需要がないものは穴を掘るしかない
経済のリテラシーを高める努力をしていくと、大衆はなぜ自分の首をしめるようなことをしてしまうんだろうと疑問を感じるようになります。
代表的なのは消費増税。
多くの人は「国の借金1000兆円」といった言葉に踊られ、「増税やむなし」という理解を持ち、増税を肯定する政権に投票しています。
しかし、増税をすることで消費が減退し結果として自分の所得も減ってしまう。そして消費を抑えて所得も更に減ってと貧困化のスパイラルを進み続けます。
自らが貧困化するために、貧困化を助長する消費増税に賛成する。なんとも奇妙な減少です。
なぜ、このような事が起きてしまうのか?
端的に言うと、人は難しいことに対しては権威のある人(団体)の言う人のことを信じるためです。
人の脳というのは省エネで活動するようにできているため、難しいとされるものを読み解こうとするとかなりのカロリーを消費します。
よって、イメージで物事を判断するわけです。
「新聞に載っていたから」「テレビで報道されていたから」「学者が言っていたから」
これらを理由にしている人がマジョリティではないでしょうか?
ここで大事なのは、決して悪意があってそのような判断をしているわけではないということです。ただ知らないだけ。関心が薄いだけ。
消費税増税・財務省が推進する緊縮財政路線に反対するリテラシーが高い人ももちろんいます。そのような人たちのコメントを見ると論理的に正しいことを言っています。
でも、勝てていない。
イメージが刷り込まれてしまっている、関与度の低い大衆を振り向かすためには、どうすればよいのでしょうか?この人達は経済というものに関心がほぼありません。
1つ目は、自分ごとにさせること。経済というものに関心はなくても自分には関心が必ずあるので、論点をそっちにして展開していくのが望ましいです。
2つ目は、経済を多少でも勉強してみようかなという需要を人工的に発生させることです。需要が生まれて初めてそこに正しい経済情報を供給することが可能になります。
例えば、こんな感じのコミュニケーションはいかがでしょう?
「1+1=3」「2×2=5」といった教え方をされているグループがあったとして、あなたはどう思いますか?その人達が社会に出たときにどのようなことが起きるか想像できますか?
間違った情報をインプットしたおかげで、私生活にマイナスな影響がでることが想像できますよね。ちょっとその人達をかわいそうとも思ってしまう。大変な場面が出てくるのではないかと。
「知ってましたか?経済。特に私達の身近にある消費税の理解って、これらと全く同じなんです。」
こんな感じです。
経済を勉強しよう。消費税に対して正しい知識を学ぼうといくら、関心の低い人に言っても理解される可能性は低いです。
しかし、自分ごと。もしかすると今の理解だとマイナスな人生がやってくるかもしれないという危険を感じることで初めて人は需要が発生し、その穴を埋めるために対処をするわけです。
これはビジネスでも同じことが言え、顧客層を広げるにあたっては関心のない層を呼び込むのに大きな壁が立ち塞がります。これらの層を振り向かせるには上記のアプローチが必要になってくるわけです。
保険商品のコミュニケーションはもろこの形で、興味のない人に関心を持たせるステップが必ずといってよいほど含まれています。
この視点で、「必要と思っていないものを買っちゃった」購買行動を振り返ってみましょう。
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