再燃した天才バンド

はっきり言って、神聖かまってちゃんは天才集団だ。

初めて聴いたのは中学生の夏。今から遡ればもう十数年前。
偶然観ていた「電波女と青春男」という、なんとも不可思議でポップなアニメのオープニング曲を手掛けていた。
「Os-宇宙人」聴いた時走った衝撃を今でも覚えている。
全体にひろがるメロディ。聴いた頃のない音楽だった。
瞬く間に少女が現れて、嵐のように消えていくような。

「神聖かまってちゃん」
真新しいような懐かしいような、かわいくも少しイタいバンド名が
私の脳味噌に深く刻まれるのはそう時間はかからなかった。

それから近所のTSUTAYAへ行きCDを買った。
それからipodに曲を入れて繰り返し聴いた。
それから他の楽曲を調べた。
それからの子の歌声を初めて聴いた。

「夕方のピアノ」の衝撃的な歌詞とミュージックビデオが若干トラウマになる。だけどバッグで流れているピアノの美しさを知る。

「ロックンロールは鳴り止まないっ」
「僕のブルース」
「23才の夏休み」
「ぺんてる」

そのどれもが新鮮な音楽体験で。
痛くて苦しくて、今俺はここに生きていると証明しているような
魂の叫びが中学生ながら刺さりまくっていたのだろう。
退屈な毎日、学校という一つの箱の中で逃げ場もなく
何か起きたわけれもないのに「死にたい」と簡単に口にしてしまう愚かさ。
心の深層に潜むモヤモヤを、代わりに吐き出してくれたのが
かまってちゃんだったのだろう。

中学生活を神聖かまってちゃんと過ごした自分が
その十数年後に初めてライブに行った。
私はそこで思い知ったのだ。
この人たちがいかに才能に溢れた人たちであるかを。


次回「ライブでの、の子」



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