「芸術とは数学である」



と言うと


いやいや違うよ


数学はきっちり機械的なモノで


芸術はなめらかで有機的な大自然のようなモノなのだから。


なんて返事が返ってきそうだが。


芸術は数学である。


■映画パイレーツ・オブ・カリビアンでの海のシーン


あのうねる波はほとんどがCGである。


コンピューター・グラフィックスであり


計算によって波を動かしている。


つまり数学が大自然を表現するのである。


同じ様な波表現で「崖の上のポニョ」の津波のシーンなどもあるが


あれは手描きで波の動きを表現している。


これはこれで魅力的な表現でダイナミックで美しいが


どちらが本当の自然に近いかと言えば


もちろん手描きアニメよりCGの方が「自然」なのだ。


そう、意外なことに数学は自然を描写する能力に優れている。


芸術が自然を表現することなのだとすれば、


自然を見事に表現できる数学は芸術だと言えよう。


■これはどちらがどう、というわけではなく。


数学も芸術も同じモノだと言う話なのだ。


アインシュタインなど天才的な数学者は


途中の計算なしに直感的に答えがわかることが多いと言う。


計算はその答えを証明するためにするのだそうだ。


音楽家だってそうだろう。


様々な音楽理論はあるだろうが


そんな理論をふっとばして


いきなり良いメロディーが頭の中に浮かんだりする。


■両者は自分の無意識で計算をしているのだ。


直感とは数学的問題を一瞬で解く能力なのである。


だから良き芸術家になればなるほど、


数学の天才だとも言えるのだ。


本人は数学など苦手だ、と言うかもしれないが


画家が引くべき線を選ぶのは


一瞬にしてモノの状態、バランス、光の強弱を計算し。


そして出力しているのだ。


というわけで芸術家は数学者でもある。


■もちろんそれだけでなく、絵を描いたり音楽を作るには


ある程度の知識と修練が必要なので。


数学者が誰でも芸術家になれるわけではない。


しかし、それさえいとわなければ。


数学者が芸術家になるのはたやすい、と言えよう。


なぜなら


「数学は自然を理解する学問で」


「芸術は自然を描写する表現」


なのだから。


「芸術とは数学である」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?