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西加奈子さんのサムのこと 猿に会うの話

タイトルでは短編2作品になっていますが、実際は短編3作品が収録されています。

3作品を読んでの共通の感想は、西さんは会話の中に微妙な気持ちの揺れとか心情を書くのがうまいなあと。

サムのことは、劇的な死を遂げたサムのお通夜での話。何人か登場人物が出てくるんだけど、互いにその人のパーソナリティに突っ込まずに仲良くやってきていて、それってそれを聞いたら関係性が崩れるとか何よりも面倒だから聞かずに過ごしてきてるんです。僕も日常的にこれを聞いたら面倒な事になるなとか思っちゃうたちだから、凄い分かるわぁと思いながら読んでいた。それがサムの思い出話を語っている内に登場人物の心境が変化していって…後は読んで欲しいんですけど、ここら辺の書き方が上手いなと思うわけです。あと、死を題材にする話は何回読んでも考えさせられるというか再認識させていいですね。こんなん何回読んでも良いですからね。

猿に会うは、学生時代からの友達同士である3人組の話なんだけど、年齢が25歳、数え年では26歳か。3人とも定職にはつかずにアルバイトしていて、3人でいるから環境の変化ってあんまないんだけれど、それでも少しずつ変わっていく事ってあって。けど、3人の関係性って変わらないんですね。そういうのって歳を重ねれば重ねる程無くなってしまっている自分にとっては素敵やんと思ってしまった。あと、作中で日光に行ってるんですけど、単純に旅行行きたい!となった。いつもとは違う風景、環境に行くと良い刺激がもらえそうで。早く色々と落ち着いて普通の日常になれば良いな。

サムのこと 猿に会う (小学館文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/4094067558/ref=cm_sw_r_cp_api_i_WVvIEbHZQN2FM

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