見出し画像

エンヤートット

というのは日本人のグルーヴらしい。どんな曲を演奏しても、日本人はこのグルーヴになると。小学校のときの部活(金管部)で顧問の先生から教わった。この話を聞いた時、「エンヤートット」なんてダサいなー、とうっすら思っていたのだが、なるほど、「エンヤートット」を意識して演奏すると、やはりリズムのノリが格段に違うということを実感した。あー、私は日本人。純然たる日本人。「エンヤートット」がこんなにしっくりくるなんて。海外の歌手のようなかっこいいグルーヴ感を身につけたかったな、と、若干悔しかったりもした。悔しいけど、脈々と受け継がれるリズム感、グルーヴ感に抗うことはできないのだ、と、折り合いをつけながらの音楽人生であった。

・・・だが、どうだ!あれから数十年。なんと、サザンの桑田佳祐さんも、とあるソロ曲の間奏で「エンヤートット、エンヤートット・・・」と歌っているではないか!「エンヤートット」が、桑田さんの紡ぐメロディに見事にマッチしていて、少しもダサさを感じない。桑田さんは、どちらかというと洋楽に影響を受けている方だと思うので、この曲を聴いた時に衝撃を受けた。僭越ながら、桑田さんと自分のグルーヴ感に通底するものを感じて、いささかホッとしたのを覚えている。桑田さんは、洋楽のグルーヴも日本人のグルーヴも使い分けることのできる方だということは承知の上で、「それでも桑田さんも日本人」。・・・ということで、今となっては「エンヤートット」に、少しは誇りを持てるかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?