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あるがままに。。。

プクプクプクプク。。。
コポコポコポ。。。
泡の粒が登っていく。
海の中って意外とにぎやかなのよ。
私は、泡粒の音を聴きながら、のんびり漂ってるのが
お気に入り💗
ちょっと上の様子も覗いてこようかな~。

ちゃぷん。
あぁ、太陽が、私の肌をジリジリしてくる…波が眩しい…そんなことも気持ちいい。
青い空!白い雲!ヤシの木!
もう、典型的な南の島よね。

実は、私、迷子なの。
満月の夜にね、トビウオさん達に出会ったの。
シュッとしたスリムな体に、透明な羽のようなヒレ。
憧れるわ。
波の上を飛ぶたびに、雫がキラキラと月のあかりに煌めいて宝石のようなの。
ずーっと見ていたい…
ってついて行っちゃったんだけど、とてもとても追いつけなくて、気づいたらココにいたって訳。
偶然たどり着いたんだけど、この入り江は、とっても居心地いいのよね。

島の子どもたちがね、私のこと見つけると、
「キレイ~」「遊ぼ〜」
って言ってくれるの。
今まで、そんなこと言われたことなくて。
私の体、色が派手すぎるから、
大きな魚に見つかるから、そばに来るな!って
言われるし、
みんなと一緒に、同じ方向に、同じスピードで泳ぐのも上手くできなくて、
いつもひとりぼっちだったんだ。

ここは、安心、安全な場所。
もうしばらく、ここにいよう。

私ね、やってみたいことがあるの。
トビウオさんのように満月の夜に跳びたい❣️
でも、私らしくね。
トビウオさんのマネじゃなくて。
私にしかできない跳び方。
それができたら、入り江の外にも行けそう。
このままの私で、泳いでいこう。
      
                                               おしまい。
 

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