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マーケティングにTシャツ作戦は有効なのか?

ファミマの足立さんと飲んだ時に話題になったTシャツマーケティング戦略の話をします。

販売はしていないのですが、ファミリーマートはファミチキTシャツなどをいくつも作っています。結構一つ一つはダサいです。

全然おしゃれじゃないです。
でも、目は引きます。そして、ファミマもTシャツだとわかります。

で、なぜTシャツを作ったのかというところについて議論しましたので、その情報のシェアになります。

1.広告効果
ファミリーマートは、6000人の社員がいます。
この人たちが毎日出勤(リモートもあるけど)しています。そのうち5%の人がファミマのTシャツを着て出勤するようになると、300人がファミマの歩く広告塔になります。

同じことをキャンペーンガールで依頼しようと思うと、1日600万(日給2万円で計算したとしてもということで)以上はかかります。そして、200日は働くと思うので、最低予算で12億程度の効果を打てていることとイコールになります。実際に広告のプランニングだなんだという話になると、20億くらいはかかる話でしょうね。

それをほぼ原価0円(Tシャツ代くらい?)で行っているわけですから、流石です。


2.従業員のロイヤリティ
GoogleやAmazonも社員が喜んで自社のTシャツを着て、それが社員のロイヤリティへと繋がっていっています。自分はAmazonの社員なんだ!というロイヤリティを示すというアクションが、結果的に本人のロイヤリティを上げていくという流れかと思います。

かつては日本企業の多くも制服を導入しており、それが一定の従業員のロイヤリティ向上に寄与していたかと思います。それが現代ではTシャツなのかもしれません。

リモートワークも増えて、社員のロイヤリティが下がってきている昨今で、ZOOM上で他のメンバーが自社のTシャツを着ているのを見ることで、一体感が増す、そういう現象は意外と軽視できないくらい効果があったりします。


3.本人のコミットメント表示
これは足立さんは言っていなかったのですが、ご自身の意思表明としても使っているのではないかと分析しています。彼はある種外部メンバーとして、ファミリーマートに参画しました。それゆえにファミリーマートに20年勤めている人からしたら、面白くないというケースもありうるかもしれません。そこで自分がファミリーマートにコミットしていることを示すセルフブランディングとして、Tシャツを活用しているのでは?と思っています。

食べチョクの秋元さんもファイナンス成功のカギは食べチョクTシャツだったと仰っていたのを思い出します。ルブタンのピンヒールにスキニージーンズ、なのに食べチョクTシャツを着ていた彼女を見かけたときには、「本当はハイブランドとか好きなんだろうなあ」と思いつつ、それでもあのTシャツを着ていたのが流石だなと感心しておりました。


と、ここまでがTシャツ戦略の有用性を説いてきたのですが、意外とTシャツを作っているのに、上記の施策が成功していないパターンも多く存在します。そのパターンは言うと、

1.Tシャツがちょっとオシャレすぎる
たとえば自社のロゴがわからない。なんのTシャツ?というものでは、意味がありません。特にファミリーマートのような大企業ではなく、社名も世間的にそこまで知られていない企業であれば、オシャレさ度外視してでも情報は訴求すべきになります。

私の会社であれば、
「マーケティング戦略なら、Happy Marketing」
と書かないといけないでしょうね。それをオシャレなロゴしかも小さめに作ったのであれば、ただのオシャレなTシャツになってしまいます。

2.イベントでしか着ない。
さきほど書いたように、勤務日数200日の活用を考えれば、常日頃から着る必要があるわけです。なのに、イベントでしか着ないのであれば、それはあまり意味がありません


3.通勤及び訪問時のウェアとして認めない
これもよく見かけるケースです。Tシャツ作ったのに、そのTシャツでの出勤、訪問を認めないというパターンです。「我々は法人をターゲットに、、、、、」なんて言い訳をされるケースも見受けられますが、これがマーケティングの効果を下げています。


4.上層部が着ていない
これも見受けられる良くないケースです。一番良いのは、社長がそのTシャツで社内では過ごしている状況です。もちろん、上記同様にどうしてもスーツであるべきタイミングはあるでしょうが、率先して着ていく姿が社員のロイヤリティを上げていきます。


5.社員が少ない
実はTシャツマーケティングは、基本的には社員数が一定数いるところで効果を発揮します。なので、10人規模の会社であれば、ロイヤリティ向上と資金調達のパフォーマンスには使えますが、広告効果はありません。なので、実はスタートアップ向けの施策では基本的にはないので、そこは理解しておきましょう。


従業員が200名を超えた企業あたりから、おそらくTシャツまーケーティングは効果を発揮し始めます。しかも、BtoCのビジネスよりもBtoBのほうがうまくいく可能性が高いです。

まだ実践されていない企業は一度実践してみてはいかがでしょうか?

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