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第五回メメントモリフォーラム 佐藤由美子さん

佐藤由美子さんが二人目の登壇者でした。

彼女の活動の中での印象的な事例とともに彼女の歌声により、感情や記憶を呼び起こすということを実際に経験できました。

彼女は音楽療法をホスピスで行ってます。音楽療法というと、高齢者施設でみんなで歌を歌ったり、リズムに合わせて体を動かしたりと行ったようなことを思い浮かべる方も多いと思います。

そういったレクリエーション的なものではなく、もっと根源的なものにアプローチをしていくことに音楽というものを活用しているのです。スピリチュアルペインと向き合うものと言えるかもしれません。

彼女はアメリカでの活動が長く、日本に帰ってこられた時に、巷に”スピリチュアル”という言葉が溢れていてびっくりしたという話もされておられました。WHOが緩和ケアでは、生命を脅かす疾患に直面している患者に対し手を差し伸べるべき、3つの問題、身体的、心理社会的、スピリチュアルなものが、提起されています。そのうちのスピリチュアルなものは容易に解決しない個別の人生に関わる苦悩と言われています。

音楽を通じて、その人の心に眠っている感情や記憶を呼び起こすことで、いろいろなものを昇華させていくものと理解しています。回想療法も兼ねあわせたものです。回想療法とは過去の思い出を語り合うことで精神が安定するということで、最近は認知機能も安定する効果があるということで、認知症の方へのアプローチとしてご存知の方もいらっしゃると思います。

 佐藤さんのセッションこちらの動画は、音楽が認知症の方にも響いていく瞬間を捉えています。https://www.facebook.com/lastsong.jp/videos/vb.793079214090677/811745368890728/?type=2&theater

多くの人が、死に直面すると過去のことを思い出すというお話もありましたが、死を受容するために必要なプロセスなのではないでしょうか。思い出すということを音楽をきっかけに促して行こうというものが音楽療法なのです。

癒しというものは他人から与えられるものではなく、自分自身が気づくことでもたらされることである。

彼女の音楽で、心が揺さぶられ、浮き上がってくる感情を自分で感じ考え受け止めていく、そのプロセスが死に逝く人々に大きな救いになるのが実感できた時間でした。ホスピスという場でなくても様々な場面で大きな力になるのではないでしょうか?

佐藤さんの本を読むとより理解が深まると思います。
ホームページにもぜひ!
ポドキャストでいろいろな人のインタビューもされています。

http://yumikosato.com/2017/09/10/死に逝く人は何を想うのか/

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