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許せない人がいるとき

どうしても、許せない人がいる。
許したくても許せなくて苦しい。
許せない自分は、心の狭い人間なんじゃないか、
と思うと、余計に辛い。
許せないだけで辛いのに、許せない自分を責めるエネルギーで、
二重にも三重にも辛くなる。
その繰り返し。
早く楽になりたいのに、楽になれない。
でも、許してしまえば、今まで苦しんできた
自分の労力と時間が全て無駄になったような
気がする。そんな二律背反が、またさらに
苦しさを助長する。

そんな時、心に浮かぶ曲がある。

「さよなら人類」という曲で有名な、「たま」というバンドの、
「学習」という曲。

歌詞のワンフレーズを耳にすると、心が軽くなる。
許せないままでいいんだ、って、心が楽になって、涙が溢れる。

♪今になってあの時のあの人の気持ちがわかるから
後になって今の君の気持ちをわかることにするよ
君を許してあげるよ (中略)僕のために♪

私がこの曲を初めて聴いたのは、もうかれこれ、10年くらい前に
なるだろうか、たまのセッションオフ会だった。
当時、私は、実はこの曲を初めて聴いたのだが、
その歌詞はまっすぐに私の心を貫き、私の心の琴線に触れた、というより、
思い切りぶつかってきた、といった方が適切だったかも知れない。
会場の一番前の席で、参加のメンバーに気づかれないよう、
涙をボロボロ流しながら聴いた。

当時の私は、許せない人や物事がいっぱいだった。
自分の運命すらも許せなかった。
私に心から向き合ってもくれず、「重い」と言って離れて行った人や、
自分の「良さ」がまるで発揮できていないこと、
育ってきた環境、全てが許せなかった。
許せない気持ちを抱えたまま、それをプラスに活かせない
自分自身すらも、許せなかった。

でも、この曲を聴いて、すごく救われた思いがした。
今は、「許す」とか「許される」とか、
そういったことすら考えることは無くなったけれど、
ふと、先日、この曲と、それにまつわるエピソードが浮かんだので、
書き留めておこうと思った。

この記事が、「どうしても許せない人や物事がある」方に
届いたらいいなと思う。




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