「サンタって、パパなの?」
小学生の息子が、真剣な表情で訊いてくる。
なんでも、友達にバカにされたそう…
「まだサンタなんて信じてんの?」と。
そーいえば、昨年も訊かれたな…
その時は、まだ余裕で切り返せた…
と記憶している。
しかし、今年はもう5年生。
生半可な回答では見破られる。
慎重に言葉を選び、努めて冷静を装った。
「サンタが、もしパパだとしたら
ゲームソフトなんて、来ると思う?」
数秒沈黙し、彼は頷いた。
「うん。たしかに。パパがサンタだったら
文房具とか英語の辞書とか来そうだな」
苦笑い。父を何だと思ってやがる。
でも一応納得してくれたか…
信じる気持ちが100%では無いにしても
せめて半信半疑くらいで済むなら上出来だ。
この年頃になると難しい質問が増える。
周囲で耳にした情報を無邪気に問われる。
「セックスって、なに?」
不意にそう訊かれた時は動揺した。
気の利いた答えが浮かばなかった…
世の親御さんたちは、この手の難題に
どう対処しているのだろうか。
息子が成長し、真実を知った時、
一体どう感じるのだろうか。
親にずっと騙されていたと
恨みに思うのだろうか。
親として、何が正解なのだろうか。
親って難しい…最近つとにそう思う。
かくして、我が家の窓ガラスに
息子からサンタへのお手紙が
今年も無事、貼られることに…
〝サンタさんへ
今年は、ニンテンドースイッチソフト
○○○○○を絶対にお願いします!〟
最後に、こんな一文も添えられていた。
〝毎年ありがとうございます。
体に気をつけて健康にすごしてください〟
苦笑い。こりゃバレてるか。
無垢な心を、まだ子供でいるうちは
少しでも長く持っていて欲しい…
そんな私の願いは、親のエゴだろうか。
息子の将来にとって、
間違いでなければいいのだが。
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