ピンと来ない。それは知覚の結びつきが弱いから

コミュニケーションメッセージを考える際に、専門家に認められたとか、ある人の御用達とか、プロの現場でも利用されている商品といった、権威を利用したテクニックというものがあります。

でも、少し注意をしなければならないのが、どの権威を採用するかはしっかりと考えないと、受け取った人にとって「何言っているかわからない」「なんかピンと来ない」ということになってメッセージ自体のパワーが弱まってしまう可能性があります。

唐突ですが、以下の2つのメッセージを見比べて見てください。

「プロのチャーハンの味をご自宅で」
「ホテルの現場が使っている消臭剤」

上のコピーの方が言葉として強くないでしょうか?
下はなんだかピンと来ない気がします。

これは、「知覚の結びつき」であったり「理解の経験」と呼ばれるものが作用しており、知覚や経験の差が受け取った人の印象を大きく変えることに繋がります。

中華料理専門店でチャーハンの味に美味しいと感じた人は多くいるでしょう。
だから、上のコピーについては、プロのチャーハン=美味しい=自宅が
美味しいチャーハンが自宅で手軽に
という理解に結びつくわけです。

しかし、下の方はホテルの清潔さは消臭剤の違いにあるという知覚がそもそも存在していないため、プロ現場の消臭剤≠臭わない=自宅で
となってしまい、プロ仕様の消臭剤=自宅で効果のある消臭を手軽に
ということにならないわけです。

だから、「何言っているかわからない」「ピンと来ない」という理解になってしまう。

もちろん、ホテルの匂いが無いのはプロが使っている消臭剤に秘密があるということの知覚がある人であれば、上記コピーが刺さります。

ここはパイの問題で、そういった知覚がある人の割合が少ない場合は、マス・コミュニケーションでそのまま採用しても効果は半減してしまうため、そういった知覚を持っているセグメントに投げかけるか、マスに対して「ホテルの匂いが無いのはプロが使っている消臭剤に秘密がある」ということをまずは知覚してもらうコミュニケーションからスタートする方が良いわけです。

今日は、なんかピンと来ないにならないように、知覚の結びつきを意識しよう。という話。

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