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【初産】初めてを一度にたくさん経験した出産の話 〜後編〜

前編はこちら

出産当日③〜ひたすら陣痛に耐える〜

LDR室で入院に必要な書類などのやりとりをしたあと、分娩着に着替えて、ソファで夫に腰をさすってもらいながらだんだんと間隔が狭くなっていく陣痛に耐えていました。
(この時点で陣痛間隔は3〜5分になっていました)

しばらくして助産師さんがやってきて、分娩台に上がりましょう、と言われたので立ち上がると今までとは比べものにならない量の羊水がドバババッと出てきました。

「これはもう破水だね」

と助産師さんがテキパキと産褥パッドとショーツをセットしてくれて、いよいよお産が始まるんだな、という気分になりました。

GBS検査で陽性になってしまったので抗生剤の点滴(初点滴!)と、NSTの機械をセットされ、夫と2人で過ごしました。

しばらくしてからお昼ご飯が配膳されたのでランチタイム。
(夫の分はないので外へ食べに行ってもらいました)
陣痛の波が来ているときは深く息を吐いて痛みを逃さないと耐えられないレベルになっていたので、陣痛と陣痛の合間にご飯を口に運んで完食しました。

ご飯を食べたあとから陣痛がだんだん強くなってきて、思わず声が出るレベルに。
夫に腰をさすってもらったり、水を飲ませてもらったりしながら過ごしました。

この時点で思ったのは立ち会い出産を希望して良かったということ。
ひたすら1人で痛みに耐えながら数時間過ごすのは辛かったと思います。
「痛いよ〜」と訴える相手がいるだけでもだいぶ気持ちが楽でした。


出産当日④〜陣痛促進剤〜

陣痛がかなり強くなってきているな、と感じながらもMAXがどのくらいなのかが未知なのでお産がどこまで進んでいるのかもよく分からない中、助産師さんが様子を見に来ました。

「子宮口は4cm、甘く見て5cmくらいかな。あんまり期待させちゃいけないけど、明日の朝までには生まれるかもね」

と言われて、まだ12時間以上かかるのか、と気が遠くなりました。

そして、しばらくして少し陣痛が弱くなってきたかな、と感じていた頃にお医者さんと看護師さんが来て

「陣痛が弱くなってきています、破水から時間も経っているので、お母さんの体力と赤ちゃんのためにも陣痛促進剤を使いましょう」

と、陣痛促進剤使用の同意書にサインを求められました。

できるだけ自然に出産したかったので少し抵抗がありましたが、仕方ないのでサインをしました。


出産当日⑤〜出産〜

陣痛促進剤の点滴が用意されたあと、助産師さんから

「ここに来てからお手洗いは行った?出すもの出しておくとお産がグッと進むから、お薬入れる前に行っておいで」

と言われ、陣痛の波が来るのが怖くて動きたくなかったのですが、夫に連れられて抗生剤の点滴をガラガラ引いてトイレに行きました。

「出た?」と夫に何度も覗かれながら(夫にはもう何を見られても平気です 笑)、陣痛の波に悶えながら何とか用をたして分娩台に戻ると、痛みがどんどん増してくるのを感じました。
もう恥とか関係なく絶叫です。笑

よく言う、重めの生理痛+腰を金槌でガンガン打たれる痛みのダブルパンチでした。

この様子を見た助産師さんが

「薬使わなくても自分の陣痛でいけそうだね」

と陣痛促進剤を使わずに進めてくれました。

「これから陣痛がもっと強くなったら、ご主人はお尻のあたりをグッと押していきみ逃しのお手伝いをしてあげてね。押す場所は奥さんと上手く連携しながら探ってね」

と助産師さんから説明を受ける夫。

しばらくすると、陣痛の波と同時に産道あたりに圧がぐんとかかるようになって、油断すると何かが出てきてしまうような感覚になりました。

「出るぅぅ!!押してぇぇぇぇ!!もっと下ぁぁ!!」

と叫びながら夫にお尻をグッと押してもらうこと数回。
助産師さんに子宮口を確認してもらったところ8cmくらいとのこと。

「まだ10cmいかないけど、もういきもうか!分娩の体勢になろう、ご主人は少しカーテンの外で待っててもらえる?」

と言って、助産師さんがパパッと準備をしてくれました。
ようやくいきめる!もうすぐ終わる!と希望の光が差しました。

いきみ方の説明を受けて、助産師さんの合図で一度いきむ練習をすると液体が漏れました。
汚い話で申し訳ないですが、おそらく尿漏れで助産師さんが手際よく処理をしたあと、(たぶん)カテーテルで尿を抜いてくれました。
(おそらくここでカーテンから思わずこちらを覗いてしまった夫が一旦退室指示を喰らっていました 笑)

準備が終わり、夫が復帰し(笑)いよいよ終盤。

・陣痛の波が来たら(波が来る前に前兆があるのでもうすぐ来る、と分かります)
・深呼吸をして
・思いっきり吸ったタイミングで息を止めて
・両脇のバーを握って手前に引くように力を入れて
・声を出さずにいきむ

説明された通りに3回くらいいきんだあとにお医者さんが来て

「赤ちゃんがスムーズに出て来れるように今から会陰切開をします。その前に麻酔しますね」

と会陰部に麻酔の注射を打たれました。

恐れていた会陰切開…!!とビクビクしていたのですが麻酔の痛さも陣痛の痛みでほぼ感じず、会陰部も3箇所くらいチョキッと切られた感じがしましたが麻酔のおかげで全く痛くありませんでした。

そのあと2回くらいいきんで、赤ちゃんの頭が股に挟まっている感覚が。

「挟まってる!挟まってる!」

と夫に訴えながら、次の波で渾身のいきみをして遂にどぅるんっと赤ちゃんが出てきたのを感じました。

と、ほぼ同時に元気な泣き声が聞こえました。

生まれた…

陣痛の痛みから解放されて放心状態の私の胸に赤ちゃんが乗せられました。

この子がついさっきまで自分のお腹に入っていたとは信じられませんでした。


そのあと、夫は一旦退室して産後の処置。

まずお腹をぐっと押されて胎盤を出して(これまたどぅるんっと出てくるのを感じました)、会陰切開した部分を縫ってもらい(縫う前にまた麻酔を打ってもらったので痛くありませんでした)、体を拭いてもらって、パジャマを着せてもらいました。

その間、ただ無心で横に寝ている我が子をボーッと見つめていたと思います。

そのあと夫が戻ってきてしばらく3人での時間を過ごしたのち、夫は帰宅。

配膳された夜ご飯を完食して、車椅子で入院生活を過ごす個室へ連れて行ってもらいました。



本陣痛から出産まで約10時間半強。
いろんな方の出産レポのブログや動画を見ていたのでなんとなくイメージは出来ていましたが、実際に経験するのとはやっぱり別物。

今までありがたいことにずっと健康に過ごしてきたので入院することですら初めてで、全てが初めてのことだらけで人生の経験値が一気に上がった10時間半でした。

おそらく、いきんだときに大きい方の便も出てしまったのですが(これまた汚い話ですみません)助産師さんがササっと処理してくれたので気になりませんでした。
何をするにも助産師さんは手際が良くてさすがプロ!という感じでした。

そして何より、ずっと立ち会ってくれていた夫には本当に感謝しています。

私の手を握ったり、腰をさすったり、お水を飲ませてくれたり、「吸って〜吐いて〜」と声かけしてくれたり、お尻をグッと押してくれたり。

私が陣痛に悶える姿を見て目に涙を浮かべてた様子が印象的でした。

たぶん私一人では不安も大きくて冷静でいられなかったと思います。



ちなみに、私と同じタイミングで陣痛が来ていた妊婦さんも隣のLDR室で頑張っていて、私の10分後くらいに無事出産したようです。



とにかく無事に生まれてきてくれて良かった。
育児に疲れたときは、この日の気持ちを思い出して頑張ろうと思います。



ではまた。


立ち会ってくれた夫目線の出産レポはこちら


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