バセドウ病から復活したマリコの話
Jリーガーさんがバセドウ病(甲状腺機能亢進症)を発症し、治療中であることを明らかにした。
ここでバセドウ病経験者からエールを送るべく、自らの発症〜回復についてまとめます。
治療を受けたら必ず回復します!そして、今まで通り元気に動けるようになります!だから、今はしんどくてツライでしょうけど大丈夫!またJリーガーとしてゴール前に立てますから!
発症は突然に…?
20代前半、ある大事な仕事がひと段落し、ホッとして眠りにつきました。朝目が覚めると、ものすごい動悸。一人暮らしだった私は、朝食の準備をしようとするが、まず立ち上がれない。動悸と息切れが激しく、1m這うように移動しただけで息が上がる。一度横になって息を整える。そして顔を洗いに洗面所へ…行けない。気合いで立ち上がったものの、すぐに息が上がり、柱につかまって息を整える始末。玄関にも行けない。こりゃダメだ…。
職場の先輩に電話をかけ状況を話すと、病院に連れて行ってくれることになった。『今すぐ部屋まで迎えに行くから、玄関のカギを開けておいて!』そうは言うものの、玄関まで這って行くのに5分以上。息が上がっては休み、少し動き、息が上がって休む…情けなかった。一晩で身体に何が起きたのか、訳がわからない。
再び洗面所へ這っていき、顔だけ洗った。顔色はふつう。ただ動悸と息切れがひどい。それだけ。
30分くらいして先輩が迎えに来てくれたときは、ジャージのまま布団に横たわっていた。呼吸を整えてからゆっくり移動…先輩の車の中ではぐったりしているものの話はできるので、朝からどういう状態なのかを話した。すると『それ、心当たりあるわ。専門の病院へ行ってみよう。』と言って、神戸の専門病院へ。
病院の駐車場から入り口まで、ゆるい上り坂…息が上がる。1m歩いて休み、また1m歩いて休む。そんな感じでやっと病院に入りました。
有名な専門病院で、予約の患者さんがいっぱい。そんななか診察前検査。身体計測、血液検査、尿検査、エコー…だったかな。いざ診察室へ。検査結果をみてドクターが『うん、バセドウだね、よくここに来たね。バセドウのこと知ってたん?』と。つまり、先輩の予感が的中!この先輩のおかげで、スムーズに受診や検査を受け、今後の治療について詳しい説明を聞くことができた。今の状態→治療→回復への道筋が見えて、どれだけ安堵したことか…。
診断がおりることが大事
あなたはバセドウ病のようです。と診断がおりると、治療内容や回復までの道筋が見えてくる。だから、診断がおりることが回復への第一歩。原因不明のまま、ずっと動悸と息切れに悩まされるほうがつらい。
回復(完治)は人それぞれ。しかし、治療中であっても仕事や運動はできる。いつも通りの生活を送ることができる。完治は大事だが、完治までに時間がかかる病なので、うまく付き合っていくしかない。私の場合、完治までは2年かかると言われていた。
治療とは?
診断を受け、2種類の薬を処方されて帰宅。薬の効果がでるまで3日ほどかかった。結局1週間仕事を休んだが、薬の効果でいつも通り業務をこなすことができた。ただ、副作用はあった。背中やお腹にでるじんましん。他にも副作用はあるのだが、わたしはじんましんのかゆみがつらかった。
通院当初、検査は1か月おき。薬が身体に合い、症状が落ち着いてくると2か月おき、3か月おき、、、と間隔があいてくる。病院に行くと血液検査。検査結果をまち、数値をみて薬の分量を相談する。その繰り返し。検査結果がでるまでは近くの喫茶店でコーヒーを飲んで過ごした。
ずっと調子がわるい病気ではない。薬が身体に合っていると、元気に生活ができる。運動もできる。当時、仲間とバレーボールとかしていたし、スキーにも行っていた。仕事も普通にできるので、バセドウ病のせいで体調が悪くなって休むということはなかった(休んだのは発症した時だけ)。
しかし、やはり波があるので、疲れやすさや息切れ、動悸がいつもよりあるなぁと思うと数値が上がっていて、薬が増えたり、、、調子がよくなると、逆にホルモンの分泌量を減らしてしまうので、薬を減らしたり、、、その繰り返し。病院は土曜日も開いていたので、仕事を休んで通院することもなかった。
そして、2年後
完治には2年かかるね、と言われて2年後。完治はしなかった。しかし数値は安定し、体調もよかった。数値が安定しているのは薬のおかげなので、治療をやめることはできなかった。通院は半年に1回ペースになっていたし、「もう少ししたら1年に1回でもいいよ。忘れちゃうといけないから、わかりやすい日にちに検査にくるって決めておくといいかもね。誕生日付近とか。」という話を主治医としていた。そういう意味では2年で完治しなかったが、2年で落ち着いた。あながち嘘ではない診断だった。
完治といわれたのは…
完治でいいでしょう、と言われたのは診断を受けてから10年後だった。それまで半年ごと、1年ごとの血液検査をしていたが、一応つぎも来て、と言われ続けていた。しかし、完治に10年かかったから10年つらかったか?というと、それは違う。つらかったのは、発症した時~1週間くらい。あとは普通に生活し、運動し、仕事をし、全く支障はなかった。それでも「完治」と言われるとうれしいもので、すでに薬は飲まなくていい状態だったから何がどう変わるものでもないけれど、すっきりした気分になった。
ただ、症状や治療方針の違い、手術が必要な場合もあるので、一言で「バセドウ病とはこうだ!」と言えない。あくまでも私の場合。
兆候はなかったのか?
動けなくなるずっと前(半年以上前)から、今までにない、おかしいな~ということはあった。
・食べても食べても太らない(仕事が忙しいからだと勘違い)
・すごく食べるのに体重が減る(年頃だったのでラッキー!と勘違い)
・脈が速く、脈打つ感覚が気になる(特に寝る前に気になる)
・息切れ(階段を上っただけで(;゚∀゚)=3ハァハァ)するが休憩すると治まる
・のどぼとけの下あたりが膨れる
こんな症状があるなぁと思ったら、毎年の健康診断のときに相談してみてください。血液検査でわかるので、発見されやすいです。
原因はわからない
バセドウ病の原因は不明だと聞かされてきた。いまでもそうかな?「ホルモンの分泌量が増える」「24時間フルマラソンを走っているような状態」そういうことは聞いてきたけれど、〇〇だからバセドウ病になったのだろう、という原因は不明のまま。
ただ、発症してから数年はお酒は飲まなくなったし、今でも年に数回しか飲まない。(去年は勝利の宴じゃ~!と家飲みすることは多かったかも、、、)ツイッターによくお酒がでてきますが、これを浴びるように飲んでいるわけではありません( ´艸`)
原因はわからないし、治療が始まるまでが一番しんどいので、診断がおりると一安心。治療が始まると楽になってくる。疲れやすさ、動悸、息切れが治まってきて、運動もできるし、いつもの活気ある生活が戻ってくる。
だから、わたしはこのJリーガーさんに「診断がおりてよかったね!」と言いたい気分。治療が始まって薬が身体に合えば、またゴールを護ることができる!バセドウ病だから何年も何か月もずっと静養、っていう必要はない。不測の事態でリーグ戦が休止されている間につらい期間を終え、「ぼくは元気だよ!」ってピッチにでてきてほしい。
ほら、わたしはこんなに元気だぜー(/・ω・)/