キャプチャ

2019-06-20 Memo

マーケット全体のポジション偏りを考える

Twitterのタイムラインで、日本株の裁定売り残が裁定買い残を超えた、いつ以来の出来事だ!といったことが書いてあったので、何を意味するか考えてみました。

----------------------------------------------------------------
裁定買い残とは・・・
わかりやすい解説がありましたので、メモしておきます
https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/sa/J0334.html
----------------------------------------------------------------

実際に、JPXのページで見てみると、確かにネットで売りになっているみたいです。

まとめてあるサイトもありました。
https://karauri.net/saitei/

裁定取引業者は、現物と先物の値段を比べて、先物が割高だったら現物買い先物売り、先物が割安だったらその逆をやる、ということみたいですね。私が面白いと思ったのは、同じような仕組みがBitcoinでもあるということです。現在、BitFlyerのBTC-FXは、BTCに比べて4.1%ほど割高です。

こういった場合、もし裁定取引業者がいたなら、かならず現物買いとFX売りをするはずです。そして、実際にその戦略で取引をしている人はたくさんいると思います。それでもなお、乖離が4.1%あるのは、FXに対する買いが現物に対する買いよりも大きいからでしょう。投資教本の受け売りになりますが、レバレッジ取引の参加者は
- Speculator・・・値段の上下で儲けようという人
- Hedger・・・現物の買いなどを一時的にヘッジで売ったりする人
- Arbitrager・・・現物との比較で裁定取引をする人
の3種類に大きく分けられます。この中で乖離を拡大させる参加者はSpeculator, Hedgeのどちらかでしょう。Hedgerは大抵売りから入るであろうことを考えたら、プラス方向に乖離を拡大させるのは、Speculatorのポジションになります。現在は、Arbitragerに4.1%もの収益機会を与えるぐらい、価格が現物価格から乖離しており、Speculatorのロングポジションへの傾きが多いことを表していることになります。

さて、日本株に戻ってみると、裁定売り残が積みあがるということは、Arbitragerにとっては、現物株売り・先物買いの収益機会があるということを表していますから、先物が現物に対して割安になっているということでしょう。この場合、Speculatorによるものか、Hedgerによるものかは正直わかりません。ただ、どちらにしても、マーケット全体としては、ショートのバイアスがかかっていることは8割方間違いないのではないでしょうか。

と、ここまで考えてみたものの、「じゃあ、マーケットはどちらに動くの?」と考えると難しくなります。マーケット全体がロングに傾いていたとしても、後から次々にロングしたい人が増えてきたなら、マーケットは上がっていくでしょうし、逆にそろそろおりたい人が増えてきたなら、マーケットを下がっていくでしょう。ただ、ひとつだけ私がこうだろうなと思うのは、「現物と先物/FXを取引している人を比べたら、先物/FXを取引している人のほうが、ポジションを解消するまでの時間が圧倒的に短い」ということです。これは、まあ、感覚的な話にはなりますが、納得できる話かと思います。そうすると、マーケットが皆のポジションと同じ方向、反対方向に動き始めた時、どちらのスピードが速いか?ということになるのかと。

正直ここまで考えてみたものの、それでも「じゃあ、マーケットはどっちに動くの?」という結論にまでは至りません。。ただ、マーケットのポジションがどちらに傾いているのかを頭に入れておくことで、正方向、もしくは逆方向の材料や値動きが出た時、どちらに動きやすいだろうか、という考える一つの指標になるだろうとは思います。欲を言えば、「マーケットが何をどこまで織り込んで、ロング/ショートにポジションが傾いているか?」まで考えられたら一番いいんでしょうね。例えば、「マーケットは貿易戦争が経済に与える影響をどの程度まで織り込んでいているのか、G20での米中首脳会議ではどのぐらいの進展があるのを織り込んだ上で、ショートポジションに傾けているのか」みたいな。書くのは簡単ですが、考えるのは非常に難しいですね・・・ただ、できる限り自分で考えていかなくては、と思う次第です。

今日仕事が暇だったので、久しぶりに頭を使って考えてみましたが、疲れましたね。ではでは、ご機嫌よう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?