ありがとう

今日から4月。

今までの4月とは随分違ってあたりまえなことがあたりまえじゃ無くなっていく。

春は出会いと別れの季節というようにわたしにも別れがあった。

大好きな先生が他校に行ってしまった。

ありきたりな表現しかできないけど心に穴があいたみたいな感じがする。

あの先生に初めてあったのは多分入試のとき。でも、その時の先生の記憶はない。だって緊張してたから。しかも、面接の先生でもなかったし試験監督の先生でもなかった。どっちもまだちゃんと覚えている。

はじめて先生のことを認識したのは入学者説明会の時。学校のことを説明していて「多分私たちの学年の先生になるんだろうな〜」とぼんやり思っていた。

入学してわたしの予想は当たって先生の担当は私たちの学年だった。最初は鬼ばばあだと思っていた。顔怖いし、想像していた “先生”ではなかった。

こんな感じで最初は先生のこと鬼ばばあだと思っていたけどその印象がガラッと変わったのは9月のテストの時だった。

わたしは優秀な生徒ではなくて先生の担当の教科は一番と言っていいくらいできなかった。「まるこのままでいいのか?」って何回も言われた。でも何をどうすればいいのかもわからなくていつも無言だった。

ある時先生に呼び出された。またこのままでいいのかって聞かれるのかな、親に電話されるのかなと思った。呼び出された場所に行くと先生がいた。胃に穴が空くかと思った。私が入ってきたことに気づいた先生は「まる、このままでいいのかって何回も聞いてきたけど、もしかしてこのままじゃダメって分かってるけどどうすればいいかわからなかった?」って聞かれた。大好きなままにも言えなかったし言ったとしてもわかってもらえないと思っていたことがこの鬼ばばあに伝わっていたのかと思ってびっくりした。先生は今の私の状況を教えてくれて勉強の習慣をつけることの大切さとか勉強したら世界が広がって見えた話とかをしてくれた。

わたしはその日から先生のことを尊敬しはじめた。本当に鬼ばばあだと思って憎くて泣いた日もあったけどこんなに人のことを見てくれていたんだと思った。

先生に教えてもらったんだから頑張らないとという思いとみんなに遅れをとっているんだから頑張らないとという思いで毎日人の二倍やった。

辛かった。苦しかった。でも毎日課題を出すたびにノートに書いてある先生の一言で頑張れたし成績も伸びた。嬉しかった。

先生への最後の提出物の1つにここまで育ててくれてありがとうって書いたら、「私は努力の方向を示しただけだよ。こんなに成長したのはまるがここまで頑張ったからだよ。来年からも応援しています!」って書いてあって本当に嬉しかった。もう1つの提出物はまだ返ってきていないから次に学校に行けた時に返ってくるはず。

本当に先生ありがとう。

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