつも家事をやってみたり、動画をみたりすると時間は過ぎるし、バイトも行けば、少し気が楽になるし、親からの連絡はテキトーに返し焦燥感に駆られたりする。
 なんだかんだで生きるしかないのかと思いつつも、どこかのタイミングでパッといなくなれば楽だなと考える。
 こんなはずじゃなかったのに、たのに、たのに、と思ってもあまり後悔はない。ほとんど、大学受験で失敗したことで、諦観と言えばいいのか、ほんとにやる気が起きない。

 そう、今現在危機的状況であるにも関わらず、バイトのシフトをテキトーに組んで、マイナビを開いては閉じてを繰り返す。友人は、すでに内定を取っているのだそうだ。私は、ふるさとに戻らず、どこかの都で働くのかと呑気に考えていたのに、もう6月。まだまだ、受けれる会社はあるが、、、、今の今まで就職活動をやっていないから、このままやらないを通し、人生の歩みをもう一度ずっこけて、脳震盪でも起こしてそのまま昏倒としたい。

 私の甘えがふんだんに書かれた文章ではあるが、ホントにパッといなくなってしまった方が楽なのだと最近は本気で思うようになっている。

 大学4年間とは、引きこもらずに何か、行動しなきゃいけないのだろうが、まぁ3年間ほどコロナでバイト以外で外出しなかったし、田舎から出たのにあんまり変わらん風景の場所に部屋を借り、ゲコゲコと蛙の合掌を聞いて夏は過ぎるし、大学で友人は作らなかったし、ホントーに何もしてこなかったと思うと、別になんともしないのだが、ESを書くときにいちいち手が止まるし、結局書けずに提出日は過ぎる。

 ここで、私の青春と言えると感じたある出来事を書いてみよう。浪人時代、塾で世界史の講座を受けるため教室で先生を待っていた。だが、一向に先生は来ない、そんな中、前の席に座っていた女の子が「今日の講座はお休みだそうですよ。」と声をかけてくれた。
 ただ、それだけだったが、私にとっては、6年間男子校にいたが故に、女子との会話する期間がごっそりと抜け落ちていたため、その瞬間だけ何か沸き立つ気持ちがあった。気味の悪い男とは、私のことを言うのだろう。
 
 20年くらい無駄に生きてしまったが故の結果だろう。もう、頑張るとかの行動はもうしたくない。だいぶ、私は頑張ったと思う。親の金を使ってモラトリアム期間を設けて、結局ドブに捨てるようなことをしているのは私だ。
 内向きの気持ち、ネガティブな性格っていうのは変わらないし、明るくするっていうのは難しいものだと感じる。

 

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