妄想プロ野球日記〜その02.ロペスから何かもらった話〜
(今日の登場人物)
あ、どうも阪神タイガース新人の金城です。開幕どうなりますかね〜?この前、練習試合後のミーティングルームでみんなが見れる用のテレビがあるんですけど、4月20日くらいの開幕になりそうみたいなニュースが流れた時に福留さんがめちゃくちゃ大きな舌打ちしてたんで、これは待っているファンのためにも、早めに調整しすぎた福留さんのためにも早く開幕してほしい限りです。
さて今日はDeNAとのオープン戦に出てヒットを打った時に「ファーストのロペスから何かもらった話」をしたいと思います。
3月上旬
なんとか1軍に帯同できて横浜スタジアムでのオープン戦。拳太郎さんと神里さんに挨拶して、嶺井くんをテキトーにあしらった後、試合は始まった。
矢野監督から「ええか?金城、今日は頭から5回までや。お前へのミッションは状態上がってきたクリーンアップ抑えることや。ええな!?必死のパッチで行くんやで!!!!!」と劇場版カイジに出てた山本太郎くらいコテコテな関西弁で僕を鼓舞してくれた。
マウンドに行くと先発の秋山さんに「おい小僧、あんま緊張すんなよ」と言われ「あ、年下のこと小僧って言うタイプなんだ。棟梁みたいだな」と思ったり「確かに阪神の黒いヘルメットより、大工の白いヘルメットの方が似合いそうだな」とか「てか意外と白目多いな」とか序盤は頭がそれでいっぱいだったので、配球が少し単調になってしまった。これがプロの洗礼というやつか…。
そして3回ウラ。トップバッターだった。濱口さんの逆球で入ってきたインコースの甘いストレートを引っ張ってレフト前に弾き返した。すると「やったで金城!!こっちや!!こっち!!」と矢野監督が叫んでたので、何だろうと見ると物凄い笑顔で、お馴染みのギャグ「矢野ガッツ」をしていた。ヒット1本くらいであんな無邪気にガッツポーズしてくるその姿はまさに、かけっこで1位になった時の親父にそっくりだった。今年は絶対に矢野監督を男にしたい。
と、その時だった。
「イイデスネー、ナイスデスネー」
と全裸監督風に言ったのはDeNAのファーストを守っていたロペスだった。ちょうど今ハマってるらしい。ちなみに全裸監督は「エロい気持ちで見てる」と言ってた。せっかく話しかけてくれたので気を利かせて「僕の初ヒットお待たせしました。いやお待たせしすぎたのかもしれません」と返したら、めちゃくちゃ無視された。
そして急に、
ロペス「ハイコレアゲル、ナイスデスネー」
と右のケツポケットからクシャクシャにされたティッシュ?のようなものを渡してきた。
金城「え?あ、あざます」
戸惑う僕を待ってくれるわけもなくプレイがコールされたので、スライディングの邪魔にならないように右前のポケットにそのティッシュを入れた。
それが何かを確認する暇もなく5回表の守備が終わりベンチに下がったので、同じタイミングで下がった近本さんに聞いてみた。
金城「近本さん…あの…さっきなんすけど、ヒット打って一塁いた時にロペスから何か変なのもらったんすけど、なんだと思います?コレ」
近本「あ、もらったん?笑 開けてみ?」
金城「え、知ってるんすか?なんすかコレ?めっちゃ怖いんすけど」
近本「良いから開けてみ。笑」
金城「えぇーーー。」
クシャクシャのティッシュはプレー中の汗と激しい動きで固くなっていて、開けるとポロポロと崩れた。そしてついに中身が姿を現した。
金城「ん?何これ?・・・あ、飴?」
透明のフィルムに、少し白みがかった金色の飴玉のようなものが入っていた。
近本「それな。黄金糖やねん。笑」
金城「は?黄金糖?」
近本「黄金糖。笑」
金城「いやいや、全っ然意味わかんないっす!笑 なんで初対面に黄金糖渡すんすか!笑」
近本「俺も去年もらってんけど、聞いたら初対面には全員あげてるらしいで」
金城「マジっすか?!え、大阪のおばちゃんが飴ちゃんあげるみたいな感覚っすかね?」
近本「そうちゃう?いつも持ってるっぽいな。ボールボーイにも渡したりしてるから」
金城「えぇー!松野明美みたいっすね!知らんけど。・・・てかずっとケツポケットに入れてるから溶けてフィルムにねっとり付いてるじゃないすか〜」
近本「まだ3月だからええやん。真夏にもらう奴もおるねんで?最悪やろ?」
金城「そっか確かに。まだ良い方か。良かった〜。」
もう感覚が狂っていた。そして近本さんは続けて、
近本「元巨人の古城さんがファーストミットをロペスにあげた時に、ロペスがお返しのつもりなのかお歳暮で黄金糖10箱くらい贈ったらしいで。笑」
金城「いやロペスめちゃくちゃ恩を仇で返すじゃないすか。笑」
近本「古城さん近所の幼稚園とかに全部寄付したらしいけど、それ以来あんまり口聞いてないらしいわ笑」
金城「そりゃそうですよね〜笑 てかなんで黄金糖なんすかね?」
近本「日本に来て1番衝撃だった食べ物らしいな笑」
金城「いやいやいやい!ただの砂糖の塊ですけど!笑」
近本「中トロと同じくらい好きらしいで笑」
金城「何と比べてんだよ!笑」
近本「『中トロト、ドッコイドッコイデスネー』言うてたわ笑」
金城「いや、なんすかそれ!笑」
そう近本さんと盛り上がってたら、後ろのベンチに座ってた福留さんに
「おい小僧。代わった後も配球見るのがキャッチャーの仕事だろうよ。おん?ヒット1本くらいで調子乗っちゃあいけねえよ。」
と言われたので「噺家さんみたいな喋り方だな」と思ったと同時に「あ、秋山さんって福留一門のお弟子さんだったんだ」と思った。そして今にも「俺がぁ、お前さんみたいな前座の時分にやあ、、、」とか言い出しそうな雰囲気が漂ってて、配球のことなんか全然入って来なかった。
そしてその時クールダウンを終えた秋山さんがやってきて、福留さんに「師匠、本日も勉強させて頂きました」と丁寧に挨拶してたのを見て、秋山さんが福留一門のお弟子さんであることは確定した。今後も隠れ福留一門を探していきたいと思う。
あ、それと2打席目にファーボールで塁に出た時ロペスに「それカッコいいグラブっすね」と言ったら「Hey!Yo!古キ良キ古城ノグラブ、コイツノオカゲデゴールデングラブ、オイラハモチロン天下ヲ狙ウ!」ってめちゃくちゃラップしてきた。「ドウデスカネー?ナイスデスカネー?」って聞かれたので、めちゃくちゃ無視してやった。
〜その02.ロペスから何かもらった話〜終わり
※これらは全て妄想です
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