凱旋門賞
ロンシャン競馬場(欧州の競馬場)特徴
ロンシャン競馬場はスケールの大きい京都競馬場と言った
イメージを持っていただけるとわかりやすいかもしれません。
10メートル上った後に平坦が続くのですが、平坦だからと
言って楽ではなく、10メートル登り降りをしてから。平坦で
一気に加速(※瞬間的瞬発力)するので平坦(フォルスストレート)
だからと言って楽ではありません。
また欧州の競馬はオリンピックの自転車レースやアイススケート
競技のように隊列を組んで進み、風よけをしながら負荷のかかる
馬場を脚を溜めながら進む、そのような競馬をします。その為、
まずスタミナが非常にいることはもちろん、パワーも必要になるし、
隊列から一瞬で抜け出す瞬間的瞬発力も必要になります。それに加え
凱旋門賞は平坦で直線が長いので持続力も必要となり、総合力が
問われるレースと言えます。
ちなみに凱旋門賞は日本調教馬はもちろん、アメリカ調教馬も
今まで勝ったことはありません。
※瞬間的瞬発力=その馬の最高速度に到達するまでの時間が短い
馬場について
日本の馬場と欧州の馬場の違いは、芝の種類もありますが、一番
影響があるのは路盤です。日本は芝の下は山砂などの砂(東京競馬場
の競馬博物館などで見られる)で、欧州の競馬場の路盤は粘土質の路盤
です。
砂の路盤の場合は、地面を蹴り上げた時の反発力が高く、クッション
性がある。
粘土質の路盤の場合は、地面を蹴り上げた時に吸収して、低反発の
マットに玉子を落とした感じで、あまり反発しない性質がある。
その為、粘土質の路盤の場合は力が必要だし、自分で推進力を作って
いかないといけない。その為、騎手は馬を上から下に押し付けるように
騎乗し、反発力を増す騎乗をします。これがいわゆる欧州乗りと言われる
ものです。
日本の騎手は現在各々様々な騎乗スタイルを持っていますが、日本の
騎手で欧州乗りをするのは横山武史騎手、西村淳也騎手、佐々木大輔騎手
です。欧州の騎手が来日した際動画などを見るとわかりやすいと思います。特にハービンジャー産駒は顕著に欧州馬の特性が出やすいので、ハービン
ジャー産駒にルメートル騎手などが乗った動画などは比較的わかりやすい
かと思います。
出走馬の評価
⑬ソジー(Allrgrettaあり) 評価◎
父シーザスターズ、母母父モンズンと言う血統で、ドイツのスタミナと
パワー、それにスピードと瞬発力を持ち合わせている配合。血統だけ言うならまさに凱旋門賞にぴったりと言えます。
また母父シャマーダルは馬場は悪かったですが、Allrgretta持たないで2着に入ったタルナワと同じです。また平坦得意で凱旋門賞でも馬券内に活躍馬がいるジャイアンツコーズウェイも母父父に入っていて、本当に全部盛り
です。
⑦ブルーストッキング(Allrgrettaなし) 評価〇
主要な要素は持っていないが、この馬は強烈なリボーのクロス(ナカヤマ
フェスタ=ラムタラ並みに濃いヒズマジェスティのクロス)持っています。
今年はAllrgrettaの要素を持つ強い馬が少ないので、強烈なリボーのクロスで何とかなる可能性が高いと思います。
力自体もキングジョージ、ゴリアットの2着で証明されています。
※追加登録料支払い出走
⑭ロスアンゼルス(Allrgrettaあり) 評価▲
母母母母Allrgrettaと言う牝系に直にAllrgrettaが入っている血統。牝系に
直に入っていたりクロスしたりすると影響力がより大きくなります。ただ
母母母のAllez Les Troisはスピードに出る馬が多く(昨年のエースインパクトがとんでもないタイムで仏ダービーを勝った)見られます。
モンジュー、母父トップビル(日本ではワンカラットの母父父や妹桜花賞のジュエラーの母父父)もよりスピード要素を強めています。さらにデインヒル
のクロスにベルセポリスⅡが入っており、ベルセポリスⅡ(グレイソヴリン)は母方に入るとよりスピード要素を強めています。
ただキングマンボクロスが微妙ではあり、かつスピード要素に振っている
感が強いので、スタミナ勝負になると若干不安があるが、それを差し引いても余りあるAllrgretta直があります。
⑩シンエンペラー(Allrgrettaあり) 評価▲
いわずと知れたソットサスの全兄弟ですが、ソットサスは仏ダービーを
かなり速い時計(昨年のエースインパクトに更新されるまでのレコード)で
勝ったスピードが強い馬です。
特に父母母父のコンキスタドールシエロ(アメリカの超速い、素軽い血=
日本だとワグネリアンが勝った一番軽い馬場だったダービーの3着馬、
コズミックフォース母母父など)がスピードをかなり与えており、シンエンペラーが日本でも走れている要因だと考えられます。
また母方にミスワキのクロスが入っており、ミスプロ、バックパサー
(アーモンドアイの母方・ヨカヨカの直系)によってスピードと持続力に
長けている要素が入っております。
また、母母父のグリーンチューン(フィエールマンの母父で、春の天皇賞を勝てるスピードをグリーンチューン、スタミナをラインゴールドから得ている)もスピード要素がさらに入っております。
また欧州調教(瞬間的瞬発力育成重視)ではなく、日本調教(ウッドなどで
クッション馬場に合った走り=持続力)されており、ホープフルSの時の動画を見ていただけるとわかりやすいですが、直線の坂で脚が鈍り、後日これを関係者は「ソラを使った」とコメントしましたが、日本ダービーの際も直線の坂で反応が鈍りダノンデザイルに遅れたこと、前走のアイリッシュチャンピオンでも坂で反応が鈍り、登り切ったところから加速していったので、
やはり坂は苦手ではありますし、また日本調教でより持続力に特化したため持続力にはかなり長けていますが、瞬間的瞬発力にも不安があり、坂を
下った後のフォルスストレートにおける加速争いで後れをとってしまう懸念は拭えません。
ただソットサスは適正面から言うと、馬場が悪くかつ今年以上に史上最低レベルの凱旋門賞だったから勝ったと思っておりますし、凱旋門賞の血統要素は少ないのですが、今年のような低レベルのメンバーでかつ長い直線を
この馬の長けた持続力を活かせば、一旦遅れるかもしれないが、十分チャンスがあってもと思ってます。
また斤量に影響を受けやすい米国血統なのでこの斤量で出走できることは
プラスと言えます。
今回は長めの滞在でかつ芝で欧州調教したので柔らかさが出でいる可能性が高いのも好材料(ディープボンドが欧州芝調教して柔らかくなり帰ってきた有馬記念で2着。その後は戻ってしまったが)です。ウッドで調教をやりがち(ドゥレッツァ=ウッド+坂路)なのですが、芝でやらないと意味がなく、日本調教馬には柔らかさが出ると言うメリットが生じます。ちなみに柔らかく
なると反応が良くなると言うメリットがあります。
※イメージ的にはエイシンプレストン(京都の軽い馬場適正高)
③ファンタスティックムーン(Allrgrettaあり) 評価△+
父シーザスターズ、父母父モンズン、父母母母Allrgretta、それに
加えて母母父母父にズルムーと言うかなり適正要素の高い血統構成に
なっております。
母父父のモンジューや母父母父のケンマールなどのスピード要素の
強い血統も入っており、若干スタミナ面では不安はありますが、一応
シカンブルも入っておりますし、おもしろい存在になるかと思います。
良馬場ならさらにプラスで、今年のメンバーなら一発あっても良いと
思います。
昨年より斤量が重くなる面はマイナスとなります。
⑤セヴェンナズナイト(Allrgrettaあり) 評価△+
母父ガリレオ、母父母母Allrgrettaがあり、さらにサドラーズウェルズの
3✕3の濃いクロスを持っている馬で、適正もありますし、一発の魅力が
ある馬です。ただマンハッタンカフェ(サトルチェンジ)と同ライン牝系を
持っていて、マンハッタンカフェが惨敗だった点は気になります。
※ 欧州・米国は強いクロス(濃い)の馬が大舞台で一発がある
⑥コンテニュアス(Allrgrettaあり) 評価△-
母父ガリレオ、母父母母Allrgrettaの血統で、母母母母父にもアレッジドが
入っていて、リボーの要素も入っています。
ハーツクライの仔は年齢を重ねるごとにトニービンとリファールの要素が
強くなり、昨年より適性が上がってきている可能性は高いと思います。欲を言えばもう1年後の方がですが、印は回さなくてはいけないかと思います。
不安な点はリボーが薄い点と、適正的に言えばロンシャン競馬場よりも
アスコット競馬場の方が合っていると言うことです。
⑫デリウス(Allrgrettaあり) 評価△-
フランケル自体は距離が短かかったが、血統的には母方レインボークエストにはモスボローと言うスピード、スタミナ両方引き継ぐ血統を持っいて、(キズナ=凱旋門賞4着・ナリタブライアン・ビワハヤヒデの母方=スタミナ要素)スタミナには定評があります。後はソジーとデリウスの間やソジーの前に何頭馬がいるか、席が空くかがポイントだと思います。
⑯アヴァンチュール(Allrgrettaあり) 評価△+
父シーザスターズ、母母母Allrgrettaで適正面は良いと思います。
また母方はバラード牝系でスピード要素は問題なく、母父シングスピール
(ローエングリン・アサクサデンエン)からもスピード要素が強い傾向にあります。
インザウイングスはトルカータータッソの直系で重たいサドラーズウェルズですが、バラード牝系はそれを日本のスピード競馬に対応させるくらいの
スピード能力をのせてくる血統になっています。
この馬もレインボークエストを持っていて、さらに5代母がモスボロー直子かつクロスと言う血統でかなりの影響力あるところにあり、バラードの
スピード要素を補ってあまりあるパワーとスタミナを持っています。
悪い馬場になると力を発揮できないので、当日悪い馬場にならなければ
魅力のある1頭だと思います。
凱旋門賞馬、デインドリーム(デインドリームもモスボローが効いていると言える)と同牝系と言う点も後押しになります。
④アルリファー(Allrgrettaあり) 評価消
父ムートンバセットの仔で、欧州スピード要素にかなり特化している血統で、凱旋門賞には正直軽すぎる血統だと思います。
ラストタイクーン(キングカメハメハ・ラストタイクーン)も入っており、
やはりスピード、素軽さをさらに強化している。
また武豊騎手は騎乗フォーム自体はアメリカンスタイル(前に押し込む)
なので、その点も欧州調教馬に合うか疑問が残ります。
①ザラケム(Allrgrettaかなり薄い) 評価消
ドバウィにゴーンウエストの血統で今のロンシャンの馬場合わず、かつ
スタミナに不安が大きくあるので今回は厳しいと思います。
②アヤザーク(Allrgrettaなし) 評価消
ザラケムにさらにゴーンウエストが増えて、さらにリモータルが入っていて適正面ではかなり厳しい。ただ、この馬はバステッド(ディープインパクト・エースインパクトのスタミナ面を支える)が入っているので、スタミナ面では評価が出来ます。
⑧マルキーズドセヴィニエ(Allrgrettaなし) 評価消
シンエンペラー同様シユニ(コンキスタドールシエロ)にカーリアンと言う
スピード特化型の血統で、ドーヴィルは仏の中でもスピードよりの競馬場。
シカンブルは母母母母父に入っているが、この条件をこなすにはシカン
ブル頼りになってしまっていると思います。
また、反応面で不安がある為に、坂を下った後のフォルスストレートで
おいていかれる可能性が高いと思います。
昨年のようなかなり悪い馬場なら買っても良いかなと思います。
⑨ルックデヴェガ(Allrgrettaなし) 評価消
血統的に言えば、昨年覇者のエースインパクトのスタミナ要素がかなり
薄い感じと言えます。
High Chaparral、グリーンデザート、アホヌーラとスプリンターズSでも
目にするようなスピード要素満点の血脈を持っています。
血統適正面からはロンシャン競馬場は合っていないと言えます。
⑪サンウェイ(Allrgrettaあり) 評価消
ボールドルーラーでかなりアメリカのスピード要素が強く、さらにラジャババのクロスをしており、かつ母がケンマールでグレイソヴリンのクロスを
しており、スピード要素がかなり強く見受けられます。
距離的にも中距離までで、この条件では厳しいかと思います。
またキングジョージも3着馬とは差があり、実績的にも評価は下げざるを得ないかと思います。
その他
今年はキングジョージを勝ったゴリアットが騙馬と言うことで凱旋門賞に
出走できず、レベル感はかなり低いと言えます。その為、適正は劣りますが、オーギュストロダンも急遽一旦出走を検討したくらいです。
ちなみにキングジョージは1、3着が騙馬と言う結果でした。
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