見出し画像

私は料理が嫌いだ・・・けれど。

私は料理が嫌いだ。

料理ができないから嫌いなのではない。
一応、一通りのものは作ることができる。
でも、嫌いなのである。

コンビニ弁当を買うのにも、スーパーの惣菜に
頼りまくることにも、なんらの罪悪感もない。
むしろその方が、気楽に食べることができたりもする。
手作りのもの(自分で作ったものも含めて)は、
作り手の念(?)のようなものがこもっているようで、
重く感じることがある。それが嫌なのだ。

こういう思いを抱くに至ったのは、子供の頃、実家で
料理を強制的に手伝わされたことがきっかけだった。
受験勉強中だろうが何だろうが関係ない。
「〇〇家(私の実家の苗字)」の跡取りとして、料理くらいできるようにしなければ」という気持ちでのしごきだったのだろうけれど、母親と祖母に、「早くこっち(台所)に来て手伝え!!」と怒鳴り口調で呼びつけられ、一挙手一頭足怒られながら食事の支度を手伝うことになる。
特に夏休みや長期休みは、そういう日々が延々と続くので負担でしかなく、休みが早く終わって欲しかった。

普段の日は、共働きの母親に代わって、
祖母が食事の支度をするのだが、祖母は、自分の作った
おかずを「不味い、不味い」と言いながら食べていたので、こちらも食欲が失せてしまっていた。

とにかく、「家庭での手作りの料理」というものに悪い思い出しかない私は、結婚しても子供ができても、料理はしなかったし、離乳食もほとんどベビーフードに頼りまくっていた。(夫が料理する人なので、夫にも頼りまくっていた)

しかし、今となっては、子供の頃に食べた料理を
思い出しながら作ったりしている。
例えば、大葉の焼きおにぎりとか。
大葉の焼きおにぎりは、夏場にそうめんを食べた後に
出されることが多かったのだが、先日それが
無性に食べたくなって、お昼ごはんの時に
作って食べてみたのだ。
作り方はいたってシンプル。
ごはんの中に梅干しを入れておにぎりを作り、両面に
大葉をつけてフライパンで焼くだけ。
素朴な味でとても美味しかった。
自分の作ったもので満たされるなんて、
思っても見なかった。

これからは、手作りの料理へのトラウマは、
少しずつ解消されそうな気がしている。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?