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卒園式

お昼ご飯を買いに学校の近くのコンビニに行った。いつもよりなんだか賑やかだなって思ったら近くの保育園で卒園式をやっていた。それをみたら自分が卒園式の時のことを思い出した。もう何年も前のことだけどよく覚えていると思った。

わたしが卒園する時、もう父親は遠くにいてわたしの卒園式にはまましかいなかった。「まるちゃんのぱぱは?」同じクラスの子に聞かれた。今思えば風邪引いちゃったからお家で寝てるとか適当なこと言っておけばよかったと思うけどまだ純粋だったわたしはぱぱはストーカー規制法で接近禁止令が出ているからわたしとままに近づけないってことに引け目を感じて(今もだけど)泣いてしまった。お話の中ならここで男の子が助けてくれて恋に落ちたり、ヒーローが出て来るはずなんだけどわたしの場合は誰も助けてくれる人はいなかった。

先生たちは式の準備でバタバタしているしままは保護者席に座っていた。先生たちは忙しくなくても卒園だし泣いてるのかなって思われそうだし。さすがに泣いたまま入場するのは小さいプライドが許さなかったのでとりあえず泣き止んだ。わたしに質問してきた子はもう列に並んでにっこにこだった。

式が終わってままと家に帰った時に「入場の時泣いてたけどどうしたの?卒園寂しかった?」と聞かれた。気づいてくれた人がいて本当に嬉しかった。わたしはぱぱについて聞かれたけどどうやって答えればいいのかわからなかったことを説明した。ままは悩んでいたけど「こんどからまるのぱぱはどこにいるの?って聞かれたら出張で遠くにいるのって言いな」って言われた。

それから2年半後くらいにはままは再婚するからあんまりこの言い訳をする機会はなかったけど。

そんなことを考えていたらコンビニについた。適当におにぎりとサラダを買って学校で食べた。わたしはあまり食にこだわりはないけどカルシウムはとりたくないと思ってる。わたしの数少ないぱぱの記憶は大きいことだから少しでも近づきたくなくて。こうゆうこと考えてる時点でまだ縛られてるなって思うけどもう脊髄反射でカルシウムは嫌いだからもう仕方ない。

お金を貯めたらギターを買う