随伴性の整理

行動分析学に馴染みがない人はすみません。

行動随伴性について、解釈を整理したいと思います。

基本的な随伴性
・好子出現の強化
・嫌子消失の強化
・好子消失の弱化
・嫌子出現の弱化
は、行動を行った後に生まれる感情で、行動それぞれを好子と嫌子に振り分けて次の行動の強化を決定させる。

阻止の随伴性
・好子消失阻止の強化
・嫌子出現阻止の強化
・好子出現阻止の弱化
・嫌子消失阻止の弱化
はどちらかというと未来のことを指していて、「いずれ」とか「もしかすると起こる」という言葉を枕ことばとして添えると理解がしやすいかも。

例えば、保存せずに進めていたPC業務が電源が消えた事によって保存できずに消えてしまったケースはどのようになるのだろう。

基本随伴性では、
保存をせずにそのまま仕事をすすめることによって、データという好子が消失してしまったので、保存せずにそのまま進めるという行動を弱化する、「好子消失の弱化」にあてはまると思う。
加えて、また同じ作業をしなければならないという、保存せずに進める行動を弱める「嫌子出現の弱化」もあると思う。

続いて、阻止の随伴性では、
そのまま進めることで、(いずれくる)データという好子が消えるということを阻止する行動=保存を強める「好子消失阻止の強化」と、
(いずれくる)また同じ作業という嫌子が出現することを阻止する行動=保存するを強める「嫌子出現阻止の強化」の2つがあると思う。

ここで気づくのは、基本と阻止で同じシチュエーションで2+2=4つの側面があるということ。

よって、保存をしないでそのまま仕事を進める人のメッセージは、
1.データ消えちゃうから保存しないで進めるのはやめな。(好子消失の弱化)
2.データ消えたらまた同じ作業が発生するよ。そのまま進めるのやめな。(嫌子出現の弱化)
3.もしかするとデータが消えるかもよ。こまめに保存すると消えなくて済むよ(好子消失阻止の強化)
4.もしかするともう一回作業が発生するかもよ。そうならないためにこまめに保存。(嫌子出現阻止の強化)
のパターンになるかと思います。

ここで、言葉として強いのは、嫌子を織り交ぜたメッセージで、
人は好子は無視してもよいが、嫌子は放っておけない本能があります。

そうなると、上記2と4が残るのですが、
もう一つの心理として弱化は副作用がある(能動的に動かなくなる・教えたことにならない・情緒的に反発する・イメージが良くない)ので、
4の、「データが消えた!?無駄な作業が発生しないためにこまめに保存!」がコミュニケーションコンセプトになります。

どうでしょう。

行動分析学は現場でも使える学問だと思いませんか?

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