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空桶日記 #2 瞼の裏には

藍坊主は、高校の時に付き合っていた彼女が好きだった。

その子とは、高校1年生の時に同じクラスだった。
クラスでは目立つような子ではなかった。
左利きのAB型で、とにかく変わった子だった。

彼女は入っていたソフトテニス部を辞め、
女子部員が1人も居ない卓球部に入った。

学校祭の時期には、その時良い感じになっている子を
夏の花火大会に誘うという一大イベントがあった。
お互い浴衣を着て、花火をぼーっと眺め、
夜の河原を自転車で二人乗りした。

付き合って3ヶ月、あっけなく別れは訪れた。
あぁ。自分もしっかり青春してたんだな。
元気にしてるといいな。

君の怒ったその素振りも 君の笑ったその顔も
僕の何もない手が 何もない手に そっと触れたことも
思い出しては口遊むよ 君の歌ったあの歌を
うれしい時にだけ 口遊んでた 君の声が聴きたくて

■song
https://open.spotify.com/track/4SrqLQN7tOp4Rc2NVpdOV1

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