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三国志3の感想

 三国志で好きな武将は楊修です。あと演義で天を呪って死ぬ周瑜。

 STGをプレイするときはまずOPTIONから難易度をeasyにしてクレジットを最大まで増やす派です。RPGで難易度変更ができるときHARDは選ばない派でもあります。グリッチはしたくないけど仕様の範囲で甘えられるところは甘えていくスタイル。
 それ故にシムシティとかcivとか、いわゆるシミュレーションゲームは自分に合ってないんですよね。相手の弱さを嘆きながら、自分からCPUのレベルを引き上げて苦戦することを是とはしない。
 ただ、この特性に気づいたのはしばらく前のことで、それまでは結構やってたんですよSLG。
 特にKOEIの三国志は2~5、8、9、11をプレイ済み(14は買ったもののすぐ投げてるのでカウントしない)。分けても思い入れが深いのがこの三国志3でしてね。メガドライブ版を発売日に買った友達の家に仲良し5人組で毎週集まってプレイしてましたね。攻略本を買ったやつから本を借りて、慣れないワープロで必死に内容を書き写したり、自分なりの攻略情報を記事にして仲間内に配布したり。
 ゲーム本編も傑作で、やや牧歌的だった2の複雑さを大幅に引き上げて(そのせいで内政・人事・情報確認などはかなり窮屈な面もあるが)、現代の三国志シリーズに通じる基礎を作った作品と言っていいと思います。

ゲームそのものの評価

 まあ30年以上前の作品だから善し悪しなんて語り尽くされてますよね。ですから自分の評価は以下にざっとまとめるに留めましょう。

GOOD!
・2までは武力=戦闘力だったせいで諸葛亮を戦争に出すなんて考えられなかったところ、陸指・水指(後の統率)の導入で武力に依らない戦闘指揮官を表現できるようになった。

・都市間の経路や経路上の戦場、関が設定されたことで守りやすい都市・守りづらい都市が生まれ、戦略性が大幅に増した。

BAD…
.・武将が大量に追加されたが多くは十把一絡げのモブで、彼らにいぶし銀の活躍を求められるのは武将特性スキルの設定を待つことになる。

こんなやつがとにかく多い

・他国の情報を確認するのに武将を1名、長期間に渡って密偵として送り込む必要がある。当然この仕事に回されるのは能力が低い武将になりがちだが、その場合、全情報が確認できるようになるのは6ヶ月後の1か月間だけ。

・他国の武将を登用するのが困難。具体的には隣接都市にしかできないうえ2で猛威を奮った偽書が効きづらい。小国が強い武将を引き抜いて逆転、は難しくなった。

・将軍でも軍師でもない武将を太守にすると命令できなくなって、その都市に将軍を移動させても自発的に太守を交代してくれない仕様。

あれ、BADの方が多くなっちゃったな。というか輸送の失敗率が高すぎるとか兵科が導入されたのに活かしづらいとか海戦なんてまずやらないとか不満点を挙げはじめたらキリがないんだけど、いいゲームなんですよ。

リプレイ

 さて、じゃあ誰で遊びましょうか。支配都市・武将の数・質のすべてが高水準な曹操で圧倒するか、ちょうどいい規模の孫堅・孫策で江南から中原を伺うか、劉焉・劉璋で安全な場所からじっくり統一を目指すか考えたんですが、折角だから今までプレイしたことがない新君主を使いましょうということになりました。

女の新君主は顔の種類が少なすぎる

 というわけで魅力いっぱいの未来、猛将静香、意外と指揮官向けの翼に、三国志好きそうだし読んだら間違いなく妄想の世界に旅立ちそうな百合子も加えてゲームスタート。そういえば初期のニコ動はアイマスのアイドルがこの手のSLGやるって体の動画が流行してた気がしますね。あの頃はアイマスのこと全然知らなかったなあ。

担当は信号機と絡まないから出しづらい

 シナリオは3(それより前だと各陣営のメイン格がまだいなかったりするので)。このシナリオの新君主は北平からはじめて公孫瓚を破って趙雲を配下にしてから袁紹と対峙するか、荊州南部からじっくり支配地を広げるか、中原スタートで呂布・曹操・劉備あたりといきなり決戦するかがメジャーな選択肢でしょうか。今回選んだ旗揚げの地は譙。速攻で劉備を叩き潰したあとは曹・呂・袁が潰しあうのを尻目に南下して支配地を広げる算段です。

vs劉備

 で、ゲーム開始すぐに全力の徴兵と訓練からの劉備攻め。ここは首尾よく勝って劉備の首を取り髭と燕人も配下に加えることができたんですが、下邳も徐州もいろんな都市と接してて守りにくいことこの上ない!しかも国境を接したくなかった曹操はさっさと許昌に手を伸ばしてくるし、袁紹も緩衝帯にするつもりだった孔融を速攻で撃破。うーん守りづらいし人口低いから徴兵もやりづらいし困ったぞ。

開始直後の速攻が有効なのはシリーズ共通

 とりあえず曹操に土下座して同盟を組んだけども、下手に動けないでいると、目論見通り袁紹が呂布にちょっかいを出してくる。呂布に負けてもらっちゃ困るから援軍要請に応じて出兵してたけどそんなの必要ないくらい呂布軍は兵士が揃っててしばらくは安泰そう。一方で曹操は袁紹から鄴を奪うと呂布からは濮陽を奪取。いや流石に強いわ。

 こうなると方針は2つ。同盟を破棄して曹操を弱めるか、あるいは曹操に食われる前に袁紹を討つか。自分の選択は後者で、劉繇に後背を突かれて都市を分断される可能性はあってもここが攻め時……っつーか曹操に顔良文醜の2枚看板と田豊を取られたくない。
 そんなわけで北海を攻め取ったものの思った以上に被害が出て、残る平原と南皮を攻めるには兵士数が足りないし、金も無い。

北海を取ったところで1年経過。

 仕方がないので策を弄することにします。適当な武将に兵100人を授け騎馬隊にして平原を攻め、逃げ回って延長戦に。これで南皮を攻めるときに平原から邪魔されることはないし、なんなら平原を攻めた時点で南皮から増援が行ってるからやや手薄になってる状態。ここで南皮を攻め取るや、間髪入れずに平原に雪崩れ込む。兵士数は4万vs約1万だけど、南皮から攻め込んだ1万人はあくまで応援部隊扱いだから袁紹軍はわずか100人で城外を逃げ回る「総大将」に全軍が殺到。

陽動に引っかかって城を落とされるのは三國志あるある

 ほぼすべてが遊兵になったことで城に立て篭もる袁紹を強襲して首を取り、かなりの兵士を手つかずのまま未来軍に編入できました。これはCPUの思考の隙をキレイに突けて気持ちいいんだけど多用するもんじゃないね。

vs曹操その1

 袁紹を滅ぼしたものの、そのターンのうちに公孫瓚が南皮を狙って易京に進軍。南皮は全軍で平原に出兵してて空城なので戦場を明け渡すしかない。
 曹操と戦う前に趙雲を配下に加えるのも兼ねて公孫瓚攻め。

もがあじ頑張った

 一方で曹操は呂布をあっさり滅ぼして支配地域を盤石にしてる。というか呂布逃がすなよ絶対禍根を残すだろこれ……。

2年経過。徐州を捨てたので領土が分断されてる図。

 できれば曹操を叩いて中原を抑えておきたいってタイミングで苑の袁術と長安の李傕がそれぞれ曹操を攻撃。どっちも負けてるけど曹操の戦力が西に固まるならいいね。試しに濮陽に密偵を放って都市情報を見てみたら……あれ、6000人しかいない。ひょっとして国境を接してる未来ちゃとは敵対29しかないし兵士を置かなくても問題ないって判断なのか?甘いね!
 降伏勧告→同盟破棄からの都市攻撃で一気に鄴と濮陽を攻め取り、領土が一気に広がる。

念願の後背地を手に入れたので生産都市化に精が出ます

 その後は劉繇が厳白虎を滅ぼしたタイミングで閉じ込めに成功し、許昌も制圧。ここまでくればあとは惰性でどうにかなるんですが、ED見たいし最後までやりましょうかね。

3年経過。

vs孫策

 続いての目標は孫策。流石に良将揃いだけど三国志3は国力=兵力のぶつけ合いで能力差が出づらいんですよね。廬江って人口少なくて微妙な都市なんで勝つのは全然難しくないんですが……。

 ここからが追いかけっこの始まり。荊南へ逃げていくもんだからこっちもそれを追いかけてどんどん戦線が伸びる。

南海まで追い詰めた。地味に王朗が滅んでいる。
地の果て。小城一つでいかにもみすぼらしい。

 呉の宿将たちを配下に加えてほっとしたのもつかの間、対孫策に集中するため同盟を組んでいた劉表が突如同盟を破棄してこちらを攻撃。戦線が伸び切ったところを攻めるという敵ながらあっぱれな一撃でしたね。覚えてろ!

4年経過。荊南を破棄して慌てて戻ってきましたの図。

vs劉表・袁術

 ただ劉表と戦おうにも戦線が上下に伸びてるうえ江南は生産力が無いから北の方で徴兵→訓練した兵士を南に送る事になってとにかく手間。このあとの曹操戦に集中するためにも目障りな袁術ともども平らげてしまおう、ということで苑と荊北に同時侵攻。襄陽と新野が接続すると一気に楽になる。

流石に進撃スピードは緩み、5年経過時点でこの状態。

vs曹操その2

 ほぼ2年掛けて劉表と袁術を滅ぼし、苑・鄴、さらに晋陽からも援軍を出してギリギリ洛陽を攻め落とし、曹操は残り1都市に。これは勝ったなと思ったタイミングで手薄な武陵で呂布が挙兵。こうなるから処断しておけって話なのよ。

6年目。長沙は空、江夏は最低限の兵しかいない。まずいですよ!

急いで呂布討伐の軍を向かわせる一方、曹操を一息に揉み潰すかと都市情報を見てみると……うn?

圧巻の兵士数12万。未来軍はかき集めても8万もいない状態。

 こんなもんまともに攻めてられないので奥の手その2を使うことにします。騎兵1万を率いて張飛が出陣し、都市を攻めずにウロウロして期限ギリギリで退却。

戦力差はざっと11:1。そりゃ無理よ。

 この戦闘でほとんど兵士を損耗しなかった曹操だけど、兵士を出せば糧食は減るんですよね。力押しで12万人を倒すなんてほぼ無理なので兵糧攻めが一番スマート。

3万程度の米で兵士12万人は養えまい。
同じ手順をもう一度。もう兵士の士気はボロボロ。
兵糧ゼロだと士気が落ち、士気が底を着くと敗北。
さらば奸雄。しかし無茶苦茶なステだなこいつ……。

 一方その頃、江夏の防備がギリギリで間に合ったので呂布も無事に撃破。今度こそおしまいだよ。

3だと武力は一騎打ちにしか使わないし攻撃型君主は不利だしで逆風だったね

後始末

 残ってるのは順調に領土を広げ続けた劉璋と、ぜんぜん動きがない李傕、張魯、馬騰。ダイジェストでいきましょう。

三重の壁に囲まれた長安。本当に攻めるのが面倒。
7年目。この年の間に統一できるかな?
天水と西涼の間の戦場。砂漠に岩山っていう中華とはぜんぜん違う地形がイイ雰囲気。
こちらはほぼベトナム。ジャングルばっかりで攻めづらい。
ラストくらいは君主自ら出陣。
未来ちゃじゃない!ダレー!?

終わりに

 やっぱ面白いですね3。後発の作品みたいに呂布の戦技一発で兵士が5000人消し飛ぶとか無いんで地味に削るしかないし、寡兵でも城に籠もれば結構粘れちゃうから月を跨ぐ戦闘の合間に空き巣するなんて戦い方もある。BGMのデキも良くって、戦闘が佳境に入るとBGMがテンポアップしたアレンジバージョンに変わるのも燃えるポイント。手間と複雑さと、リアルさとゲームっぽさのバランスがちょうどよくて10年後、20年後もプレイしてるかもっていう予感がありますね。そもそも92年発売でいまだにやってるんだから。

顔グラが怖すぎて当時から仲間内で話題だったヤツ


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