📗【文書版】✴️ 礼拝メッセージ『目の中の梁とは何か？』　2024年7月7日

📗昨日の礼拝メッセージのテキスト版もここに掲載いたします⬇️
📗礼拝メッセージ『目の中の梁とは何か？』　2024年7月7日
 
新約聖書　マタイの福音書第7章1～6節
 
1さばいてはいけません。自分がさばかれないためです。
2あなたがたは、自分がさばく、そのさばきでさばかれ、自分が量るその秤で量り与えられるのです。
3あなたは、兄弟の目にあるちりは見えるのに、自分の目にある梁には、なぜ気がつかないのですか。
4兄弟に向かって、『あなたの目からちりを取り除かせてください』と、どうして言うのですか。見なさい。自分の目には梁があるではありませんか。
5偽善者よ、まず自分の目から梁を取り除きなさい。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からちりを取り除くことができます。
6　聖なるものを犬に与えてはいけません。また、真珠を豚の前に投げてはいけません。犬や豚はそれらを足で踏みつけ、向き直って、あなたがたをかみ裂くことになります。
 
　主の恵みと平安が皆さんの上に豊かにありますように。
この日も皆さんとご一緒に主の日の礼拝にあずかれますことを心から感謝いたします。
 
　今日はまず、こちらの画像をご覧いただきたいと思います。

　その投稿は大丈夫？アスリートへの誹謗中傷、誹謗中傷どこから？というものですが、ここ(左下)を見ると、ＮＨＫニュースですね。この画像を、ＳＮＳにアップした投稿者がコメントして、右も誹謗中傷だろ、と言っているんですね。「練習しろ」「へたくそ」「やめろ」確かにですね。右も明らかに誹謗中傷ですね。批判といったら「あそこの場面でパスを出すべきではなかったのではないか？」というような類のことですよね。
　ですからもし、このフリップを作っているＮＨＫの番組を作った方が、右は批判だと捉えているなら、ちょっと問題だと思いますね。それでなくても、日本では、何か「批判」を、悪口とか、文句とか、攻撃とか、さばくこと、であるかのように、とらえられているところがあると思います。
　というのも、「武器としての国際人権」という本を書きました藤田早苗さん、この方は、特に入管法の問題をよーく考えていらっしゃいまして、あのウィシュマさんの死亡事件ありますよね。痛ましい事件でした。色んな政治的、あるいは宗教的な理由で、日本に逃れてきた人たちの人権が、いちじるしく守られていない、と、国連から日本は再三言われているんですね。
　日本は世界人権宣言に批准(ひじゅん)している国です。批准というのは同意しているっていうことなんです。批准している国だから、人権が守られていないところがあれば、国連がそれを指摘して、改善を求めたり、助言をしたり、必要な手助けしたりしますよっていうわけですね。ところが、日本は、驚くほど、それを蹴ったり、ドタキャンしたりしてきたわけですね。だから国連も驚いているわけなんですけれども、国連からの批判を真摯に受け止めて、「この点に関しては飲めないけれど、この点に関しては改善する努力をしましょう」などというようなことは、ほとんどしないっていうんですよね。
　そのことからも、どうも、日本は、批判されるのを、多くの場合文句だと捉えているようなフシがあります。「うちでやっていることに文句を言うな」という感じですね。でも批判というのはそもそも文句や攻撃ではないので、その本を書いた藤田早苗さんは、「クリティカル　フレンド」とも言います。「クリティカル」が批判的な「フレンド」友達ですね。国連も、またスポーツやあらゆる分野でも言われる言葉「クリティカル　フレンド」。これは「ここはもっとこうしたらいいんじゃない？」と別の視点から指摘してくれる存在のことですね。
　ですからここのイエス様のみことばに「さばいてはいけません、さばかれないためです」と言われているので、批判し合うのはやめましょう、というふうにメッセージがなされることがあると思うんですけれども、―確かにここは原文ではクリティカルの語源となったことばが使われているものの―「批判、即、罪」と捉えるメッセージは、何か批判というものを単なる文句や攻撃だと誤解していることなんじゃないかと思いますね。
　特に、ジャニーズ問題や、政治の不正の問題から、批判をしないことが、悪を温存し、悪に加担することであるということが、多くのことから分かってきました。マルチン・ルーサー・キング牧師が
 
「最大の悲劇は、悪人の圧制や残酷さではなく、善人の沈黙である。沈黙は、暴力の影に隠れた同罪者である」
 
と言ったように、
 
【悪や不正がある場合おいては、批判しないことが罪になったりする】
 
わけですね。結果的にその悪に間接的に加担してしまうからです。
 
まぁでも、悪や不正がない場合でも、建設的な場合であっても、批判というのは、たいてい、聞いて気持ちいいものではないと思います。ですから、批判には、必ずエンカレッジメントが必要なんだ、という人がいます。エンカレッジメントというのは、それを聞いて私は、「これは確かに、凄く大事なことだ」と思いました。
というのも、スポーツ選手でも、色んな分野でも、頑張って前に進んでいる人が、批判されたら、批判されたことによって、時に落ち込んだり、傷ついたりすることがあるからですね。で、そこで、結局やっていくのはその人なのだったら、そこでその人に、励まし、勇気づけることですね。その人の存在や努力を肯定する言葉をかけたり、「この点はいい」っていうふうに褒めたり、するわけですね。
 
　また批判について、色々と思いめぐらせていますと、私は過去に痛い経験があるんですね。ある分野の方に、その分野のある点について質問をしたら、突然怒り出して、「それは批判やろ！」と言われて、あなたは高慢だ、とか言われて人格否定の言葉を言われて凄い傷ついたことがあるんですね。私質問しただけでそんなふうに取る人には初めて出会いましたから、ずいぶん変わった方だなと、ビックリしてしまいましたけれども、後で色々調べてみましたら、質問に答えないで、質問者の人格を否定するという論法は、古代ギリシャからあった詭弁の論法で、古代から論点ずらしの卑怯な論法だと言われているんですね。本来は、質問された【内容】に対して、何かを言わないといけないわけです。
　
　でも、後になって、いや気持ちだけなら、分からなくもない、と私がユーチューブなどで聖書やその関係のことを発信するようになって、ほんの少しだけなら、思うようになりました。
　というのは、よくコメント欄に、色んなことが書き込まれるんですね。本当に色々で、ほめてくださるコメントもあれば、イエス様のみことばに恵まれました、というコメントもあれば、まさに誹謗中傷もあります。あなたはサタンだ、ぐらいに書かれることもあるんですね。まぁそんな誹謗中傷は、いたずらで、スパムといって、ブロックする方法もありますし、無視していいわけです。で、普通の質問のコメントもあります。その質問の中には、はいはい、それについてはってスイスイスイっと答えることも多くあります。
　でも、この先が私の弱さ、大きな欠点で、悪いクセなんですけれども、んんっ！？って思うことがあるわけですね。コメント欄を見て「この人はこの言い方で、このことについて質問をして、何の意図があるんだろうか？」と勘繰ることがあるんですね。私も傷つきやすくて、被害妄想的なところがあると思います。それで―正直に申しますと―「どうもこの質問は、私の神学的に弱いところや、あやふやなところを突いて、おとしめたり、『あなたはそんなことも知らないのか？牧師失格ではないか？』と言うための―つまりさばくための―質問ではないか？」と勘繰ってですね、理論武装をたくさんして、過剰防衛のような反論をしてしまいたくなる時があるんですね。相手の人格否定はしないものの、私も質問を攻撃だと取る人に似たようなところがあると思いますね。
 
　そういうわけで、私の目の中に、丸太、梁があるわけなんですけれども、
 
　ある牧師先生が、そのことをこういうふうに言っています。
 
【「さばき」の様相は多くあったとしても、「さばき」の真相はひとつです。その「真相」とは、私たちのだれもが持っている、自分はさばかれているかもしれないという「恐れ」です。この「恐れ」はとても根深く、自分がさばかれているという「恐れ」が強ければ強いほど、それだけ強く人をさばく傾向があるようです。さばかれているという「恐れ」に耐えることができずに人をさばく。これがさばき合いの心理です。】
 
　深い、と思いますね。私の言い換えからすると、恐れから来る過剰防衛になるわけですけれども、この恐れこそが、目の中にある梁なのではないかと思いますね。今日の3～5節をもう一度読んでみます。
 
3あなたは、兄弟の目にあるちりは見えるのに、自分の目にある梁には、なぜ気がつかないのですか。
4兄弟に向かって、『あなたの目からちりを取り除かせてください』と、どうして言うのですか。見なさい。自分の目には梁があるではありませんか。
5偽善者よ、まず自分の目から梁を取り除きなさい。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からちりを取り除くことができます。
 
　イエス様の、大工さんらしいオーバーな、誇張表現のたとえです。このみことばをですね、ともすれば、人間関係の秘訣とか、そういうフレーミング・枠組みで捉えて語られることがあります。何か聖書の名言集・イエス・キリストの名言集などという本があったら、それにおさめられそうなことばですけれども、よくありますよね。梁というのは、家の中の大きな横木ですね(新共同訳では丸太)。ちりというのは、おが屑とこの箇所では訳されることもありますね。ですから、自分と相手の欠点だととらえて、相手の欠点はおが屑のように小さなものだ、あなたの欠点は梁のようなもので遥かに大きいのだから、相手を悪く言うのはやめましょう、というような、格言か、クリスチャンの道徳のように語られますとですね、どうもうまくいかないところがあるわけですね。
　というのは、その場合、みことばを使って、批判、誹謗中傷を口にするのをやめましょう、と心得を語るだけですので、それは我慢させているだけなんですね。我慢も大切なことだとは思うんですけれども、先ほどの牧師先生が書いていらっしゃるように、
 
「恐れ」に耐えることができずに人をさばく。これがさばき合いの心理です。
 
　と鋭く突いていますように、その我慢というか心の抑えを超える恐れが来たら、爆発して相手を言葉で攻撃する(という過剰防衛をする)ことってあるわけですね。
 
　ですからこのみことばは、人間関係の秘訣という、そういう枠組みで捉えること自体が、そもそもちょっと違うのではないか、ということですね。イエス様は、前後の文脈を見ますと、人間関係の秘訣を、ここで教えようとしておられるわけでは、どうもないようです。
　思い出してみますと、この山上の説教の文脈は、第5章から第7章の終わりまで、一貫して、パリサイ人律法学者批判が一本のテーマとなっていると言えます。彼らの口伝律法批判というのも一本のテーマになっています。言い方によって、何が一本のテーマになっているか、さまざまな表現ができるんですけれども、あなたがたは、敵を愛しなさい、とか、右の頬を打たれたら左の頬も、とか、左手にも知らせるなとか、モーセの律法の本当の心を教えられた。でもこれらのことを厳密にやろうとしたら、できないでしょ、とおっしゃって、罪を示し、すべての人に、神のゆるしが必要であることを明らかにされる、そういう一連の文脈の中でのことばなのだ、ということを考えた時に、厳密には、私たちの心の奥底には、根深い、恐れ、という梁があるので、さばかない、ということはできない、そういう悲しい存在なのだ、ということに気付かせようとなさっている。その上で確かな希望を与えようとしてくださっているのだということですね。
 
　それでここで、前の文脈を思い出すことがとても大事だと思うんですけれども、明日のことを思い煩うな、空の鳥をよく見なさい、野の花のことをよく考えなさい。神の国とその義とを求めなさい、そうすれば、衣食住は添えて与えられる。あなたがたは鳥よりも価値ある神様に愛され大切にされているものではないか、と主イエスは私たちに語って下さいました。
　そこから、明日への心配は無用というテーマから、第7章に入ったら、一変して、人間関係という全然別のテーマに移った、と見られる場合があるんですけれども、そうじゃないと思うんですね。この章節は後につけられたもので、本来区切りって無かったわけですから、イエス様の意識はずうっっと一貫したものが貫いているんです。
　でそれは、第6章の最後までで、魂の平安、安心を与えてくださいましたね。地上のお金や財産は頼りにならないマモンなんだ。それよりもずっとあなたがたを神は守って大切にしてくださっているのだ。しらがになるまで、天の御国に行く日まで、あなたを守り支えてくださるのだ、そういう安心、守りを与えてくださいました。
　そこが、やはり関係していると思うんですね。そのイエス様が語られている梁ということばが恐れを意味しているのかどうかは、釈義上正しいかどうかは分かりませんけれども、私たちは体験的によく知っているのではないでしょうか？イエス様のくださる平安、魂や心の安心というものが、心に増えれば増えるほど、恐れが減って、そして、過剰な防衛をしなくて良くなるという経験を多かれ少なかれしていらっしゃるのではないでしょうか？
 
　とすると、5節の「偽善者よ」というイエス様のことばも、厳しいお叱りのことばだと理解されることが多いんですけれども、私はある意味での慰めのことばだと思うんですね。このことばは、もともとは、役者っていうことばです。ギリシャの演劇の用語なんですね。仮面をつけて演技する者っていう意味です。それは、特に私のような世代の者には、―すべての世代にもちろんそうなんでしょうけれども―凄くよく分かるような気がするんです。ありのままの自分じゃだめだから、誰かを演じていないといけない。そうしない者には生きている価値がない。っていう価値観の中で、背伸びして、自分を演じて、間接的にでも、「それ背伸びなんじゃないですか」って言われた時に、「何をっ！」って自分を守るために過剰防衛してしまう。それが私たちの悲しさなんですけれども、そこの梁にですね、光が射した。「ありのままのあなたを愛しているよ」と主が声をかけてくださったんです。そこでほっとして、仮面を外して、ありのままの自分の姿を、素直に見せることができる。
　そんなふうに福音によって心がほっとすると、「批判するのはやめましょう。」なんて人に言われなくてもですね、ほっとする心が、過剰防衛をやめさせてくれるんですよ。そのことを、テゼの修道士ブラザーロジェは、本当に、宝石みたいな、こんなことばで表現するんです。
 
【人への愛から育まれる自制は、想像によって誇張された感情や印象に心が奪われることのないよう、自分の心を注意深く見極めます。そのようにして、他者のために、また自分自身のために、心の平和を守るのです。】
 
　素晴らしいことばだと思いますね。どのことばに特に心が留まるかはそれぞれだと思いますけれども、私は「想像によって誇張された感情や印象」というのに心が留まりました。
　というのは、争いというものの全部とは言いませんけれど、これが原因のことが多いですよね。だけれどもそれに心が奪われることがないようにしてくれる。ここではロジェは、人への愛から育まれる自制は、と、していますけれども、イエス様がありのままを愛して守ってくださっていることから来る魂の平安、心の平安は、と言い換えてもいいですね。人のタイプにもよりますけれども、想像をふくらませた被害妄想に陥りにくくさせてもくれますね。
 
　それでその福音の中身というのが、今日のみことばのどこに語られているかということなんです。そこで6節をもう一度お読みしたいと思うんです。
 
6　聖なるものを犬に与えてはいけません。また、真珠を豚の前に投げてはいけません。犬や豚はそれらを足で踏みつけ、向き直って、あなたがたをかみ裂くことになります。
 
　と。これは、また全然別の話題が出て来た、と思われた方もいらっしゃると思います。（「豚に真珠」という日本のことわざは、このみことば由来のことわざなんですけれども、）その前が、聖なるものを犬に、となっていますね。この聖なるもの、ということばは、イエス様が語られたアラム語にさかのぼると、「耳輪」だったのではないか、という説があります。要するにイヤリングです。そうすると、とてもすっきり意味が通るわけですね。イヤリングも、真珠も、装身具だからです。
　そういう高価なもの、価値のあるものを、―これは犬好きの方には申し訳ないんですけれども、私は猫も犬も大好きなんですけれども―当時ユダヤでは汚れた動物とされていた、犬や、豚に投げても、その価値が分からず、かえって、投げた者に向き直って、かみ裂いてくるだろう、という謎めいたことばですね。
　これを、先ほど申しましたように、全然別の話だと捉えて、現に、新改訳聖書だと、一段下げて、5節までとは別の段落にしています。けれども、これは5節までと、きちんとつながっている話だと思います。(新共同訳ではつなげて6節まででひと段落としています)
　
　それでその意味についてですね、多くの神学者たちが議論してきました。そこで一番多い説というのが、伝道の文脈で語られる説ですね。この真珠とかイヤリングという価値のあるものは、福音とか、神のことばとか、イエス・キリストの救いなどと理解されることが多いんです。
　私たち教会は伝道をする、イエス・キリストの救いを伝える、けれども、特に日本の場合はより、そうなんですけれども、福音を聞いてくれる人は少ない。まぁその話はまた今度にしようか、とか、そんな宗教よりも、と言ってくる人もいる。さらにはですね、激しく怒ってくる人もいるんですね。私も伝道して何回も怒られたことありますね。
　そういう福音を伝える者への、慰めのことばとして理解されることが多いわけです。その人の霊的状態にもよる、心が福音に対して、イエス・キリストに対して、閉ざされている状態の時に、やたらめったら福音を語ってもよくないことがある、そういう時には、イエス様は別の箇所では、足のちりを払い落として次の町に行きなさいと言われたように、一時的に逃げてもいいんだ、と、必ず、福音に心開かせて下さる時が来る、などということだと理解されることがあります。
　それは多分間違っていない解釈なんだと思いますけれども、
 
ある神学者がこのことばをとき明かして、こういうことを言いました。
「神のことばは弱い。人にあなどられ、捨てられるほどに弱い。だからそのみことばに仕える者も同じように弱い。自分のことばが通じない時には、逃げるしかない。黙るしかない。」
そう言うんです。とっても不思議なことです。いや普通に考えれば神のことばは力があるとある通りに、強いはずじゃないのか？
けれども、私たちにゆだねられた福音は、私たちが世間で考えるような強さを持っていない。人びとに踏みにじられるような弱さしか持っていない。
そしてこの神学者はさらにこういうことを言います。
「このみことばの弱さを知ろう。このみことばの弱さを知ならなければ、なぜ神があれほどに弱い、へりくだった存在になってくださったか　その秘密を悟ることはできないだろう。」
もちろんこれは　主イエスの十字架のことを言っているのです。そして言うのです。犬や豚に、殺されてしまうほどに弱いみことば、それほどに弱いみことばだけが、罪びとを心から悔い改めさせることができるのだ。」
これはしかし、私たちひとりひとりが経験的にすでに知っていることだと思います。
私たちが救われたのは、主が強いお方であったからではありません。「さばいてはいけません。さばかれないためです」とおっしゃった方ご自身が、十字架におかかりになって、神にさばかれてくださったのです！そのことによって、私たちの罪がゆるされたのです。
主が十字架につけられるほど弱いお方であったからこそ、人びとに、踏みにじられて、引き裂かれながらも、なおもその人々のために祈るような、そういう弱いお方であったからこそ　私たちはこのお方によって救われたし、本当に悔い改めることができたのです。
もしこのお方がただ強いだけのお方で、あれがいけない、これがいけない、と裁くだけのお方であったならどうでしょうか？私たちはますます萎縮するか、仮面をつけて私に罪は無いです、と自己正当化するか、過剰防衛するだけでしょう。けれども、ありのままの自分を愛してくださっていて、罪を素直に告白しても、ゆるされるお方の前では、恐れは消えて、あるいは少なくとも恐れは弱まり、「恐れ」に耐えることができずに人をさばく。ということは少なくなる。そういう体験を、信仰生活において、もうすでにしていらっしゃると思います。
 
私たちは、その弱いみことばと共に愛する者のもとへと赴いて行きます。そこでたとえみことばが受け入れられないということが起こっても、失望することはありません、壁にぶつかったら立ち止まればよいのです。
そしてそのように立ち止まらざるを得ないような弱いみことばだけが、この人を救いうるのだ。この人を心から愛してくださるお方が、今も生きておられるのだ、その思いで、ここから遣わされて行きましょう。
 
お祈りをいたします。
恵みとあわれみに富みたもう、私たちの主イエス・キリストの父なる御神
さばいてはなりません。さばかれないためです。とおっしゃったお方が、
十字架の上での神のさばきに自らおもむいて自ら引き裂かれてくださいました。
私たちが本当は裁かれなければならない者だったにもかかわらず、です。
私たちは、その主の犠牲によって、完全に罪ゆるされて、安心して
神の前に憩う者とされていますことを、今日も驚きをもって受け止めます。
私たちはこの方の前でこそ、仮面を外して、恐れは薄まります。
主よ、その弱いみことばと共に、世に出かけて行きます。どうか福音を高価なものとして受け入れる人に出会わせてくださいますように。主イエス・キリストの御名によって祈り願います。アーメン。
 
#さばいてはいけません #豚に真珠