バイト先の奴に無茶苦茶嫌われた話。

これまでの人生を思い返してみると、
僕は友達がそこまで多くはなかったが、仲のいい奴はとことんまで仲が良かった。
遊びに行ったり飲みに行ったりするメンバーは常に大体同じで、いつもと違う人と遊ぶなんてことはほとんど無かった。
要は、「狭く深い関係」ってやつだ。

そして、それと同時に一部の人達から物凄い嫌われてしまう。
小学生時代はまだなかったかもしれないけど、中学、高校時代は僕のことを恐ろしく嫌いなグループが一つはあった。
自分で「あ、こいつら俺のこと嫌いだな」と気づくこともあれば
他の人から教えて貰うこともある。

僕と仲が良い人にはある共通点があって、
それは「懐の深いちょっと変な奴」である。
人の持つ欠点を受け入れるのが得意な人。
欠点だらけの僕のことを、面白い奴として見てくれる懐の深い人達である。
そしてどこかしら性格にクセがある。僕もクセがあるとは自覚しているが、そのクセ同士がぶつかり合わずに済んだ時に仲良くなれるのだと思う。

僕を嫌う人にも共通点がある。
僕は、真面目に頑張っている人間のことは大好きだが、適当な人間のことを嫌う性格だ。
学生時代、合唱コンクールの練習でサボる奴や受験勉強の時期に遊んでいる同級生が大嫌いだった。
あと、授業中に喋ったり先生が話してる時に聞いてない奴も嫌いだった。
そういう奴に対して、注意したりすることも結構多かった。
そんなことをしていると、あっという間に一部から嫌われてしまったのである。

まあそうは言ったものの人間関係なんて一括りに出来るものではない。
例えば、僕はオーケストラホルンの山本とは仲が良いが、
これまでの僕の人生経験からすると確実に仲が悪くなっていたタイプの人間だ。
(山本は真面目で努力をするタイプの人間だが、そこ以外の部分で相性が悪そう)
適切な距離感を保っているから仲良くできているのかもしれない。
おそらく同じ部屋に3日も一緒にいたら、3日目には野生の雄猫を同じケージに入れた時のように毛を逆立てた威嚇のやり合いが始まってしまうことだろう。
だがそんなことになることもなく、僕の胸を高鳴らせる素敵でエッチな動画をLINEで送って来たりする。
僕にとっての山本は、同じ芸人という戦友でありながら、みんなにとってのXvideoみたいな存在なのかもしれない。

すみません。山本の話は正直今回の話に全く関係なかったです。

そんな僕だが、バイト先のとある人に信じられないくらい嫌われてしまった。
その人は、あまりにも僕のことが嫌いすぎてバイトを辞めた。

僕はコンビニで働いているのだが、バイト中、1文字たりとも喋りたくない人間だ。
接客や業務連絡は勿論大丈夫なのだが、プライベートな話を仕事中に絶対にしたくない。
お客さんとも喋りたくないし、同じバイトとも全く喋りたくない。
プライベートな話題で話しかけられても、すぐに会話を終わらせることに全力を注ぐ。
悪態をついたりは流石にしないが、質問に対し最低限の文字数でYESNOだけを返し、
その後話題を広げることは絶対にしない。なので、バイト先の人と基本仲良くなることができない。

その上で僕は、「もったいない精神」というものが自分でもすごく強いと思う。
勿体無い行動をしている人間のことがすごく嫌いになるのである。

例えば、レジ横で売っている揚げ物を、必要以上に作ってしまって余らせ、廃棄を多く出す人間が大嫌いだ。
食べ物を捨てるという「勿体無い行為」が生理的にどうしても受け付けられない。
新人で加減が分からない場合は全然許せるのだが、長く働いている人に対しては「この年数働いててまだその程度のレベルなの?大丈夫?」と思ってしまう。

そして、品出しが適当だったりする人間も許せない。
ちゃんと品出しされていれば、それを買うお客さんもいて売り上げに繋がるのに、
品出しが適当だと本来入るはずだった売り上げをみすみす逃すことになり、それを「もったいない」と思ってしまうのである。
ちょっと頑張れば手にいれることの出来た利益、あるいは防げた損失のことを考えられない人間を心の底から軽蔑してしまう。


要は、クソ真面目なとっつきにくい人間なのである。


上に「僕のことを嫌いすぎて辞めた人がいた」と書いたが、
この人とは本当に性格が合わなかった。
20歳くらいの若い男の子である。

この人は、揚げ物を廃棄時間の前に平気で捨てる(早く清掃業務に入りたいから)。
あえて効率悪く仕事をし、退勤時間に仕事を終わらせず、店長に無断で残業をして金を稼ごうとする(彼のせいで月の人件費が5万余計にかかった)。
仕事中、鬼のように私語をする。たまにそれでお客さんを待たせることもある。
僕が優しめに指摘しても、絶対にその癖を治さず、むしろ僕のことを無視するようになった。

僕はそれに対して恐ろしくイライラしていた。店長にも色々と報告をした。
だが店長は非常に優しい人間なので、彼に何も言わなかった。
このままでは問題が解決しないということがわかった。

そして僕は、指摘することをやめ
本来彼の分担だった仕事を奪うことにした。
要はバイト中にやらなくてはいけない仕事の大部分を僕がやるようにし、彼にはほとんど何もやらせないようにしたのである。
こうすれば僕が納得行く仕事の出来になるし、イライラもせずに済む。
これで全てが解決すると思ったのである。

だがそうなると彼は、残業して金を稼ぐことが出来なくなる。
何故ならあがる時間には仕事が全て終わってしまっているから。
残業したいのに残業する理由がない。

すると彼は、「全くやる必要のないどうでも良い仕事」をすごく長い時間かけてやるようになった。
一ヶ月に一度程度やれば良い仕事を毎日やるようになったのである。4時間くらいかけて。
勿論残業もしまくる。夜勤で朝の6時に退勤する予定が、ひどいと9時頃まで残業するようになった。
流石に店長もやめてくれと言い始めたが、一切聞く耳を持たなかった。
店長が強めに注意をすると、黙りこくったあと涙目で顔を真っ赤にしながら帰っていった。ドアもバン!!と音を強く立てて閉めて行った。
それで心優しい店長は彼に何も言えなくなってしまった。

僕は、再び彼に言うようになった。
人格否定や、精神的に追い詰めるようなことは絶対に言わないということだけ心がけ
、かなり論理的に彼の仕事内容に指摘した。物凄くイライラしていたが優しい注意ができていたと思う。
そうなると僕のことを完全に無視するようになり、僕の視界に入る場所から極力いなくなるようになった。
大事な業務連絡も一切しなくなったため、普通に仕事に大きな支障が出た。
なので僕も負けじと彼を捕まえて色々と言いまくった。勿論僕なりに、かなり言い方を気をつけて。
毎日毎日注意した。彼がどんどんと僕のことを嫌いになっていっているのが分かった。

そうしているうちに彼はバイトを辞めた。
最後に、店の常連客に僕と店長の悪口を言いまくって。
店から金を吸い上げるように奪っておきながら、最後にきちんと有給申請をして(勿論従業員の権利なので良いのだが、「払わないと法に触れますよ」と店長を脅した。店長は最初から払うつもりだった)。

もし僕が「バイトなんだから適当にやろう」と考えていたら
彼に対して指摘することもなかったと思うし、
仲が悪くなることもなかったと思う。
(事実彼は他のバイトとは仲良くしていた。)
そしてまだ彼はバイトを続けていたと思う。
僕の性格的にどうしても許せなくて、衝突してしまったのである。

これが僕の人生の中で最も仲が悪くなった人間である。
ちなみに今は、我の強い中国人と凄く仲が悪くなっている。

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