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スターアジアの乱2

2019年、スターアジアがさくら投資法人に仕掛けた敵対的買収の僅差かつ劇的な勝利は、REITウォッチャーに鮮明に記憶されていますが、この度、いちごオフィスに対して株主提案をしてきました。

いちごオフィスはリーマン前に上場したジョイントリートが前身で、親会社のジョイントコーポレーションが破綻したのを機にいちごにスポンサーチェンジされたものです。2023年3月末時点のAUMは2,100億円で38位の規模です。ちなみにスターアジアは約1,950億円で41位。

いちごは🍓ではなく一期一会が語源ですが、不動産AMの他、企業投資もやっている上場企業で、スコット・キャロンさんがリーダーシップを取っています。いちごの上場AMは、ホテルリート(AUM約550億円)、インフラファンド(AUM約115億円)がありますが、オフィスリートは一番規模が大きく、AMビジネスの虎の子とも言える存在です。インフラファンド市場はNo Futureな感じが漂っており、他銘柄の非上場化が続いています。

スターアジアの主張はこちらにまとめて開示されています。http://starasiamanagement.com/

Youtubeまでやっていたとは知りませんでした。この開示にかける姿勢は素直に見習わねばいけないですね。

J-REIT業界では一部を成果報酬にする取り組みはありましたが、概ね抜本的ではなかったので、一つの論点になると思います。マイナー株主の立場で、自社の杉原氏を送り込む議案は反発もありそうですが。

この発表後、いちごは同REITを約1%買い増しして26.88%の持分比率になりました(素朴な疑問ですが、スポンサーがこのREITに物件を売った時に売上計上できるんですかね?)。

そもそも、本提案の真の狙いは何でしょうか?スターアジア側は、買収目的ではないと言っていますが、本件の対価がガバナンス改善による保有投資口のキャピタルゲインだけだったら、労力の割にはそんなに儲からないですよね。

オフィス市場の先行きは不透明、かつ現スポンサーの持分比率も高いですが、スターアジアの言い分が通るのかどうかは見ものです。


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