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なぜ彼の「そで」は臭いのか?

〜そでぐち生誕秘話〜

大学の後輩で「そで口臭し(そでぐちくさし)」というあだ名が付いた男がいた。
当然、彼にはちゃんとした名前があるわけだが、ひょんなこと(神谷が元凶)から、そのあだ名が付いてしまったのだ。
反省の気持ちも込めて、「そでぐち」生誕の物語(=悲劇)を綴りたいと思う。

彼とは学年が3つ異なるので、彼が1年生の時、神谷は4年生だった。
きっかけは、サークル合宿の時。
最終日は懇親会ということで、みんなでお菓子やお酒をつまみながらワイワイ話していた。

いわゆる「オール」で夜な夜な楽しんでいたのだが、合宿の疲れもあり、体力の限界が訪れたメンバーから自分の宿泊室に戻っていった。

神谷と多少付き合いのある人ならわかると思うが、こういう時の神谷は・・・強い!!
全然寝ないのだ!むしろずっと喋っている!!きっとアドレナリンがドバドバに分泌されているのだと思う。
ほとんど記憶はないが、適当にトークを回していた気がする。

神谷はずっと喋っていたが、途中、眠くなった彼は自室に戻った。
その際、着ていたジャンパーを置いたまま自室に戻っていたことが「運の尽き」だった。
ジャンパーさえ持って帰っていれば、彼は「そでぐち」にはならず、別の道を歩んでいたに違いない。

何かというと、彼が宿泊室に戻った後、神谷が近くに置いてあった芋焼酎「黒霧島」をこぼしてしまい、彼のジャンパーのそで部分が黒霧島でびしょびしょになったのだ。
その時は「大変だ」と思ってすぐ拭いたのだが、それで匂いが取れるわけがない。

神谷:「そで、めっちゃ黒霧島の匂いするやん!くさっ!!!そでくさっ笑笑」

こぼした瞬間は申し訳ない気持ちだったが、「そでだけ臭いジャンパー」という未知との遭遇によって、「笑い」が勝ってしまったのだ。

笑いが止まらなくなった神谷はもう誰にも止められない!
翌朝、彼と早速こんなやりとりをした。

神谷:「昨夜はお疲れさん!ジャンパー忘れてたよ」
そで:「あ、昨日忘れてたんです!ありがとうございます!」
神谷:「気にしなくていいよ。・・・あれ、なんか臭くない?」
そで:「えぇ、そうすかね、、、」
神谷:「くさっ!袖くさっ!!そでめっちゃ酒臭いやん!」
そで:「本当だっ!くさっ!誰かこぼしたんですか?」
神谷:「知らんwwwくさっ!!そでぐちくさしやんwww」
そで:「なんなんすか、もう。ジャンパーこれしか持ってないんですよ〜」

改めて振り返ると、本当にヒドい先輩だ、、、でも思い出すと笑ってしまうwww
すまん!!申し訳ない気持ちもあるけど、笑いが勝ってしまったんや!
これ以来、同級生や他の先輩からも「そでぐち」と言われるようになってしまった。

時は流れて5年後。
先日、別の後輩の結婚披露宴で、そでぐちと再会した。
そでぐちは元気そうにしていた。そして、神谷にこう言った。

「俺、もうそで臭くないですよ」

神谷は「それくらい知ってるよ!」と心の中でツッコミながら、笑いそうになるのをグッとこらえていた。

5年ぶりに会ったそでぐちは垢抜けて、カッコよくなっていた。
そでぐち、今まで本当に申し訳なかった。
そでぐち、こんな先輩だけどこれからもよろしくな!
そでぐち、君みたいな後輩を得られて神谷は幸せだよ!ありがとう!

反省と感謝を込めて 〜Forever そでぐち〜

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