腎臓病になるとどうなるのか

尿検査

当時の知識しかないのだけれど、腎臓病になるメカニズムはよくわかっておらず、風邪をこじらせたりするとなると言われている。

中学の頃、尿検査で引っかかった。蛋白が3+。あとで看護師の知り合いに聞いてみたが、相当な数値だそうだ。

そして次の年にもまた引っかかった。今度は血尿も出ていた。病院からは再検査を進められたが、親は再検査をしなくてもいいという姿勢だった。自分はその時さすがによくないのではと感じていたので、再検査がしたいと頼み込み、押し切った。今考えてみれば、あのときにきちんと自分の意見を伝えられていなかったら、今こうして元気にSEなどやっていられなかったのかもしれない。人生のターニングポイントだったと思う。

24時間蓄尿検査

まず再検査ということで24時間蓄尿検査を行った。文字通り、1日中尿を尿瓶に貯める。それを用いての検査だ。尿検査でも正直気後れするところはあるが、1日だと辛いものがある。
そこでも異常な数値が出たので、腎生検をすることになった。

腎生検

入院をして腎生検を行うことになった。腎臓の組織を直接採取して検査を行う。背中から管を入れ、採取する。この針がかなり太いので気が気でない。
部分麻酔を使って採取したがあのときの嫌な感触はいまでも時々思い出す。

検査の結果、慢性糸球体腎炎(IgA腎症)ということがわかった。入院して治療が必要とのことだった。それまでかかっていた病院でなく別の病院に移り、扁桃腺摘出手術とステロイドパルス療法を行うことになる。

扁桃腺摘出手術

扁桃腺の摘出を行った。全身麻酔だったので術中の記憶はなかったが、術後は苦しかった。術中に舌が動かないよう器具で押し付けて固定するため、手術後に重い筋肉痛のような感じになり舌が動かなくなる。鈍痛で水を飲み込むこともままならない。正直、舌が痛くて2週間ほどろくに喋れなかった。

ステロイドパルス療法

ステロイドパルス療法とは大量のステロイドを点滴する治療のことである。人生で始めてのステロイドだったが、とにかく食欲がひどくなり、それまで52kgだった体重は数ヶ月で62kgまで増加した。顔はかなり丸くなってしまい、バイト先に復帰したときに認知されなかった。

現在腎臓病の方は気を悪くしないで聞いてほしいのだが、腎臓病になると蛋白の摂取を制限しなければならないので、それ用の食事になる。米すらも低たんぱくの専用のものを食べることになる。これがどうしようもなく味気ない。食べていて本当に楽しくない。もちろんそんなことを言っている場合ではないのだが、旨味もなにもないのである。もし貴方や身の回りの方になにか腎臓病の兆候があるのであれば、手遅れになる前に検査・治療は絶対にしたほうがいい。ずっとこれを食べ続けるのは正直辛い。

ステロイド内服治療~完治まで

ステロイドを点滴から内服に切り替え、だんだん量を減らしていく。
量が減るにつれ増えた体重は元に戻っていった。結果数ヶ月で54kgほどまで落ちた記憶がある。一旦症状がなくなったため治療は終わり、1年毎に定期的に診断を受けることになった。それから1~2年ごとに検査をしたが異常なし、普通の体に戻ったという認識で問題ないらしい。

さいごに

腎臓の病気は完治というものがほぼないというのを聞いていたので、この先の人生でもふとしたきっかけで悪化することもあるということを聞いていて、ずっと人生に不安を抱えていました。その不安が解消したのは数年前、30代が見えてきた頃です。それまで、風邪を引いたり体調が悪くなるたびに言いようのない不安に駆られていました。透析になったらどうしよう、また発症したらどうしよう…

こうならないために言えることは2つ。

・異常が出たら再検査は絶対にやるべき

・治療はできるだけ早く。若いうちにやらないとリカバリーが効かなくなります。

ちょっと重い話になりましたが、扁桃腺の摘出で思い出したので書いてみました。誰かの参考になればようかと思います。

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