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フィンランドが友達親子に警鐘とその実態

割引あり

子どもは友達ですか?
フィンランドで友達親子への警告
※記事の主張が正しいかどうかは置いておいて、フィンランドの価値観として読んでください

目覚まし時計がなると家族全員が目を覚ます
父親がコーヒーメーカースイッチを押すと、寝坊した子ども達が不機嫌そうに部屋から出てくる

朝食で子どもが朝ごはんを食べない
最終的に父親が折れて、仕事に遅れないように子ども達にビスケットを与える
その瞬間、子どもは満足しているように見えるので父親は安心する

その悪影響が明らかになるのは何年も後からかもしれない
親というのは、時には難しい選択を迫られる

毅然とした態度で境界線を守る親となるか、神経をすり減らすような状況から抜け出すために子どもの意思に従うか

後者を選ぶなら、あなたはバディ・ペアレントなのかもしれない

教育研究者でフィンランドのシュタイナー学校校長ヤルノ・パーラズナによれば、バディ・ペアレントは「弱者の子育て」だという

バディ・ペアレントは2020年代に出現した子育てのトレンドで、親が子どもの発達に合わせた制限を設けだからない、或いは設ける事ができないものだという

親は子どもを喜ばせたい、つまり教育者ではなくバディになりたいという事から来ている
これは非常に有害な育児である

「バディ・ペアレントは親子関係を希薄化させる。親が親であり、子どもが子どもであることを忘れてしまいます」

それは、親がなんでも子どものいいなりになり、子どもに決めさせ、子どもの意向に沿う事で不快な状況を避けるというのだ
子どもに譲歩することは困難な状況から簡単に抜け出す方法だが、子育てとは安易に楽な道を選ぶことではない
子どもが主導権を握り、親は泣き言をいう
それではいけない、親は子ども中心の子育てに努めるべきである

バディ・ペアレント(友達親子)については、多くの親が好印象を抱いている
親子仲のいい子育ては、親が子どもを大切に思っていないという意味ではない

親は日常的な事柄を子どもに決めさせることで、正しい事をしているつもりかもしれないが、実際にはこれは長い目で見れば子どもにとって有害になりかねない
「親は特に幼い子どもに対しては、勇気をもって境界線と構造を設定すべきである。そうする事で子ども達は安心し、人生を明確にすることができます。年長の子どもも親が友達ではなく親であることで恩恵を受けます」

境界線が無く、常に子どもの言いなりな状況に陥るのは、社会のルールやガイドラインに適応する事の難しさとして、子どもの人生に反映されてしまう
境界線が無いと、子どもは不安を感じ、それが不安や破壊行動に繋がることもある
常に押し付けられる子どもは、社会的に不器用になり、利己的になりやすい研究結果もある

バディペアレントの特徴
・決定権を子どもに委ねる
・なんでも子どもの意見を聞く
・できるだけ子どもを喜ばせようとする
・不快な状況を避ける
・なんでも譲歩する

教育界のインフルエンサー、ノンフィクション作家、校長のヤルノ・パーラスマー著作より抜粋


バディペアレントが普及したのは多くの理由がある
それは価値観の変化
過去数十年の間に、我々は個人を大切にする文化への移行してきた
いまでは子どもが様々なスキルを学ぶのは早ければ早いほどいい
さらには家庭の事情もある
親が多忙すぎて子育てに裂ける時間がないので、子どもを媚びを売って問題をさけるのだ
また、ただ子どもを喜ばせたいだけの人もいる

多くの場合、バディペアレントは最後までしつけのアプローチを避けたいという願望に突き動かされている

ある人は、自分の親と同じような制限のないスタイルを無意識で続けているのかもしれないし、自分が厳しく支配的な教育を受けたので、それに代わるものを提供したいという見当違いの行動なのかもしれない
自分があまりに厳しい教育を受けてきたと感じると、バディペアレントの罠にはまる可能性がある

バディペアレントが増えた理由
・価値観の変化、個人の選択の拡大、個人中心、競争経済の価値観
・親が子どもの発達段階を理解しなくなった
・子どもとしての尊重が薄れ、子どもは小さな大人と見なされる

個人の問題
・多忙
・疲労と困憊
・幼少期の家庭環境
ヤルノ・パーラスマー著作より抜粋


個人文化の重視は、学校の世界にも大きく反映されている
子どもの態度が友達親子の影響と思われる振る舞いがみられる

「大人に指図されることに慣れていない子どもは多い。家庭でバディを汲む文化があると、子どもが学校で大人を尊敬するのは難しいかもしれない」
バディペアレントのせいで、子どもは自分では全く普通に振舞っているつもりなのに、なぜ先生がダメだというのか理解できないのかもしれない

問題なのは、親が学校でのわが子の機嫌の悪さを、他の生徒や教師のせいだと思いがちになる事だ
まるでバディの親が彼の代わりに気分を害し、仲間を庇うかのようである

最近の学校では、生活指導にも力を入れなければならず、その結果肝心の授業そのものがおろそかになっている
子育ての主な責任は常に親にあるべきである
学校や保育園の役割は、一種の教育パートナーである

教育レベルの低下の理由は他にもたくさんある

こうした危険なバディペアレントが一般的になり通あるが、過去に戻る必要もない
昔のような厳しい躾けは、恐らくバディペアレントよりも有害である
バディペアレントがわがままでいう事を聞かない子どもを育てるのに対し、キュアペアレントは子どもに不安をもたらす
数十年前とは異なり、今日では子どもに罰を与える事はほとんど推奨されていない
居残り学習はほぼ完全に廃止され、家庭で子どもを叱ることも推奨されていない
これはこれで正しい方向である
恐怖と罰により子どもを育てるのではなく、間違いた時に正すことを教えるべきなのだ
子どもが他人のものを壊したら、それを手伝うように子どもに求めるなどのやり方がある

テーブルマナーが悪いからと言って、遊ぶ時間を制限するなどは筋が通らない
子どもを罰する必要があるとしたら、その時点であなたの育て方が間違っているのだ

しかし、子育ては常にバランスを取るのが困難で、失敗もあるえる
私自身、取材日の朝などは忙しくイライラを娘にぶつけてしまう事もある
その後、私は娘に謝ったが、ちょっとしたことで大人も動揺する事があるのだ

子どもの年齢に合わせた子育て情報だけで判断するのだけではなく、良識的な判断で子育てをすることも大切だ
正しい子育てばかりを求めるがゆえ、プレッシャーに押しつぶされては意味がない
人間はミスはある
特に疲れている時は完全な行動はできない
制限と自由のバランスを見つける事は不可能だが、努力することは必要だ

柔軟性を欠いた子育て
・病気の時は薬を飲むべき
・毎日朝晩の歯磨きを徹底し強要
・食事の時間には食卓に
・冬は暖かい恰好をする
・疲れていても学校に行く
・ルーチンと日課のリズムを守る
・不適切で不快な言葉は許さない
ヤルノ・パーラスマー著作より抜粋

元記事 https://www.is.fi/perhe/art-2000010115862.html

フィンランドの教育インフルエンサーであるヤルノ・パーラスマー氏の記事
国家教育委員会のカリキュラム作成メンバーであり、彼が校長を務めるシュタイナー学校はフィンランドでは珍しい私学の学校
教育関係に影響力のある彼の発言が、現在のフィンランド教育のトレンドになっていることは間違いないですが、記事にはいろいろとツッコみたいところがある

まず、発達障害の問題には一切触れておらず、子どもの起こす問題行動を「親のしつけ」に集約させるような印象になっている事
個人的には、この記事を始めとした彼の主張により、フィンランドの発達障害への解像度は圧倒的に遅れたのではないかと思っています

記事では制限と自由のバランスが大事と言ってますが、明らかに制限を徹底するような言い回し
ある種、しつけをしない事で子どもの将来が絶望的になるとプレッシャーをかけまくっているのですよ

彼の主張では、フィンランド全体で子どもに対して優しすぎて、秩序が保てなくなっていることに警鐘を鳴らしていたのですが、多くの教育関係者や親に誤解を与えています
いまやフィンランドの教育界隈は、懐古主義で昔のように子どもには厳しい躾けが必要であり、もっと子どもを制限して管理しないといけないという空気になっている
本人はそれを否定しているのですが、大人の権限で子どもに厳しく強要した方が楽ですからね
解釈する側の問題なのかもしれない

背景としては、学力の低下と子どもが教師の指示を聞かない事に対して、子どもに体罰・懲罰・大声で叱るなど厳しい指導や、(スマホなど)持ち物の没収などが法律的にできなくなったというのがあります
教師たちからは子どもに強くでる行動を正当化するのにちょうどいい言説だったのでしょう

日本の教育現場でも、数年前に同じ課題にぶち当たっているかと思いますが、声のかけ方や療育で解決する方向に舵を切っている印象
なので、日本からフィンランドに視察に来る先生方は、先祖返り的な考えにビックリしていきます

現在、フィンランドで若者の間で犯罪や鬱、ドラッグが蔓延しているのも、こうした大人からの抑圧が強くなり、2次障害でメンタルを壊してしまう子どもが多いのではないかな

あと気が付いたのは、日本で言われる友達親子のデメリットとは全く違う事
友達親子は、子どもが親を忖度していい子で在り続けようとして、自己主張ができなくなる傾向と言われてます
そう考えると、フィンランド人は自分のわがまま通すばかりで、友達を大事にしないの?

以下、私の個人的見解や愚痴です
興味のある方はどうぞ!

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