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君たちはどう生きるか、受け取ることができた問い3つ

君たちはどう生きるか、を見てきた。

どう生きるかの問いを3つ、今の自分は受け取ることができたと思う。きっと年を取るたびに、そういう意味だったんだ、と気づくところが出るだろうけど、今時点の自分が受け取れたことを忘れてしまう前に、殴り書く。

※ネタバレしかしてないので、注意です。そしてめっちゃ長いです。

受け取った、どう生きるかという問い3つ

  1. 誰しもが生きているだけで、誰かの生きる理由になっている。それを受け止めているか?

  2. 人々の繋がりの中で自分は生きている。繋がりに感謝しながら、驕らず生きているか?

  3. 産み出すことが大事。消費するばかりではなく、生産できているか?


問い1:誰しもが生きているだけで、誰かの生きる理由になっている。それを受け止めているか?


夏子さんは、まじで、死にたかったんだろうなー。

自分や家を存続させるために、人を殺す兵器を作っている男(しかもめっちゃ俗っぽい)を誘惑して利用して子供作った?家の唯一の主人として、資本のある男を家に繋ぎ止めないといけなかったんじゃないか。そうするしか、なかったんじゃないか。

なのに使用人たちは、自分のことをいつまで経っても奥様じゃなくてお嬢様としか呼ばないし。男からはただ女として要求されるばっかりだし。つわりこんな辛かったとかまじで聞いてないし。

やってきた少年は可愛げがないけど、それは自分の業による被害の賜物と理解してて。大好きな姉の子供で、被害者で、大切にしたいと思ってはいるけど、やっぱり憎らしい。しかも自分の悪意が多分に含まれた子作りのせいで、慣れない環境に引越しをさせて、手術が必要な大きな傷さえも負わせてしまう。
部屋に呼んで傷をみたときの涙は、そのぐちゃぐちゃな気持ちゆえかなぁ。

なにやってんだろ、もうこのあたりで死ぬかぁ、と思うには十分な理由が揃っている。

でも、夏子は、知らずに2人の人間の生きる理由になっている。
男(まひと父)は、目を異常にキラキラとさせながら夏子が寝込んでいると言う。自分の庇護下にいる夏子が弱っているときこそ、自分が支えていくのだと強く生きる理由を感じているようにも思える(キラキラが強烈すぎて、青髭的な怖ささえ感じた)  。自分が武器を作っているのは家族を生かすためでもあり、何も悪いことではないと思う。

まひとも、誰かに愛されたくて思い、それを夏子に求める。(まひとは夏子に欲情してるのでは、みたいな解釈をどこかで読んだが、そんな簡単なものではなく複雑に絡んだ愛されたいって感情な気がする)  

夏子は産屋でそれに気付くことができて、受け入れられたからこそ、最後こちらに戻ってくる選択ができたんではないかなぁ。

もう死ぬかぁと思う状況だったとしても、周りを受け入れる自分でいれば実は自分が他の人の生きる理由になってたりする。ただ存在しているだけで、意味があるんだよ、それを自覚せよ、とみている私は問われてる気がしてる。

問い2:人々の繋がりの中で自分は生きている。繋がりに感謝しながら、驕らず生きているか?

前半、あんなにうごうごとして気持ち悪いかんじだったおばあちゃんたちが、実は自分を守ってくれていることに気づく。
低俗で品位にかけるようにみえる父も、実は心から家族のことを思っていて、刀やチョコレートなんかをたくさん持って、まひとを助けにこようともしてくれる。
青鷺も、なんだかんだで自分を助けながら旅をしている。
ふわふわを食べていたペリカンも、一見敵に見えるけど、背景があってそこに生きていて、死んだそれを土に埋めてやる。

生きるために色々な人が関わっていて、縦や横の糸で繋がっていて、全ての人たちで世界は成り立っている。
そのことをちゃんと理解して、驕らず、感謝して、生きていくことができているか?これが2つ目の問いと思う。

問い3:産み出すことが大事。消費するばかりではなく、生産できているか?

消費するだけで、何かを生み出すことができていない人は、色もない影のような人間でしかない。生み出すことこそに、価値がある。

大きな魚をとった時、周りに集まってきた人はただの消費者だった。
「死の島」はアニメスタジオなのか?そこで何かしらを生み出した人たちは、色が付く。
インコでさえも、カラフルな色で、活発に働いて何かしらを生み出している。インコは活力主義のアニメを作るキッチュな人たちみたいに嫌味ったらしく書かれている気がしたけど、それでも、影ではない。

これはアニメーションの世界や、表現者と呼ばれる人たちの世界に限った話ではなく、世界の真理なんだろうなぁと思ったりする。
しかもその幻想ばかりで造られた世界からは出て、悪意に満ちている現実で、生きていく。
自分が消費するだけではなく、現実世界で何かを生み出せているか?これが三つ目に受け取れた問いだと思う。

その他

映画が終わって、地球儀も終わったあと、あぁもう宮崎駿は死んじゃうんだなぁと、なんとなく思った。
まだまだわからないことがたくさんあったけれど、それがこれから生きていく中で、死んでいく人たちに追いつけたらいいなぁと思うと、妙に自分が歳をとるのが楽しみな気持ちもする。
これからまた何度も見返していく中で、もっとたくさん問いを受け取っていけたらいいな。

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