〝ラスト〟には価値がある
ね。そう思いません？
「残りわずか！」
「本日が最終日！」
なんて言われると、無性に欲しくなる。
心理学でいう「希少性の原理」のせいかな。
今さっき、まさに体験してきた…
名物〝シンカンセンスゴイカタイアイス〟
夜中にアイスなんて、普段絶対食べんのに…
一個400円なんて、ハーゲンダッツでも買わんのに…
買ってしまった。
スジャータ…懐かしい響き。
そう言えば、今日で最後だとニュースが言ってた。ネット界隈もざわついてた。
まさかその日に出張が重なるとは…
決めては、車内アナウンスの〝煽り〟
「本日を持ちましてワゴン販売を終了します。長年のご愛顧、誠にありがとうございました」
（てな感じだったか？）
気づけば買ってた。
フタ開けてた。
スプーン入れても…全く入らん。
こんなプラミニスプーンじゃ歯が立たんて。
でも、だからいいんだよね。
サクサク食べれたら逆に期待ハズレ。
使えんスプーンも、このアイスの人気に一役買ってるワケで…
ザッザッとミリ単位で無心でアイスを削る。
口には殆ど入らない。ムキになるオッサン。
使えんスプーンがスコップの如く酷使され…
ポキっといきそう…悲鳴あげてる…
オレ一体なにしてんだ…
なんか途中から笑えてきて…
10分くらい悪戦苦闘してると
持ち手の体温でようやくじんわり溶け出し…
当の持ち手はジンジン赤くなって…
食べ切るのに20分かかったかな…
こんなにシュールな時間めったにない…
新幹線車内というロケーションもまたいい…
いろんな辛い記憶が蘇ってきて…
すると、21時すこし手前で
こんな車内アナウンスが‥
「本日をもちまして東海道新幹線での
ワゴン販売を終了いたします。
みなさんのたくさんの笑顔とお言葉が
私たちの支えとなって…」
20秒くらいの一世一代のアナウンス。
これにウルっとこない乗客がいたか？
じんわり溶けたのはアイスだけじゃなかった…
こーいうエモいアナウンスいいよね。
在来線だってやったらいいのに。
公共交通だからって遠慮することない。
JR東海さん
ワゴン販売のスタッフさん
こちらこそ、ひとときの癒しを
束の間の感傷を…ありがとう。
あなたたちこそ、支えてますよ。
日本で生きる沢山の人たちを。
ここ数日の報道やネットでの声援がその証。
ワゴン販売が終了したって
そのおもてなしの心こそが
私たちを支えてくれてるから。
それにしても…無くなってしまう前に
存在価値に気づけたらいいのにね。
そうしたら、無くなる前に
できることがあったかもしれない。
でも、それができないんだよね…
当たり前にいてくれる人・物・事の
ありがたさに、人は気付けない…
当たり前すぎて、感謝を忘れてしまう…
〝当たり前の日常に感謝する〟
そんな簡単なことができる人が増えるだけで
絶対に世界は今より良くなるハズなのに。
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